第2767回 秋の王者はリヨン(2) パリサンジェルマンとリールの欧州組を抑えたリヨン

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■国内外で好成績を残すリールと

 前回の本連載では12月12日と13日に行われた第14節でリールがパリサンジェルマンを抜いて首位に立ったことを紹介した。ちょうどその直前にチャンピオンズリーグとヨーロッパリーグのグループリーグが終了し、フランス勢で決勝トーナメントに残ったのがこの両チームだけであったことを考えれば、国内外で成績を残していることがよくわかる。
 リールは続く12月16日の第15節のディジョン戦も勝利し、勝ち点を32にして第16節でパリサンジェルマンとのホームでの直接対決を迎える。第14節でリヨンに敗れたパリサンジェルマンは第15節ではロリアンに勝利、勝ち点を31とする。

■リール-パリサンジェルマン戦はドロー

 第16節は12月19日と20日に行われ、リール-パリサンジェルマン戦は20日に行われるが、その前日の19日にリヨンがニースに勝利し、勝ち点を33に伸ばして暫定で首位に立っている。リヨンは第14節でパリサンジェルマンに勝利して勝ち点でリールと並んだが、得失点差で2位にとどまり、今季初の首位のチャンスを逃している、第15節ではブレストと対戦したが、後半アディショナルタイムの失点で追いつかれてしまい、勝ち点でリールに2の差をつけられてしまっている。
 そして迎えたリール-パリサンジェルマン戦であるが、パリサンジェルマンは本来の力を取り戻し、パスをつないで試合を支配する。しかしながら、シュートになかなか結びつけることができない。結局、シュート数は両チーム8本ずつ、枠内シュートはリールが3本、パリサンジェルマンが1本となり、両チーム無得点で引き分けとなった。この結果、リールは勝ち点33となり、リヨンに追いつき、得失点差も+18となり、リヨンを1ポイント上回って首位をキープする。そして勝ち点1差の33でパリサンジェルマンが追う展開となる。

■年内最終戦となる第17節で首位に立ったリヨン

 年内最終戦の第17節は上位3チームは12月23日21時に同時にキックオフされた。リールはアウエーでモンペリエ、リヨンはホームでナント、パリサンジェルマンはホームでストラスブールとそれぞれ対戦する。
 勝ち負けだけではなく得失点差も気になるところであるが、3チームの中でスムーズに試合を進めたのがリヨンである。前半4分に先制、37分、44分にも得点を重ねて前半に3点を入れて試合を決めてしまう。
 リールとパリサンジェルマンは結果的に勝利したものの、苦しい展開であった。リールもパリサンジェルマンも先生はしたものの前半は1点どまりで折り返す。リールは後半に入って57分に追いつかれ、68分に勝ち越すものの、その直後の70分に追いつかれる。ようやく86分にブラク・イルマズが決勝点をあげるが、3-2と1点差の勝利となった。パリサンジェルマンは、後半のラスト10分間に3点をあげて最終的には4点差で勝利したものの、試合を支配しながらシュートができないという今季を象徴するような試合であった。
 2020年最後の試合を終えた結果、リヨンとリールが勝ち点33で並んだが、リヨンの得失点差が+20、リールの+19を抑えて今季初めて首位に立ち、パリサンジェルマンが勝ち点35で続く。欧州カップの出場権を逃したリヨンが欧州カップで決勝トーナメント進出を決めたチームを抑え、2021年を迎えたのである。

■首位をキープしたリヨンが秋の王者、勝ち点1差で追うパリサンジェルマンとリール

 2021年最初の試合は1月6日、首位に立ったリヨンはRCランスに対し3点を先行、追い上げられたが、3-2と振り切って勝利する。一方、追う欧州組の2チームは精神的にダメージを受けたのか、リールはホームでアンジェに2点先行されて、追い付けず黒星、リヨンは勝ち点で単独首位になる。パリサンジェルマンはアウエーとはいえサンテチエンヌと1-1の引き分けとなり、得失点差でリールをかわして2位には浮上したものの、リヨンとの勝ち点差は3に広がる。
 そして前半戦最後の第19節、リヨンはアウエーでレンヌに2点のリードを許したが、ラスト10分に追いつきドロー、2位のパリサンジェルマンはブレスト、3位のリールはニームに勝利したが、秋の王者は勝ち点40のリヨン、そして勝ち点39でパリサンジェルマンとリールが続くのである。(この項、終わり)

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