第1546回 サンテチエンヌ、32年ぶりのタイトル (3) 四強はサンテチエンヌ、モンペリエ、リール、レンヌ

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■欧州カップで不振のリールが勝利、好調のリヨンが敗退

 前回の本連載ではベスト8決定戦で欧州勢同士の対戦となったモンペリエ-ボルドー戦とパリサンジェルマン-マルセイユ戦でモンペリエとパリサンジェルマンが勝ち上がったことを紹介したが、それ以外の6試合について紹介しよう。
 注目は欧州カップに出場しているチームであるが、リールはトゥールーズと対戦、この時点でのリーグ戦の順位はトゥールーズがチャンピオンズリーグ出場圏内の3位、リールは10位とやや差がある。国内外で不振のリール、新スタジアムでファンにいいところを見せたい。そのリールの意地が通じたのか、延長戦の末、リールは1-0と勝利する。
 またリヨンはニースと対戦する。国内リーグ2位、そしてヨーロッパリーグでも順調に勝ち点を重ねているリヨンであったが、国内リーグで17位と下位に低迷するニースが3-1とリヨンを一蹴する。

■明暗が分かれたチャンピオンズリーグ組とヨーロッパリーグ組

 結局、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに出場しているということでベスト8決定戦から参戦した6チームのうち準々決勝に進んだのはモンペリエ、パリサンジェルマン、リールと奇しくも昨季のリーグ上位3チーム、すなわちチャンピオンズリーグ参戦組であり、ヨーロッパリーグ組3チームは初戦で姿を消したのである。
 それ以外のカードであるが、1部勢同士の対戦はソショー-サンテチエンヌのみ、リーグ5位でアウエーのサンテチエンヌはリーグ戦ではホームで敗れているリーグ15位のソショーを圧倒し、3-0でベスト8入りする。
 残りの1部勢3チームは2部チームの挑戦を受けることになる。1部リーグ19位と危険水域にあるトロワは2部リーグ上位のモナコと対戦、トロワは1部の意地を見せモナコに2-1と勝利する。1部リーグ12位のレンヌはアルル・アビニョンと対戦、1-0と手堅く勝利を収める。また1部リーグ11位のバスティアはオセールと対戦、グラウンドコンディション不良により1週間延期されて行われた試合で1-0と勝利する。
 ベスト8はすべて1部勢、そしてチャンピオンズリーグでの成績は差があるものの、出場3チームが残り、昨季のリーグ上位3チームが名を連ねたのである。

■パリサンジェルマン、PK戦でサンテチエンヌに敗れる

 そしてリーグカップは11月末に行われる準々決勝を終えたところで年が変わる。準々決勝はサンテチエンヌ-パリサンジェルマン、モンペリエ-ニース、バスティア-リール、レンヌ-トロワという組み合わせになった。この時点でモンペリエ、リールは欧州カップからの敗退が決まっており、国内タイトルだけにかけることになる。
 注目は2戦連続してタフな相手との対戦となったパリサンジェルマン、相手のサンテチエンヌはリーグ4位である。カップ戦のスペシャリストでありリーグ2位のパリサンジェルマンは敵地ジェフロワ・ギシャールで果敢に攻めるがなかなかゴールを奪うことができない。試合は延長戦になるが、それでも両チーム無得点、準決勝へのチケットはPK戦に委ねられた。先蹴のサンテチエンヌは5人全員が成功させる。一方パリサンジェルマンはマルセイユ戦でPKを決めた3番目のキッカーのチアゴ・シウバのキックがGKに止められる。サンテチエンヌが5-3でPK戦を制し、準決勝進出を決めたのである。

■準決勝進出を決めたモンペリエ、リール、レンヌ

 モンペリエ-ニースはゴールの応酬となる。2-2で迎えた終盤に決勝点をあげたのはジョナタン・ティナン、ベスト8決定戦のボルドー戦に続く決勝点をあげ、欧州での不振を挽回するベスト4入りである。
 また、モンペリエと同日に出場したリールもチャンピオンズリーグ組の貫録を見せた。バスティアとのアウエーでの戦いで、次々にゴールを奪い、3-0と一蹴、2季前の二冠王者にふさわしい戦いをした。
 そして準々決勝最後のカードは11月29日のレンヌ-トロワ戦。2度目の準決勝進出を目指すレンヌは開始早々の8分にブルキナファソ代表のジョナタン・ピトロワパが先制、トロワも22分に追いつく。その後沈黙が続き、延長戦かと思われた終了間際にレンヌはロマン・アレッサンドリーニが決勝点をあげる。
 リーグカップはサンテチエンヌ、モンペリエ、リール、レンヌの4チームが越年し、新年の準決勝を戦うことになったのである。(続く)

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