第3128回 年末のリーグ戦再開 (2) ワールドカップで活躍した57人のフランス勢
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■決勝戦を戦ったアルゼンチンに2人、フランスに6人
今回のワールドカップに出場したフランスのクラブの選手を紹介しよう。ワールドチャンピオンに輝いたアルゼンチンにはパリサンジェルマンのリオネル・メッシとリヨンのニコラス・タグリアフィコの2人がいる。アルゼンチンと決勝で死闘を演じたフランスにはパリサンジェルマンのキリアン・ムバッペ、マルセイユのジョルダン・ベルトゥとマテオ・ゲンドウジ、モナコのユスフ・フォファナとアクセル・ディザジ、レンヌのスティーブ・マンダンダの6人がいる。
このファイナリストのうち、メッシは7試合にフル出場している。ワールドカップで7試合フル出場した選手はメッシ以外にはアルゼンチンのエミリアーノ・マルティネス、オタメンディ、クロアチアのドミニク・リバコビッチ、ヨシュコ・グバルディオル、モロッコのソフィアン・アムラバトの5人がいるが、攻撃的なポジションの選手はメッシだけであり、メッシがいかに卓越した存在であったことがわかる。また、ムバッペも決勝トーナメント進出を決めてターンオーバーで後半途中から出場したチュニジア戦以外の6試合はフル出場であったが、フランス代表においてムバッペ以外のフランスのクラブの所属選手は出場機会が少なかった。
■躍進モロッコを支えた5人など多くが決勝トーナメントで活躍
3位になったクロアチアからはロブロ・マイエルがレンヌに所属している。4位のモロッコはパリサンジェルマンのアクラフ・ハキミ、アンジェのアゼディン・ウナヒとソフィアン・ブファル、トゥールーズのザカリア・アブクラル、ブレストのアクラフ・ダリの5人が出場、チームの主力として活躍した選手が多く、そのプレゼンスはフランス代表を上回っていた。
準々決勝で敗れた国ではブラジルのネイマールとマルキーニョス、ポルトガルのダニーロ・ペレイラ、ビティーニャ、ヌーノ・メンデスの5人がいるがいずれもパリサンジェルマンの選手である。
決勝トーナメント1回戦で敗れた国ではセネガルのイスマイル・ヤコブスとクレパン・ディアッタがモナコ、バンバ・ディアンとパプ・ゲイエがマルセイユ、アルフレッド・ゴミスがレンヌ、フォルモーズ・メンデスが2部のアミアンとフランスと並ぶ6人の選手がメンバーとなった。米国のティモシー・ウエアはリール、ポーランドのチェミスワフ・フランコフスキはRCランス、マテウシュ・ビエテスカはクレルモン、スペインのパブロ・サラビアとソレールがパリサンジェルマン、スイスのブレール・エンボロがモナコ、ヨナス・オムリンがモンペリエに所属している。そして日本の読者の皆様であれば、スタッド・ド・ランスの伊東純也、モナコの南野拓実、ストラスブールの川島永嗣の活躍は印象的であろう。
■5番目に多い57人がフランスのクラブに所属
今回、フランスのクラブに所属している選手でワールドカップに登録した選手は総計で57人おり、前回大会の53人を上回った。イングランド、スペイン、ドイツ、イタリアに続き5番目である。この順位は前回も同様であり、欧州五大リーグを中心に世界のサッカーは回っており、その中の序列も固定化していることは事実である。
ただし、今回のフランスは57人の選手のうち40人が決勝トーナメントに進出した国の選手であった。これは登録した選手全員が決勝トーナメントに進出した韓国(14人)、日本(10人)、豪州(8人)というアジアのリーグには及ばないが、他の欧州のリーグに比べて特筆すべきである。
■国内で最多の11人を送り込んだパリサンジェルマン
その中心となったのがパリサンジェルマンである。パリサンジェルマンからはフランスのクラブの中では最多の11人の選手を送り込んだが、コスタリカのケイロル・ナバス以外の10人が決勝トーナメントに進み、ファイナリストも2人、前回大会のプレスネル・キンペンベとムバッペに続き、2大会連続の世界チャンピオンも輩出している。クラブ別でそれに続くのは8人のレンヌ、6人のモナコ、5人のマルセイユ、3人のRCランスと続く。 ワールドカップ帰りの選手のフランスリーグでの活躍が楽しみである。(続く)