第2500回 フランスリーグファイナル(2) 5月最初の週末に行われた第35節

 おかげさまで第2500回の連載を迎えることになりました。連載開始以来18年で2500回もの連載を続けることができたのは読者の皆様のおかげです。読者の皆様に改めて感謝するとともに、引き続きのご愛読をよろしくお願いいたします。

■降格争いの直接対決はカーンが勝利して18位浮上

 前回の本連載ではチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグを目指す上位陣の第34節の戦いを紹介したが、降格争いも興味深い。19位と20位が自動降格、18位が入替戦となるが、降格圏内のチームを改めて確認すると18位にディジョン(勝ち点28)、19位はカーン(26)、20位がギャンガン(24)である。そして16位と17位は勝ち点32で並び、得失点差でモナコ(-17)が16位、アミアン(-20)が17位である。この中で直接対決が1試合、カーン-ディジョン戦である。イエローカードの飛び交う激しい試合となったが、ホームのカーンは後半67分にモロッコ代表のファイカル・ファジルのゴールで1-0と勝利、18位と19位の順位が入れ替わった。また16位のモナコはフランスカップを制覇したばかりのレンヌとアウエーでの対戦、前半に2点をリードされたが、後半にラダメル・ファルカオが2点をあげてドロー、勝ち点1をあげ、アミアンもリーグカップ覇者のストラスブールと対戦、スコアレスドローに持ち込み、こちらも勝ち点を1加えた。最下位のギャンガンはニースと対戦し、0-3と敗れ、18位のカーンとは勝ち点で5の差がついた。

■フリアニの悲劇のあった5月5日

 このように上位も下位も若干の順位変動があった第34節、フランスカップ決勝出場チームの試合がずれ込んだこともあり、第34節が終わった翌々日の5月3日から第35節が始まった。
 第35節は5日の日曜日までの3日間にかけて行われた。5月5日は1992年にフランスカップ準決勝でフリアニの悲劇と言われる事故で18人が亡くなったことからこの日に試合をすることに反対するファンも多いが、この日に注目のリヨンとリールの対戦が組まれた。 2位のリールは勝ち点68、3位のリヨンは勝ち点62、ホームの試合でリヨンが勝利すれば勝ち点の差は3に縮み、残り2試合への期待が膨らむ。

■ギャンガン-カーンはスコアレスドロー、勝利したサンテチエンヌは暫定3位に

 2位を狙うリヨンを勝ち点3差で追うサンテチエンヌはアウエーでモナコとの対戦、モナコも18位のカーンとは勝ち点4差、まだ安心できないポジションである。そして何とかヨーロッパリーグ出場権の与えられる4位と勝ち点5の差のあるモンペリエはモナコと同勝ち点で降格の危険性を残すアミアン、モンペリエと勝ち点で並ぶマルセイユはリーグカップ優勝でヨーロッパリーグ出場権を獲得したストラスブールとアウエーで対戦する。また、第34節に続き降格争いは直接対決があり、最下位のギャンガンが18位のカーンをホームに迎える。
 まず降格争いであるが、ギャンガンとカーンはスコアレスドロー、勝ち点差は5のままであり、次節の結果によっては最下位のギャンガンの降格が決定する。またディジョンはナントに敗れ、カーンとの勝ち点差が1開いた。
 上位と下位の対戦となった試合が2試合ある。モンペリエ-アミアン戦は1-1のドロー、モンペリエは痛恨の引き分けとなった。モナコ-サンテチエンヌ戦は守勢のモナコが18分にゲルソン・マルタンのスーパーゴールで先制し、リードを保って後半を迎える。しかし、60分にモナコは痛恨のオウンゴールで追いつかれる。サンテチエンヌはレミ・カベラ、アルノー・ノルダンのゴールで突き放す。モナコはアディショナルタイムにカルロス・ビニシウスが1点返すが、ホームで痛い1敗となった。一方、サンテチエンヌは引き分けたモンペリエとの勝ち点差を7とし、暫定的ではあるがリヨンと勝ち点で並び、得失点差で上回ったため、3位になった。

■注目のリヨン-リール戦はドロー

 そして迎えたリヨン-リール戦、グルーパマ競技場は5万6000人の観衆で埋まる。先制点はホームのリヨン、11分にテリエが決める。試合はこのまま後半を迎えるが、50分にリールはロイック・レミが同点ゴール、さらに68分にはブーバカリ・スーマレが逆転ゴールを決める。この試合を落とすと2位はおろか、4位陥落の危険性もあるリヨンは74分にレオ・デュボワが同点ゴールを決めて2-2で引き分ける。
 この結果上位の順位は変わらず、2位リールと3位リヨンの勝ち点差は6のまま、そして4位サンテチエンヌはリヨンと勝ち点1差に迫った。(続く)

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