第3420回 2024-25フランスリーグ開幕(1) オセール、アンジェ、サンテチエンヌが1部復帰

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■欧州選手権、オリンピックの流れの中で開幕するフランスリーグ

 シーズンオフに欧州選手権、オリンピックが行われ、欧州選手権はベスト4、オリンピックは準優勝という成績を残した。いずれも優勝したスペインに敗れたが、1984年の二冠以来最高のオリンピックイヤーとなったことは間違いない。その熱気が冷めやらぬ中でシーズンが始まった。特に、今回もベストメンバーが組めなかったオリンピック代表は決勝まで5戦全勝、オーバーエイジを含めて経験の少ない選手が自信をつけて新シーズンに臨む点は注目したい。

■オセール、アンジェが自動昇格

 フランスリーグはオリンピックの閉幕した翌週末の8月16日に開幕し、来年5月18日までフランス全土(モナコを含む)で繰り広げられる。今シーズンも18チーム体制の2年目となる。昨季については本連載の第3375回で紹介した通り、最下位のクレルモンと17位のロリアンが2部に自動降格したことを紹介した。これに代わって1部に昇格してきたのは2部で優勝したオセール、2位のアンジェが自動昇格した。オセールもアンジェも1シーズンで1部復帰となった。

■プレーオフを勝ち抜いた3位のサンテチエンヌ

 そして本連載では紹介していなかったが、1部の16位のメッスは2部でプレーオフを勝ち抜いたチームと入替戦を戦うことになる。プレーオフに参戦できるのは2部の3位から5位までの3チームである。3位はサンテチエンヌ、4位はロデス、5位はパリFCである。まず4位と5位のチームが4位のホームで1試合戦い、勝利したチームは3位のチームと1回戦制で戦う。このプレーオフの勝者がメッスとホームアンドアウエー方式で戦う。プレーオフに関しては、リーグ戦上位のチームが有利である。したがって終盤戦まで激しい順位争いとなり、4位のロデスと5位のパリFCは最終戦で順位が入れ替わった結果である。
 5月17日に2部の日程は終了し、プレーオフは21日からロデスで始まった。パリFCがもし1部に昇格すると1989-90シーズンのラシンパリ1とパリサンジェルマン以来、35シーズンぶりに1部に首都パリのチームが複数所属することになる。プレーオフは最初から激しい試合になった。パリFCが先制したが、ロデスがPKで追いつき、前半のうちに逆転する。さらに後半開始早々、パリFCは2枚目のイエローカードを受けた選手が退場、追いかける立場でありながら、数的不利となる。このままロデスが勝利するかと思われたが、パリFCは後半アディショナルタイムの97分に追いつく。プレーオフの場合は、延長戦なしにPK戦となる。PK戦では3人目まで終えたところでパリFCが2-0とリードし、あと1人決めるか、止めれば勝利であったが、4人目以降はロデスが3人連続で成功させたのに対し、パリFCは3人連続で失敗、結局、ロデスがPK戦を3-2と制し、次の戦いに駒を進めた。
 ロデスは勝利の3日後の24日には3位のサンテチエンヌの本拠地ジェフロワ・ギシャールに乗り込む。ロデスではホームゲームで3,000人しか観衆がいなかったが、サッカーどころサンテチエンヌはその10倍のファンが詰めかける。試合はホームの大声援を受けたサンテチエンヌが終始圧倒し、2-0と勝利、サンテチエンヌが入替戦に進出した。

■第2戦で延長の末、1部復帰を決めたサンテチエンヌ

 入替戦は30日にサンテチエンヌでまず行われ、ホームのサンテチエンヌは試合を支配し、20分にイブラヒム・シソッコが先制点、それに対してメッスも前半終了間際にイスマエル・トラオレのゴールで追いつく。最終的には80分にアーバン・カルドナのゴールでサンテチエンヌは2-1と振り切って先勝した。
 第2戦はメッスで行われ、サンテチエンヌほどではないが熱心なファンがメッスを応援する。メッスは開始4分、パプ・ディアロが危険なファウルがVARの結果、一発退場のレッドカードとなる。しかしメッスは連続得点で2点リードし、サンテチエンヌが1点返してハーフタイムを迎える。試合はそのまま90分経過、2試合とも同スコアのため、延長戦となる。延長後半も終わりに近づいた117分、サンテチエンヌのワビ・カズリが同点ゴールを決める。2試合通算ゴールで上回るサンテチエンヌが3シーズンぶりに1部に復帰したのである。(続く)

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