第3489回 フランスリーグ、前半戦終了 (2) 前半戦を無敗で折り返したパリサンジェルマン

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■チャンピオンズトロフィーと同じカードとなるパリサンジェルマン-モナコ戦

 昨年までとは異なるスケジュールとなった今季のフランスサッカー、リーグ戦の前半戦は1月14日に終了した。前回の本連載で紹介したパリサンジェルマンは、12月中旬に行われた第15節でナントに勝利して前半戦首位折り返しを確定した。秋の王者となったパリサンジェルマンは続く第16節はアウエーでのモナコ戦である。第16節は1月3日から5日の間に行われるが、ちょうどパリサンジェルマンとモナコは本連載第3486回で紹介したチャンピオンズトロフィーを1月5日に戦うため、日程を前倒しにして12月18日に行われた。
 モナコで行われたこの試合はチャンピオンズトロフィーの前哨戦というだけの位置づけではない。モナコはこの時点でパリサンジェルマンとは勝ち点7の差、ホームで勝利すれば勝ち点4に迫ることができる。1970年創立と歴史の浅いパリサンジェルマンであるが1部の中ではもっとも古くから連続して1部に在位しているチームとなった。そのパリサンジェルマンと1部でこれまで最も多く対戦しているのがモナコとボルドーであり、96試合を数える。ただ、ボルドーは現在2部であるため、この試合によってモナコが単独でパリサンジェルマンと対戦歴の多いチームとなる。これまでの戦績はパリサンジェルマンの45勝28分23敗である。

■先制するが、後半に入ってモナコに逆転されたパリサンジェルマン

 モナコは、序盤戦では負けがなく、パリサンジェルマンと並走していたが、10月下旬と11月初めにかけて連敗、これが無敗のパリサンジェルマンとの差となっている。
 開始早々にパリサンジェルマンのアクラフ・ハキミのシュートがポストに当たる。両チームのゴール前での攻防の多い試合となったが、18分にモナコのウィルフリード・シンゴとぶつかったパリサンジェルマンのGKジャンルイジ・ドンナルンマが立てなくなってしまう。長い中断の後、ドンナルンマは退き、控えGKのマトベイ・サフォノフがピッチに入る。アクシデントの直後にパリサンジェルマンは先制点をあげる。ハキミのパスをデジレ・ドゥエが決める。パリサンジェルマンが1点リードしてハーフタイムを迎えるが、前半はパリサンジェルマンがボール支配率で上回るものの、シュート数はほぼ互角であり、モナコにも勝機はある。
 後半に入って先に得点したのはモナコであった。52分、モナコはパリサンジェルマンのペナルティエリア内に攻め込み、ゴール前の混戦でマルキーニョスのハンドを誘う。これをエリース・ベンセギルが隅に決めて同点となる。さらにモナコは60分にブレール・エンボロが逆転ゴールを決める。

■ウスマン・デンベレの2ゴールでパリサンジェルマンが勝利

 リードされたパリサンジェルマンが追いつくのは素早かった。64分にウスマン・デンベレがルイスのパスを受けて同点ゴールを決める。ここからパリサンジェルマンが勝ち越すことになる。83分にはCKからゴンサロ・ラモスがゴールを決め、リヨン戦に次ぐ得点となる。モナコは交代出場してきた南野拓実がその直後に同点ゴールのチャンスを逃してしまう。後半アディショナルタイムにはモナコの選手がペナルティエリア内で倒されたが、ノーホイッスル。逆にパリサンジェルマンは97分にデンベレがこの日2つ目のゴールを決め、4-2と勝利し、年内最後のリーグ戦で勝ち点3を積み上げ、2位のマルセイユに暫定で勝ち点10の差をつけたのである。

■前半戦の最終戦はサンテチエンヌに勝利

 そしてパリサンジェルマンは年が明けて、カタールでチャンピオンズトロフィーで再びモナコに勝利、リーグ戦は1月12日のサンテチエンヌ戦が2025年の初戦となる。16位と不振のサンテチエンヌに対し、パリサンジェルマンはこの日もデンベレが活躍する。13分、ハーフウェーライン付近でボールを受けたデンベレなそのままドリブルでシュート、先制点となる。22分にはサンテチエンヌのDFがペナルティエリア内で反則を犯し、PKがパリサンジェルマンに与えられ、デンベレが決める。
 対するサンテチエンヌは64分に1点を返すにとどまる。2-1で勝利したパリサンジェルマンは前半戦を13勝4分と無敗で乗り切ったのである。(続く)

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