第3374回 2023-24フランスリーグ終了(4) ニース、リヨン、RCランスが欧州カップへ挑戦
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■欧州カップ出場数が1チーム増えたフランス勢
前回までの本連載でリーグ戦上位の4チームには来季のチャンピオンズリーグのリーグフェーズあるいは予備戦3回戦に出場することと、そのチームを紹介してきた。来季のヨーロッパリーグからはフランスからは2チームがリーグフェーズから出場できる。リーグ5位のチームとフランスカップの優勝チームである。そしてリーグ6位のチームからはヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフに出場できる。すなわち、フランスからはこれまでよりも1チーム多い7チームが来季の欧州カップに出場することになる。
まず、フランスカップの行方であるが、4月初めに準決勝2試合が行われ、パリサンジェルマンとリヨンがファイナリストとなった。パリサンジェルマンは第3371回の本連載で紹介している通り、優勝してすでにチャンピオンズリーグの出場権を確保している。一方のリヨンは前期は不振で一時期は最下位になったこともあったが、後半戦になって勝ち点を重ね、リーグ戦の成績でも欧州カップを狙える位置まで順位を上げてきた。
■5位のニースはヨーロッパリーグ出場
後半戦になって5位をキープしてきたのはニース、6位はRCランスであった。ニースは前半戦は好調でパリサンジェルマンに次ぐ2位で折り返したが、ブレスト、モナコ、リールに抜かれて5位で終盤を迎えた。3月に入ってからは5位ニース、6位RCランスで順位が固定し、ニースは2試合を残す第32節で5位以内を確定し、ヨーロッパリーグ以上の出場を確定した。
■後半戦に猛チャージのリヨン、6位に入り、ヨーロッパリーグ出場決定
RCランスが6位だった指定席を奪回しようとするのがマルセイユとリヨンである。第32節を終えた時点で6位から8位にはRCランス、マルセイユ、リヨンが勝ち点47で並んだ。その中で猛烈なチャージを見せてきたのがリヨンである。昨季は7位、その前年は8位と惜しいところで欧州カップの出場権を逃してきたリヨンは1997-98シーズンから2019-20シーズンまで23季連続で欧州カップ出場という記録を持っている。その記録が途絶えてからは1回しか欧州カップに出場していないが、出場できなかったシーズンもあと一歩のところで出場権を逃している。ところが、今季は開幕から全く低調であり、連敗でスタートし、最下位に沈み、ようやく初勝利をあげたのは11月12日の第12節のアウエーのレンヌ戦であった。
ホームの初勝利は12月10日の第15節のトゥールーズ戦、ここからようやくエンジンがかかり、3連勝して前半戦を終え、ようやく15位になって折り返す。
後半戦も連敗スタートとなり、2部との入替戦となる16位に順位を落としたが、第20節でマルセイユに勝利、ここから再びスパートする。後半戦は最初の2試合に連敗した以外は、パリサンジェルマンとRCランスに敗れ、スタッド・ド・ランスと引き分けた以外はすべて勝利した。第33節ではリヨンはRCランスとともに勝利、勝ち点を50に伸ばし、マルセイユは敗れて足踏み、最終節を迎える時点で6位争いはRCランス(勝ち点50、得失点差+8)、リヨン(50、-7)、マルセイユ(47、+11)に絞られた。
最終戦でRCランスはモンペリエ相手に前半2点を先行したが、後半に追いつかれてしまう。リヨンはストラスブール相手に先制するが追いつかれ、このまま引き分けて7位のままか、と思われたが 後半アディショナルタイムの96分にPKをアレクサンドル・ラカゼットが決めて、2-1と勝利、6位になり、フランスカップの決勝でパリサンジェルマンに敗れても、フランスリーグから2番目の出場権を得ることになり、3年ぶりの欧州カップ出場となったのである。
■最終戦で7位に陥落したRCランスはヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフへ
6位の座をキープしてきたRCランスは最終節で7位に陥落、ヨーロッパカンファレンスリーグに出場する。そして今季のヨーロッパリーグで準決勝に進出し、フランス勢として最後まで欧州カップを戦ったマルセイユは8位にとどまり、欧州カップ出場はならなかったのである。(続く)