第3492回 フランスリーグ、前半戦終了 (5) 国内リーグでは中位のブレスト

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■上位チームで唯一欧州カップに出場していないマルセイユ

 前回までの本連載では来季の欧州カップ出場圏内となる6位までに入ったパリサンジェルマン、マルセイユ、モナコ、ニース、リール、リヨンを紹介してきた。この6チームのうち、パリサンジェルマン、モナコ、リールはチャンピオンズリーグ、ニースとリヨンはヨーロッパリーグを戦っており、欧州カップに出場したチームはリーグ戦でも好成績を残している。
 唯一、欧州カップに出場していないマルセイユは、欧州での実績も十分であり、来季のチャンピオンズリーグでの活躍が期待される。

■リーグ戦では中位にいるブレスト

 そして逆に欧州カップに出場しながら、リーグ戦で上位に入っていないのが、ブレストである。ブレストは昨季はクラブ史上最高の3位に入り、初めての欧州カップに出場した。しかもそれが最上級のチャンピオンズリーグであったが、堂々の戦いぶりであることは本連載で紹介してきた。
 ブレストはリーグ戦では序盤から黒星が積み重なった。第4節を終えた時点でマルセイユ、RCランス、パリサンジェルマンという欧州組のチームに3敗、唯一勝利できたのは1部に復帰してきたサンテチエンヌ戦だけであった。ところが、リーグ戦で1勝3敗となった時点で始まったチャンピオンズリーグが開幕してから、チームは立ち直った。前半戦は7勝1分9敗、勝ち点22で11位である。2年前の成績が14位であったことを考えれば、それでも健闘しているといえるであろう。そして、ブレストについて特筆すべきはホームゲームとアウエーゲームでの成績の違いである。ホームゲームは8試合戦って5勝1分2敗だが、アウエーゲームは9試合戦って2勝7敗、この極端な差の理由はブレストが地理的に最西端にあることだけではないだろう。チャンピオンズリーグでは本拠地以外のギャンガンでホームゲームを行っているが、2勝1分という成績を残している。後半戦はホームゲームがアウエーゲームより1試合多いことは大きなアドバンテージである。またチャンピオンズリーグでもホームアンドアウエーのノックアウト方式の決勝トーナメントでどのような戦いをするか、楽しみである。

■最下位で折り返したモンペリエ

 一方、1部残留と目標を下方修正せざるを得ない状況に追い込まれている下位のチームも存在する。前半戦を終えて最下位(18位)はモンペリエである。第2節でアウエーとはいえパリサンジェルマンに0-6と大敗したのがよほどショックだったのか、最初の10試合の成績は1勝1分8敗。11月11日のオセール戦を最後に白星をあげることなく、2勝3分12敗、勝ち点9で新しい年を迎えることになった。
 17位のルアーブルは開幕戦でパリサンジェルマンに1-4と大敗、モンペリエ同様、強豪チーム相手の他灰がチームから勢いを失わせたのか、前半戦は4勝13敗の勝ち点12と唯一1部で引き分けのないチームであった。こちらはホームでの成績が振るわず、2勝7敗と最も悪い成績である。
 15位のナントと16位のサンテチエンヌは勝ち点16、14位のレンヌが勝ち点17である。 昨季の最終順位の勝ち点を紹介すると、プレーオフに出場した16位のメッスが29、自動降格した17位のロリアンも29、最下位のクレルモンが25であった。
 これらのチームの中でモンペリエ、レンヌ、サンテチエンヌはシーズン中に監督が交代しており、後半戦での巻き返しを期待したい。

■得点ランキングのトップはジョナサン・デイビスとメイソン・グリーンウッド

 最後になるが、得点ランキングのトップは、リールのジョナサン・デイビッドとマルセイユのメイソン・グリーンウッドが11点で並んでいる。続いてパリサンジェルマンのフランス代表コンピのウスマン・デンベレとブラッドリー・バルコラが10点、8点でレンヌのアルノー・カリムエンドが追っており、キリアン・ムバッペの去った得点王争いも興味深い。(この項、終わり)

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