第1084回 マルセイユ、久しぶりのタイトル獲得 (2) 四冠の可能性のあるマルセイユとボルドー

■一番の注目カード、マルセイユ-リール戦

 リーグカップ準々決勝は1月27日と2月2日に行われたが、最初の2試合はいずれもブルターニュで行われ、ロリアンは勝利したものの、ガンガンはトゥールーズに敗れた。準々決勝の第3試合は1月27日20時45分にマルセイユで行われた。マルセイユと対戦するのはリールである。奇しくもフランス勢でヨーロッパリーグに残っているチーム同士の戦いとなった。この日は前回紹介した2試合と含めて3試合が行われたが、最もファンが注目する試合ということで、このマルセイユ-リール戦は夜のゴールデンタイムに試合が行われた。

■久しぶりのタイトルを狙う両チーム

 リーグカップのベスト8決定戦でサンテエチエンヌを下して準々決勝に進出してきたマルセイユは、この段階でリーグ4位である。その他の国内タイトルもフランスカップはベスト32決定戦を勝ち抜き、国内3タイトルすべてとヨーロッパリーグで優勝の可能性が残っている。優勝すれば実に1993年にリーグ、チャンピオンズリーグに優勝(いずれも八百長疑惑でタイトル剥奪)以来の快挙である。
 一方のリールは直前に行われたフランスカップのベスト32決定戦ではコルマールにPK戦で敗れている。リーグ戦ではマルセイユをしのぐ3位であり、国内外のタイトル獲得の可能性が残っている。近年リーグ戦で上位にいるリールではあるが、最後にタイトルを獲得したのは1955年のフランスカップ、リーグ戦はその前年の1954年に2回目の優勝を果たしたのが最後であり、半世紀以上ぶりのタイトルを目指す。そして両チームともリーグカップを獲得したことはない。
 両チームは昨年8月にリーグ戦第2節で対戦しており、このときはマルセイユが1-0と勝利している。

■マチュー・バルブエナの決勝点でマルセイユが準決勝進出

 さて、マルセイユの本拠地ベロドロームには2万人の観衆が集まった。真冬の平日の試合としては上々の観客動員であろう。
 まず先手を取ったのはアウエーのリールであった。4分にリールはカウンターアタックからブラジル人のトゥーリオ・デ・メロがスティーブ・マンダンダの守るゴールネットを揺らす。それに対してマルセイユもすかさず反撃し、9分にはアルゼンチン代表のルイス・ゴンザレスが同点ゴールをあげる。南米のサッカー大国からフランスにやってきた選手が火花を散らす。前半は両チーム攻撃的な試合を展開し好ゲームとなった。さズか欧州カップの決勝トーナメントに残ったチームの戦いである。
 しかし、後半になるとマンダンダの姿がない。前半に負傷したため、フランス代表GKはベンチに退く。そして一方のリールも56分にヨアン・カバイエが2枚目のイエローカードで退場処分となってしまう。ここからはマルセイユの一方的な試合となってしまう。そして81分、マルセイユが決勝点をあげる。CFのママドゥ・ニアンが左サイドからのクロスを本来は右ウイングのマチュー・バルブエナがゴールを決め、マルセイユが準決勝に進出したのである。

■リーグ首位のボルドー、2部のスダンを下す

 そして2月2日に行われた最後の準々決勝がボルドー-スダン戦である。リーグ戦で首位を走り続け、連覇を狙うボルドーはフランスカップでも32強に残っており、国内3タイトルと国外ではチャンピオンズリーグを狙っている。一方のスダンは2部リーグで15位と中位以下の成績である。
 すでに準決勝の組み合わせ抽選は発表され、この試合の勝者はロリアンと対戦することが決まっている。観衆は準々決勝で唯一1万人に満たなかった。ジャイアントキリングも期待されたが、ボルドーが押し気味に試合を進める割にはシュートチャンスが少なく、両チーム見せ場の少ない試合となった。結局50分にボルドーのヨアン・グフランのあげたゴールがこの試合で唯一のゴールとなり、ボルドーはマルセイユ同様に四冠に向けて準決勝進出を果たしたのである。(続く)

このページのTOPへ