第3423回 2024-25フランスリーグ開幕(4) 新戦力の活躍でマルセイユが大勝
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■クラブ史上最高の3位になったブレスト
前回の本連載ではリオネル・メッシ、ネイマールに続いてキリアン・ムバッペが移籍し、スター選手が不在となったパリサンジェルマンがルアーブル相手に開幕戦を飾ったことを紹介した。試合を支配しながら、なかなか勝ち越し点を奪うことができず、終盤まで苦労した前年王者であったが、終盤のゴールラッシュは見事であり、終わってみれば、4-1というスコアであった。
さて、開幕第2日の8月17日の土曜日には3試合が組まれた。その中でも17時キックオフのブレスト-マルセイユは注目の試合となった。ブレストは昨季のリーグ戦では3位となり、クラブ史上最高の成績を残した。今季より欧州カップの大会方式が変わったことにより、チャンピオンズリーグの出場権も得る。クラブ史上初の欧州カップがいきなりチャンピオンズリーグとなった。
■欧州カップ出場を逃したマルセイユ
ヨーロッパの舞台にデビューするブレストはホームのフランシス・ルブレ競技場でシーズン開幕を迎え、相手はフランスを代表するマルセイユ、片やフランスを代表する軍港、もう一方は地中海航路の中心となる港のクラブである。
チャンピオンズリーグ出場を決めたブレストに対し、マルセイユは昨季8位にとどまり、今季は欧州カップに出場できず、5年ぶりに国内タイトルのみを目指すことになった。
ブレストはこれが1部で12季目であるが、昨年の開幕戦はRCランスに勝利したが、それ以前の10回の開幕戦では勝利したことがなく、通算1勝5分5敗と苦手にしている。一方のマルセイユは開幕戦は2020年にブレストに勝利して以来、4連勝、対照的な成績である。
■マルセイユの今季初ゴールはメイソン・グリーンウッド
しかし、開幕戦に集まった1万5000人のファンはブレストの勝利に期待する。ブレストのキックオフで始まったが、開幕戦らしいトラブルがキックオフ直後に発生、開始30秒で主審が試合を止め、ボールの空気圧が十分でないということでボールを交換した。
そしてこの試合はマルセイユの新戦力が活躍した。3分、マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)から移籍してきたメイソン・グリーンウッドが先制ゴールを決めた。グリーンウッドはマンチェスター・ユナイテッドの下部組織出身で17歳の誕生日の翌日にプロ契約を交わし、各年代のイングランド代表にも選出、フル代表にも18歳で選出され、UEFAネーションズリーグにも出場したが、代表チーム内での規律違反があり、その後は代表に招集されていない。また、所属するマンチェスター・ユナイテッドでもライアン・ギグスの11番を背負ったが、不祥事を起こし、出場停止となり、昨夏にはスペインのヘタフェにレンタルされ、今夏、マルセイユと5年契約を結んだ次第である。心機一転、マルセイユでの活躍を、と思ったところ、マルセイユのブノワ・パイヤン市長がこの移籍を批判するなど、歓迎されざる新戦力となった。しかし、この1点でマルセイユのファンの考えも変わることを期待したい。
■得点を重ねるマルセイユ、5点目も新戦力のエリ・ワヒ
7分にブレストはペナルティエリア内でのファウルによりPKを得るが、ロマン・デルカスティージョのシュートをマルセイユのGKジェロニモ・ルリが左手ではじき出す。
その後、マルセイユはルイス・エンリケが追加点を決め、2点差とすると、30分にはアリがペナルティエリア内でバックチャージを受け、PKを獲得。このPKのキッカーとなったのは市長から認められなかった男、グリーンウッドであった。グリーンウッドはこのPKも決める。
ブレストがゴールをあげたのは前半アディショナルタイムの51分、マーディ・カマラが1点を返して、2点差に詰め寄ってハーフタイムを迎える。
後半もマルセイユは立ち上がりの48分にルイス・エンリケが追加点を決める。これでスコアは前日のパリサンジェルマンに並んだ。マルセイユのファンとしてはもう1点を奪ってパリサンジェルマンよりも上の順位で第1節を終えたい。
そのマルセイユのファンの期待通り、RCランスから移籍してきたエリ・ワヒがゴールをあげ、5-1で開幕戦を飾ったのである。(続く)