第3050回 2022-23フランスリーグ開幕(4) 新戦力が活躍したマルセイユ

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■新監督を迎えた昨季5位のニース、追いついてドロー

 リーグ開幕の3日目となる8月7日には7試合が行われた。キックオフ時間は前年同様区々であり、13時キックオフが1試合、15時キックオフが4試合、17時5分キックオフと20時45分キックオフがそれぞれ1試合である。単独でキックオフされる3試合には昨季の上位チームが登場する。
 13時にはトゥールーズとニースが対戦、ニースは昨年は5位に入り、ヨーロッパカンファレンスリーグへの出場権を獲得している。ただし、昨季チームを躍進させたクリストフ・ガルティエ監督はパリサンジェルマンに移り、後任には選手、監督としてニースで活躍した経験のあるスイス人のルシアン・ファーブルが就き、その手腕が見ものである。対するトゥールーズは昨季2部で優勝して3年ぶりに1部に復帰した。日本の皆様はオナイウ阿道の活躍を楽しみにしておられるであろう。今季からフランスリーグは日本でも広く視聴することができ、ゴールデンタイムでの観戦を楽しみにされているファンのためのフランスの真昼の試合である。試合は劣勢のトゥールーズが20分に先制するが、地力に勝るニースは試合を支配し、ようやく78分に追いついたものの、勝ち越し点を奪うことはできず、ドローとなった。

■オウンゴールで敗れたレンヌ

 17時05分には昨季4位でヨーロッパリーグに出場するレンヌがロリアンを迎える。ブルターニュ勢同士の試合となり、注目も集まった。試合はホームのレンヌが試合を優勢に進めたが、20分にオウンゴールで先制を許してしまう。結局、レンヌは1点を奪うことができず、開幕戦はホームで黒星という意外な結果となった。

■スタッド・ド・ランスを圧倒したマルセイユ

 21時にキックオフ、最後に今シーズンの開幕を迎えたのは昨季2位のマルセイユ、ベロドロームにスタッド・ド・ランスを迎える。1部で73季目となるマルセイユ、今季はチャンピオンズリーグに出場する。相手のスタッド・ド・フランスは黎明期のチャンピオンズカップにフランス代表として決勝に進出したクラブである。リーグ優勝だけではなく、欧州での上位進出も狙うマルセイユは、新戦力を補強して臨む。RCランスから獲得した右サイドのジョナタン・クロースとポルトガルのFCポルトから移籍してきたシャンセル・ムバンバ、スペインのセルタ・ビゴからレンタルしたルベン・ブランコ、ロシアのスパルタク・モスクワから獲得したサミュエル・ジゴ、イングランドのアーセナルからレンタルで加わったヌーノ・タバレスが先発のメンバーに名を連ね、新戦力を一目見ようと6万2000人のファンが集まった。一方のスタッド・ド・ランスは名門復活のために大型補強した伊東純也は内転筋の痛みのため、遠征メンバーから外れている。
 マルセイユはディミトリ・パイエが出場せず、バランタン・ロンジが主将を務めた。試合はマルセイユが圧倒する。ゴール前に攻め込まれたスタッド・ド・ランスは13分にオウンゴール、マルセイユが先制する。前半アディショナルタイムにはタバレスが移籍後初戦でゴールを決める。後半に入ってもマルセイユは途中出場で新戦力のルイス・スアレスが2得点、スタッド・ド・ランスは1点返しただけで、マルセイユが4-1と勝利した。

■1部復帰初戦を飾れなかったオセール

 それ以外の試合を紹介しよう。一昨年はリーグ優勝しながら、昨季は10位に沈み、捲土重来を期すリールと、プレーオフと入替戦を勝ち抜いて久しぶりに1部に復帰してきたオセールは注目カードであったが、リールはカナダ代表のジョナサン・ダビッドが2得点をあげる活躍、オセールは昨季チーム得点王のガエタン・シャルボニエが得点しただけで、リールが4-1と勝利する。
 モンペリエ-トロワ戦、RCランス-ブレストはいずれもホームチームが3-2と勝利した。アンジェと昨季フランスカップ優勝のナントはスコアレスドローとなった。 初戦で大勝したパリサンジェルマンとマルセイユの好調さが印象に残る第1節であった。(この項、終わり)

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