第3017回 2021-22フランスリーグフィナーレ(3) 最後に逆転、2位マルセイユ、3位モナコ

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■2位争いをするモナコとマルセイユ

 5月21日、いよいよフランスリーグは最終節を迎えた。上位陣に関して紹介すると、首位(優勝)のパリサンジェルマンはチャンピオンズリーグの出場権を確保しているが、2位のモナコ、3位のマルセイユは4位以内を確保し、チャンピオンズリーグまたはヨーロッパリーグへの出場権があるが、2位となればチャンピオンズリーグのグループリーグからの出場、3位の場合はチャンピオンズリーグの予備戦3回戦、4位にとどまればヨーロッパリーグのグループリーグからの出場となり、是非とも1つでもよい順位でシーズンを終えたいところである。そして4位のレンヌにもチャンピオンズリーグ出場のチャンスが残っている。
 チャンピオンズリーグ出場権の可能性のある3チームの勝ち点(得失点差)はモナコ68(+25)、マルセイユ68(+21)、レンヌ65(+42)となっており、モナコとマルセイユは勝ち点で優位に立つが、最終戦で敗れた場合、得失点差で圧倒的な差のあるレンヌが勝利すると、レンヌの方が上位となることはほぼ確実である。

■残る2つの席に挑むレンヌ、ストラスブール、ニース、RCランス

 他方、ヨーロッパリーグ出場権が与えられる4位争い、ヨーロッパカンファレンスリーグ出場権のある5位は上記の3チームに加え、5位のストラスブール、6位のニース、7位のRCランスにチャンスがある。5位のストラスブールと6位のニースは勝ち点63で並び、得失点差はストラスブールが+21、ニースが+15となっている。追う7位のRCランスは勝ち点61で得失点差は+14である。ストラスブールは最終戦に勝利すれば、ニースが勝利してもおそらく得失点差で上回るため、5位以上を確保できる。

■最終節でマルセイユとストラスブール、RCランスとモナコが直接対決

 これらのチームが最終節ではファンの関心が集まるが、これらのチーム同士の直接対決が2つある。まず、3位マルセイユが5位ストラスブールをベロドロームに迎える試合、そして7位のRCランスが2位のモナコを迎える試合である。それ以外は4位のレンヌはアウエーで10位のリールと対戦、6位のニースはアウエーで12位のスタッド・ド・ランスと対戦する。来季の各チームの運命を左右する試合が全国各地で5月21日21時にキックオフされた。
 2位争いをするモナコもマルセイユもまずは目の前の相手を倒し、そこから得失点差の争いとなる。

■マルセイユが得失点差で猛追、後半アディショナルタイムにモナコが失点

 そのマルセイユ-ストラスブール戦とRCランス-モナコ戦はスリリングな展開となった。マルセイユの本拠地ベロドロームには6万4000人近いファンが集まる。ストラスブールもマルセイユに勝たないと5位の座が危うい。試合は両チーム無得点の時間が続いた。一方、ランスのフェリックス・ボラール競技場にも満員に近い3万7000人のファンが集まり、来季の欧州カップ出場を後押しする。4チームともモチベーションは十分で均衡した試合となり、両試合とも無得点が続く。
 この均衡を30分に破ったのがRCランスのプルゼミスラウ・フランコウスキであった。モナコのGKがクリアしたボールをゴールに蹴りこむ。これでマルセイユも2位が近づいた。そのマルセイユは32分にバランタン・ロンギのクロスからジェルソンが先制ゴールを決める。今季前半は不調だったジェルソンが最後に仕事をした。ランスの試合はモナコのブノワ・バディアシルがゴールを決めて同点に追いつく。
 ハーフタイムを終えた時点でマルセイユが有利であったが、後半62分、モナコは主将のウィッサム・ベンイェデルがケビン・フォランドのクロスを頭で決めて逆転する。マルセイユもモナコも1点リードには変わりないが、このまま終われば、勝ち点で並び、得失点差で4ポイントリードするモナコが2位となる。マルセイユはこの得失点差を逆転しようと果敢に攻め、73分にジェンギス・ウンデル、89分にジェルソン、アディショナルタイムに入って93分にセドリック・バカンブが得点を重ね、得失点差の差は1点まで迫った。時間が足りないマルセイユ、しかし、奇跡が起こった。22時51分、ランスの試合でRCランスはFKのチャンス、ジョナタン・クロースの蹴ったボールをモナコはバディシルがクリアするがRCランスの選手にわたり、ケピン・ガナゴが最後にシュートを決めて、モナコから勝ち点3が逃げて行った。最後の最後で2位の座を守れなかったモナコ、シュートが味方のゴールに入った瞬間にモナコの選手たちは地面に倒れこんだのである。(続く)

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