第3420回 2024-25フランスリーグ開幕(1) オセール、アンジェ、サンテチエンヌが1部復帰
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■欧州選手権、オリンピックの流れの中で開幕するフランスリーグ
シーズンオフに欧州選手権、オリンピックが行われ、欧州選手権はベスト4、オリンピックは準優勝という成績を残した。いずれも優勝したスペインに敗れたが、1984年の二冠以来最高のオリンピックイヤーとなったことは間違いない。その熱気が冷めやらぬ中でシーズンが始まった。特に、今回もベストメンバーが組めなかったオリンピック代表は決勝まで5戦全勝、オーバーエイジを含めて経験の少ない選手が自信をつけて新シーズンに臨む点は注目したい。
■オセール、アンジェが自動昇格
フランスリーグはオリンピックの閉幕した翌週末の8月16日に開幕し、来年5月18日までフランス全土(モナコを含む)で繰り広げられる。今シーズンも18チーム体制の2年目となる。昨季については本連載の第3375回で紹介した通り、最下位のクレルモンと17位のロリアンが2部に自動降格したことを紹介した。これに代わって1部に昇格してきたのは2部で優勝したオセール、2位のアンジェが自動昇格した。オセールもアンジェも1シーズンで1部復帰となった。
■プレーオフを勝ち抜いた3位のサンテチエンヌ
そして本連載では紹介していなかったが、1部の16位のメッスは2部でプレーオフを勝ち抜いたチームと入替戦を戦うことになる。プレーオフに参戦できるのは2部の3位から5位までの3チームである。3位はサンテチエンヌ、4位はロデス、5位はパリFCである。まず4位と5位のチームが4位のホームで1試合戦い、勝利したチームは3位のチームと1回戦制で戦う。このプレーオフの勝者がメッスとホームアンドアウエー方式で戦う。プレーオフに関しては、リーグ戦上位のチームが有利である。したがって終盤戦まで激しい順位争いとなり、4位のロデスと5位のパリFCは最終戦で順位が入れ替わった結果である。
5月17日に2部の日程は終了し、プレーオフは21日からロデスで始まった。パリFCがもし1部に昇格すると1989-90シーズンのラシンパリ1とパリサンジェルマン以来、35シーズンぶりに1部に首都パリのチームが複数所属することになる。プレーオフは最初から激しい試合になった。パリFCが先制したが、ロデスがPKで追いつき、前半のうちに逆転する。さらに後半開始早々、パリFCは2枚目のイエローカードを受けた選手が退場、追いかける立場でありながら、数的不利となる。このままロデスが勝利するかと思われたが、パリFCは後半アディショナルタイムの97分に追いつく。プレーオフの場合は、延長戦なしにPK戦となる。PK戦では3人目まで終えたところでパリFCが2-0とリードし、あと1人決めるか、止めれば勝利であったが、4人目以降はロデスが3人連続で成功させたのに対し、パリFCは3人連続で失敗、結局、ロデスがPK戦を3-2と制し、次の戦いに駒を進めた。
ロデスは勝利の3日後の24日には3位のサンテチエンヌの本拠地ジェフロワ・ギシャールに乗り込む。ロデスではホームゲームで3,000人しか観衆がいなかったが、サッカーどころサンテチエンヌはその10倍のファンが詰めかける。試合はホームの大声援を受けたサンテチエンヌが終始圧倒し、2-0と勝利、サンテチエンヌが入替戦に進出した。
■第2戦で延長の末、1部復帰を決めたサンテチエンヌ
入替戦は30日にサンテチエンヌでまず行われ、ホームのサンテチエンヌは試合を支配し、20分にイブラヒム・シソッコが先制点、それに対してメッスも前半終了間際にイスマエル・トラオレのゴールで追いつく。最終的には80分にアーバン・カルドナのゴールでサンテチエンヌは2-1と振り切って先勝した。
第2戦はメッスで行われ、サンテチエンヌほどではないが熱心なファンがメッスを応援する。メッスは開始4分、パプ・ディアロが危険なファウルがVARの結果、一発退場のレッドカードとなる。しかしメッスは連続得点で2点リードし、サンテチエンヌが1点返してハーフタイムを迎える。試合はそのまま90分経過、2試合とも同スコアのため、延長戦となる。延長後半も終わりに近づいた117分、サンテチエンヌのワビ・カズリが同点ゴールを決める。2試合通算ゴールで上回るサンテチエンヌが3シーズンぶりに1部に復帰したのである。(続く)