第1346回 リーグカップのベスト4はマルセイユ、ニース、ロリアン、リヨン
昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■フランスカップの直後に行われたリーグカップ準々決勝
前回までの本連載では、1部勢にとって年が改まって最初の公式戦であるベスト32決定戦について紹介し、5チームが下部リーグのチームに敗れるジャイアントキリングが起こったことを紹介した。ベスト32決定戦を勝ち抜いたチーム、負けてしまったチームもリーグ戦の再開に向けて余念のないところであるが、リーグ戦の再開は1月14日、それまでの間にリーグカップの準々決勝がある。したがってチームによってはリーグ戦再開までにフランスカップベスト32決定戦とリーグカップ準々決勝とカップ戦2試合を戦うことになる。
さて、1月10日と11日に行われたリーグカップ準々決勝であるが、8チームの内訳は1部7チーム(マルセイユ、カーン、ニース、ディジョン、ロリアン、リヨン、リール)に加え、唯一2部からはルマンが残っている。本連載ではリーグ戦開幕直前に行われた2部以下のチームで争われる1回戦と2回戦について第1273回と第1274回でとりあげた。
■明暗の分かれた欧州カップ出場6チーム
8月の末から9月初めにかけて2回戦までを勝ち抜いた6チームと1部勢のうち欧州カップに出場している6チームを除く14チームを加えてベスト16決定戦が行われ、1部7チームと2部3チームが勝ち残る。
10月下旬には欧州カップに出場している6チーム(リール、マルセイユ、リヨン、パリサンジェルマン、レンヌ、ソショー)も加わり、争われた。このベスト8決定戦が初戦となった欧州組のうち、マルセイユ、リヨン、リールというチャンピオンズリーグに出場している3チームは勝ち抜いたものの、ヨーロッパリーグに出場している3チームは、パリサンジェルマンがディジョンに、レンヌがルマンに、ソショーがニースに敗れ、3チームとも姿を消すという対照的な結果となった。
■2月半ぶりに行われる準々決勝
このベスト8決定戦を勝ち抜いた上記の8チームがほぼ2月半ぶりにリーグカップ戦を戦ったのが準々決勝である。1つのタイトルで試合の間隔が2月半も開くことはこのリーグカップのベスト8決定戦と準々決勝、そして1月31日と2月1日に予定されている準決勝と4月14日に行われる決勝の間くらいであろう。
この準々決勝を語るうえで、忘れてはならないのがその3日くらい前に行われたフランスカップの準々決勝との関係である。1部勢7チームだけではなく唯一2部から残ったルマンもフランスカップを戦ったばかりである。ベスト8のメンバーのフランスカップの戦績は5勝3敗である。しかしその5勝のうち、プロチームに勝利したのは1チームもなく、アマチュア相手の勝利だけである。一方3敗はいずれも2部以上のプロ相手のものばかりである。すなわち骨のある相手に勝利したばかりのチームは皆無という中で第3のタイトルのベスト4が決まる。
■注目の上位対決はリヨンが勝利
マルセイユはカーンに乗り込み、超満員の観衆の中で3-0と勝利する。3日前のフランスカップのトロワ戦に続き、カーンは本拠地でカップ戦で連敗した。ルマンはブルターニュ勢のロリアンを迎えたが、0-1と惜敗する。ルマンもまた5日前のカップ戦のバランシエンヌ戦に続いて地元で連敗となった。
一方、それ以外の2試合は1部勢同士の対戦であり、フランスカップを勝ち抜いたチーム同士の戦いとなった。ニースとディジョンの戦いはディジョンが先行し、ニースが2回とも追いつくという展開で2-2と言うスコアで延長戦に入る。延長後半の116分にPKでディジョンが勝ち越したが、ニースもその2分後に追いつき、驚異の粘りを見せたニースがPK戦を制して準決勝に進んだ。
そして欧州組同士の戦いとなったリヨン-リール戦であるが、リールが先制し、リヨンはキム・カールストロームが同点ゴール、そして勝ち越し点をあげたのは4日前のフランスカップでもハットトリックを決めたリサンドロ・ロペスである。
マルセイユ、ニース、ロリアン、リヨンと言う1部勢が準決勝に進出したのである。(この項、終わり)