第3237回 フランスリーグ開幕 (2) 開幕戦のニース-リール戦はドロー
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■1部が18チームとなった新シーズン
今季のフランスリーグも週末に行われる場合は金曜日に1試合、土曜日に2試合、日曜日に6試合が行われる。昨年までは1部は20チームであったが、今季からは18チームとなる。これは1部リーグの試合数を減らして、チャンピオンズリーグなどの欧州カップ、代表戦などとの選手の過密日程を防ぐためであり、結果的にはチャンピオンズリーグ等でのフランス勢の好成績をもたらすかもしれない。また、現在1部のクラブの選手は過半数が国外の選手であるが、国内外の多数の代表選手が活躍している。代表チームでのパフォーマンスを担保することにもなるだろう。
■ニースの新監督は異色の経歴のフランチェスコ・ファリオリ
今季最初に行われる試合は8月11日21時キックオフのニース-リール戦である。ニースはこのところコンスタントにリーグで一桁順位を記録し、欧州カップに出場することもあったが、昨季は9位に沈んだ。その前のシーズンでチームをリーグ5位、フランスカップ準優勝に導いたクリストフ・ガルティエ監督がパリサンジェルマンに移籍し、後任はスイス人のリュシアン・ファーブルが指揮を執ったが、下位に低迷し、2023年1月のフランスカップ初戦で敗れて、更迭となり、暫定監督となったディディエ・ディガールがようやく一桁順位に乗せた。
今季はイタリア人のフランチェスコ・ファリオリが指揮を執る。ファリオリ新監督の経歴はユニークであり、競技経験がないに等しい。大学では哲学とスポーツ科学を学び、サッカーとの関わりは小さなクラブでのGKコーチが始まりであり、カタールの16歳以下のチームのGKコーチを務めている際に、現在ブライトン(イングランド)の監督を務めているロベルト・デ・ゼルビの目に留まり、イタリアに呼び戻される。デ・ゼルビが率いたチームの後任を2度務め、GKコーチからチーム全体のコーチへと職域を広げ、2020年にはトルコのアランヤスポルのコーチ、2021年にはファティ・カラギュムリュクの監督となり、シーズン半ばにアランヤスポルの監督になり、1シーズン半を務め、ニースの監督となった。初陣となるが、新戦力の選手も2人先発したが、GKのカスパー・シュマイケルをはじめとして負傷による離脱者を抱えた船出となる。
■ヨーロッパカンファレンスリーグを控えるリール
一方のリールは昨季は5位に入り、ヨーロッパカンファレンスリーグへの出場権を獲得している。プレーオフからの参戦となるため、8月24日に他国のチームと対戦する。したがって、チームの仕上げも早めに行い、プレシーズンマッチを多く重ねてきた。このチームの指揮を執るのは2シーズン目となるポルトガル人のパウロ・フォンセカである。国内でのキャリアが長かったが、シャフタール・ドネツク(ウクライナ)、ASローマ(イタリア)で成果を残し、リーグ優勝を狙う力のあるリールに招聘された。リールは新戦力として元フランス代表のサミュエル・ウムティティをイタリアのレッチェから獲得したが負傷のため欠場、攻撃陣ではモンペリエから新加入となった元フランス代表のレミ・カベラは背番号10をつけてトップ下に控える。
リールは2020-21シーズンにはパリサンジェルマンを押さえてリーグ優勝を果たしたが、この時の監督がガルティエであり、両チームはガルティエによって好成績を残している。
■今季のファーストゴールはガエタン・ラボルド、リールが試合終了前に追いつく
リールのキックオフで始まった試合、今シーズンのフランスリーグで第1号のゴールを決めたのはニースのガエタン・ラボルドであった。CFのテレム・モフィからのパスを受けてゴールに流し込み、ホームのニースが19分に先制する。勢いに乗ったニースは20分にもケフラン・テュラムがゴールネットを揺らすが、これはオフサイドで取り消しとなる。
カナダ代表のジョナサン・デビッドを中心とするリールの攻撃陣もニースゴール前に迫るが、GKのマルシン・ブルカがセーブを連発する。
このままニースが勝利かと思われたが、後半アディショナルタイムの94分、リールはDFのバフォデ・ディアキテがFKからのチャンスでヘディングで決めて、同点に追いつき、今シーズンのフランスリーグの開幕戦は1-1のドローとなった。(続く)