第2831回 リール、10年ぶりにリーグ優勝(2) パリサンジェルマン、リヨンとの直接対決で勝利し首位奪還
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■後半戦で競り合ってきた3強に迫るモナコ
前半戦を首位で折り返したリヨン、チャンピオンズカップでも勝ち残っているパリサンジェルマン、後半戦の序盤で首位を奪回したリール、この3チームは年が明けてから大きく差がつくことがなく、3月下旬の第30節を迎えた。前回の本連載で後半戦の前半はこの3チームの差はあまりつかなかったことを紹介したが、それは、これらのチーム間での直接対決がなかったことにもよる。これらのチーム間の直接対決は第30節にリヨン-パリサンジェルマン戦、第31節にパリサンジェルマン-リール戦、第34節にリヨン-リール戦が予定されている。これらの直接対決で勝ち抜いたチームが頭一つリードすることが予想される。
一方、これら3強が争う中で虎視眈々と勝ち点を積み上げてきたのがモナコである。第20節から第29節までの10試合を7勝2分1敗と乗り切り、この間の勝ち点23はリーグトップであり、上位3チームとの対戦もパリサンジェルマンにアウエーで勝利、リールにホームで引き分けており、さながら早春の王者である。順位は4位であるが、勝ち点は56、首位リールとは勝ち点7差、パリサンジェルマン、リールとは4ポイントの差であり、チャンピオンリーグ出場あるいはリーグ優勝も展開によってはありうる。モナコの残る上位戦は第35節のリヨン戦だけであるが、3月下旬から4月にかけてのこれら4チーム同士の対戦で覇権の行方は決まってくるであろう。
■サンテチエンヌに大勝したモナコがリヨンとパリサンジェルマンに肉薄
その第1ラウンドは第30節である。この第30節で最後に行われる試合は3月21日21時にキックオフされるリヨン-パリサンジェルマン戦である。逆に最初に行われる試合は3月19日に唯一行われる試合のサンテチエンヌ-モナコ戦である。4位のモナコはアウエーゲームを苦にせず、ジェフロワ・ギシャールを緑から赤と白に変えてしまう大爆発で4-0と完勝する。この時点で直接対決を控えているパリサンジェルマンとリヨンに勝ち点1差に迫る。
■首位リール、ホームで19位のニームにまさかの敗戦
首位のリールは3月21日の夕方、結び前の取り組みとして17時5分にキックオフをホームで迎える。相手は19位のニームである。日本の植田直通も背番号27をつけてストッパーとして出場、しかし首位相手のアウエー戦では荷が重い。リールは、降格圏内のチーム相手に確実に勝ち点3を獲得して首位固め、さらには得失点差のことも考えて大量得点をしたいところである。しかし、この試合の先制点は12分にニームがあげる。リールも20分にシェカが同点に追いつく。降格だけは免れたいニームは45分にルノー・リパールが得点をあげて、結局これが決勝点となる。リールはホームでニームに敗れ、2位集団との勝ち点差を3のままとして、リヨン-パリサンジェルマン戦の結果を待つことになる。
■パリサンジェルマンがゴールを重ね、得失点差でリールを抜いて首位に立つ
リヨンとパリサンジェルマンはキックオフを迎える時点で、上を見れば、首位のリールとは勝ち点3差、下を見れば4位のモナコと勝ち点1差である。この試合で勝利すれば勝ち点でリールと並び得失点差で上回ることから首位奪取となる。敗れた場合は、3位となり、勝ち点1差でモナコに追われる立場である。
白いユニフォームのリヨンに対し、パリサンジェルマンは蛍光色のユニフォーム、そしてネイマールをベンチでスタートさせる。試合は序盤は拮抗した展開であった。しかし、15分にパリサンジェルマンがキリアン・ムバッペのシュートで先制すると一方的な展開となり、パリサンジェルマンのボール支配率は6割を超える。32分にはダニーロ・ペレイラが追加点、2-0とリードして後半を迎える。
後半に入っても47分にアンヘル・ディマリア、52分にムバッペとゴールを重ね、4-0と大量リードとなる。対するリヨンは62分にイスラム・スリマニが1点を返し、81分にマクスウェル・コルネがゴールを決めて2点差に詰め寄るのが精一杯、パリサンジェルマンが4-2と勝利して首位に返り咲いたのである。(続く)