第2948回 リーグ戦を独走するパリサンジェルマン(3) オリンピックから戻ってきたテジ・サバニエ、最下位の名門サンテチエンヌ

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■国内でも上位につけるレンヌ

 前々回の本連載では欧州カップに出場しているリヨン、リール、モナコ、前回の本連載では上位で折り返したパリサンジェルマン、ニース、マルセイユについて紹介したが、今回はそれ以外のチームと得点ランキングについて紹介しよう。
 リーグ首位のパリサンジェルマン以外で、国内外とも好調というのが4位のレンヌである。前々回の本連載で紹介した通り、パリサンジェルマンから白星をあげた唯一のチームである。序盤はもたつき、初勝利は第3節のナント戦、その後は3連敗するなど第6節を終えた時点では1勝2分3敗という成績で16位と低迷していたが、そこから盛り返し、9月中旬から11月末までパリサンジェルマン戦の勝利を含み6勝2分と負けなし、順位を2位まで上げている。12月に入って1勝3敗と負けが込んだものの、4位で折り返した。

■オリンピック代表のテジ・サバニエのモンペリエ

 レンヌと逆に12月に4連勝と好成績を残したのが5位のモンペリエである。前半戦最後の試合となったアンジェ戦は4-1と完勝したが、この試合で活躍したのがテジ・サバニエである。日本の読者の皆様であればよくご存じであろう。東京オリンピックのフランス代表にオーバーエイジの3人のうちの1人である。オリンピックに出場していたこともあり、モンペリエの一員として試合に出場したのは第3節ロリアン戦からである。トップ下にして主将、チームの中心として出場した。先制を許す苦しい展開であったが、50分にサバニエが同点ゴールをあげ、その後モンペリエは2点を追加して3-1と今季初勝利をあげた。アンジェ戦の行われた12月22日はサバニエの30歳の誕生日であった。サバニエは記念すべき日にふさわしい活躍をし、14分に先制点をあげた。モンペリエは12月の4試合は12得点3失点と圧倒的な成績を残し、12月初めに11位だった順位を5位にまで上げた。

■最下位のサンテチエンヌ、2021年に負けの込んだボルドー

 上位のチームの状況は以上であるが、一方、下位に低迷しているチームの状況を紹介しよう。折り返しの時点で最下位は名門サンテチエンヌである。開幕から3試合連続で引き分け、その後は5連敗する。その後も引き分けか負けが続き、13試合目にして初勝利、11月になるまで勝ち星をあげることはできなかった。12月初めにはクロード・ピュエル監督が更迭、暫定的にコーチのジュリアン・サブレがスタッド・ド・ランス戦で指揮を執ったが、0-2で敗戦、12月中旬には正式な監督としてパスカル・デュプラズが就任する。フランスカップのベスト32決定戦が初陣となり、下部のチームに勝利したが、リーグ戦の初戦は前半戦最終節のナント戦、ホームで0-1と敗れる。サンテチエンヌは5連敗で前半戦を終え、成績は2勝6分11敗の勝ち点12であった。
 降格圏内の18位と19位は同じ勝ち点16のメッスとロリアンである。下位に低迷しているチームの中で注目すべきは17位のボルドーである。ボルドーは勝ち点17、同勝ち点にはトロワとクレルモン(試合消化が1試合少ない)が並んでいる。前半戦の成績は3勝8分8敗であるが、ボルドーの低迷は今季だけではなく、昨季の後半から続く。昨季のボルドーは12位であったが、後半戦は7勝1分12敗と大きく負け越し、2021年だけでボルドーは20敗している。

■得点ランキングのトップはリールのジョナサン・デイビッド

 他方、得点ランキングに注目してみよう。昨季の得点王のキリアン・ムバッペは9得点で3位にとどまっている。前半戦トップはリールのジョナサン・デイビッド(12得点)、2位はモナコのウィッサム・ベン・イェデル(10得点)である。デイビッドはチャンピオンズリーグでは後半戦の3試合で得点をあげ、首位突破に貢献したことは本連載で紹介した。デイビッドは国内リーグでも得点を量産し、前半戦の最後のボルドー戦は86分に決勝点をあげ、勝利に貢献している。なお、2021年の年間最多ゴールはムバッペの24得点、デイビッドはそれに次ぐ23得点をあげているのである。(この項、終わり)

このページのTOPへ