第3535回 4年連続13回目のリーグ優勝を早々に決めたパリサンジェルマン

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■クラブの試合だけになる4月以降

 このところサッカーの代表UEFAネーションズカップとラグビー代表の6か国対抗と代表チームの活躍について紹介してきたが、4月に入るとシーズン終了までサッカーもラグビーも代表戦はなく、クラブチームのタイトル争いの終盤戦を迎える。
 4月以降のフランスのクラブシーンを見渡すと、欧州カップで勝ち残っているのはチャンピオンズリーグのパリサンジェルマンとヨーロッパリーグのリヨンが準々決勝を迎える。フランスカップについては準決勝が4月1日と2日に行われ、パリサンジェルマンとスタッド・ド・ランスが5月24日の決勝に進出する。そしてフランスリーグは3月末に第27節を終え、各チーム残り7試合となった。

■残り7試合で勝ち点1を獲得すれば優勝の決まるパリサンジェルマン

 4月を迎える時点の順位を確認しよう。首位はパリサンジェルマン、22勝5分と無敗で勝ち点は71である。2位はモナコで勝ち点は50、3位マルセイユは勝ち点49となっている。すなわち、残り7試合であるから数字の上でパリサンジェルマンに追いつくことができるのはモナコだけである。パリサンジェルマンが残り試合を7戦全敗、モナコが7戦全勝した場合のみ、勝ち点で並ぶことができる。ただ、得失点差はパリサンジェルマンが+54、モナコが+19と35ポイントの差があり、パリサンジェルマンが残り全試合2点差で敗れ、モナコが残り全試合を3点差で勝利してようやく得失点差で追いつくことができる。

■地元で自力優勝のかかるアンジェ戦

 第28節は4月最初の週末に行われたが、パリサンジェルマンはホームでアンジェと4月5日17時にキックオフを迎え、追うモナコは19時にアウエーでブレストと対戦する。すなわち、17時からの試合でパリサンジェルマンは引き分け以上であれば、地元のファンの前で優勝を決めることができる。
 アンジェは今季1部に昇格してきたチーム、1部残留が現実的な目標であり、勝ち点27で14位、2部とのプレーオフとなる16位とは勝ち点わずかに1、そして自動降格となる17位とも勝ち点の差は4である。アウエーのパリサンジェルマン戦でも勝ち点が欲しいところであるが、パリサンジェルマン戦は過去15試合、勝利がなく、特にパリサンジェルマンのホームゲームでは9連敗中である。またアンジェは3月にリーグ戦を4試合戦ったが、4試合とも完封負けを喫している。3月の月間成績は4戦4敗、得点0、失点は11という惨憺たる結果に終わっている。パリサンジェルマンは1部に昇格してきたチームに取りこぼすことはなく、カタール資本になってからは1部昇格チームに対し、ホームでは32勝4分と圧倒的な力を見せつけている。

■スーパースターを知らない新加入の選手が得点を演出

 試合は両チームの実力差がそのまま表れ、序盤からパリサンジェルマンが圧倒し、ボール保持率は90パーセントに近い数字をマークする。得点こそ入らずにハーフタイムを迎えたが、パリサンジェルマンが敗れる可能性はなく、パルク・デ・プランスに集まった満員のファンは優勝を確信する。
 後半に入り、51分にアンジェのエスタバン・ルポールのシュートがゴールに入るが、これは明らかなオフサイドであった。そして55分にパリサンジェルマンはフビチャ・クバラツヘリアからのクロスをデジレ・ドゥエが決める。クバラツヘリアはこの冬の移籍市場でイタリアのナポリから獲得、これが3つ目のアシスト、そしてドゥエは昨夏にレンヌから移籍し、25試合目の出場でこれが5得点となる。2人とも今年加入した選手であり、リオネル・メッシ、ネイマール、キリアン・ムバッペというスーパースターが去った後のチームしか知らない。
 試合はこのままパリサンジェルマンが1-0と勝利し、地元のファンの前で勝利して4年連続13回目の優勝を果たした。昨年は3試合残して優勝を決めたが、今年はまだ6試合残っている。またこの勝利でパリサンジェルマンは1994-95シーズンにナントが記録した開幕28戦連続無敗の記録に並んだ。残り6試合、いまだどのチームも成し遂げていないシーズン無敗の記録に挑戦するのである。(この項、終わり)

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