第2946回 リーグ戦を独走するパリサンジェルマン(1) 後半戦の巻き返しに期待したいリヨン、リール、モナコ
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■前半戦の首位は2位に勝ち点13の差をつけるパリサンジェルマン
前回までの本連載ではアフリカ選手権が開幕した模様を紹介したが、フランスだけではなく欧州ではリーグ戦が再開している。
新型コロナウイルスの感染拡大によりサッカーカレンダーの変更が続く中、フランスリーグは年内に前半戦、年が明けてから後半戦というスケジュールを堅持している。前半戦の最終戦は12月22日に第19節が行われた。
前半戦を終えた段階での順位は首位がパリサンジェルマン、14勝4分1敗で勝ち点46、2位のニースは10勝4分5敗で勝ち点33(ファンのトラブルにより勝ち点1が減算)とすでに勝ち点13の差をつけている。2位以下は混戦で3位マルセイユも勝ち点33、4位のレンヌと5位のモンペリエが勝ち点31となっている。ここまでが来季の欧州カップの出場権のある順位である。
■ファンのトラブルもあり、国内で苦戦するリヨン
今季の欧州カップでフランス勢が好調であることは本連載第2929回から第2938回にかけて紹介してきた。6チームがエントリーし、すべてのチームが決勝トーナメントに進出する。さらにパリサンジェルマンとマルセイユ以外はグループリーグを首位で通過している。欧州カップを戦っているチームのリーグ戦の前半戦の順位は1位(パリサンジェルマン)、3位(マルセイユ)、4位(レンヌ)、6位(モナコ)、8位(リール)、13位(リヨン)となっているが、欧州で好成績を残したリヨン、リール、モナコは国内では苦戦している。
ヨーロッパリーグのグループリーグでは5勝1分と圧倒的な強さを見せたリヨンも6勝7分5敗という成績しか残していない。さらにリヨンはマルセイユ戦でのファンのトラブルによって勝ち点1を減算されており、勝ち点は24にとどまる。ただ、リヨンの前半戦を振り返ると、上位チーム相手のアウエーゲームでことごとく負けている。9月にはパリサンジェルマンにパリで1-2と敗れ、10月にはニースで2-3と競り負けている。11月にはレンヌで1-4と大敗している。
一方、ホームゲームではマルセイユと11月21日に対戦したが、上述の通り、ファンが引き起こしたトラブルで試合は開始わずか5分で打ち切られ、再試合となってしまった。
リヨンのファンのトラブルについては本連載第2940回で紹介した通りフランスカップのパリFC戦でも再演されてしまった。国内でのふがいない成績、さらには上位陣との直接対決での敗戦がファンのフラストレーションとなっているが、決して許される行為ではない。
ただ、これまでの黒星の多くが上位陣とのアウエーでの対戦であり、後半戦はこれらのカードはホームで行われる。後半戦の最初の試合はホームでのパリサンジェルマン戦、この試合に勝利して浮上へのきっかけをつかみたいところであったが、先制しながら後半に追いつかれてドロー。勝ち点3は獲得できなかったが、最低限の目標は達成できた。この後の巻き返しを期待したい。
■11月以降は上昇気流に乗ったリール
昨季チャンピオンのリールはチャンピオンズリーグのグループリーグでは後半戦で3連勝し、首位となったが、国内リーグ戦も10月まではなかなか勝ち点を積み上げることができなかった。10月末時点の順位は12位であった。しかし、10月29日にアウエーでパリサンジェルマンに1-2と敗れたのを最後に、年末まで国内外では負けなかった。チャンピオンズリーグと同様に11月以降順位を上げて8位になっている。年初最初の試合であるフランスカップのベスト16決定戦ではRCランスにPKで敗れたが、この調子で後半戦も戦えば順位はアップするであろう。
■スタートで失敗したモナコも挽回
モナコもスタートに失敗した。最初の3試合は1分2敗、降格圏内の19位まで順位を落とし、そこから徐々に順位を上昇させた。8勝5分6敗という成績であるが、そのうち5敗は10月までのものである。11月以降は国内外での負けは唯一アウエーでのパリサンジェルマン戦だけであり、挽回してきた。ホームでのパリサンジェルマン戦は3月下旬、その時には勝ち点差を少なくして対戦できるであろうか。(続く)