第1804回 4強の決まったリーグカップ (3) 準決勝はリール-パリサンジェルマン、モナコ-バスティア

 このたびパリ並びにパリ近郊で起こった銃撃事件の犠牲者の方々のご冥福を祈るとともに、サッカー界での人種差別についてしばしば取り上げている本連載に対する読者の皆様からのご支援に感謝いたします。

■年明け3試合目となるリーグカップ準々決勝

 前回の本連載では12月の半ばに行われたリーグカップのベスト8決定戦の結果、8強はすべて1部勢、さらにチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグを戦った5チームはすべて勝ち残ったことを紹介した。
 これら8チームによる準々決勝は1月13日と14日に行われた。1月のサッカーカレンダーを見ると最初の週末にはフランスカップのベスト32決定戦、次の週末は再開したフランスリーグ第20節、そしてその次の週の半ばに行われるのがこの準々決勝である。
 出場するチームは1部勢であるから、年明け半月弱の間に3試合を行うことになる。1月13日にはバスティア-レンヌ戦とサンテチエンヌ-パリサンジェルマン戦が行われた。

■リーグ戦でパリサンジェルマンを下したバスティア、レンヌに勝利

 再開したフランスリーグ第20節の最大の驚きはバスティアがパリサンジェルマンを4-2で下したことである。パリサンジェルマンが試合を支配し、2-0とリードしたが、バスティアは4点をあげて大逆転を演じた。
 そのバスティアはその前週のフランスカップベスト32決定戦でも欧州組のリールを2-0と下しており、2015年の最初に好スタートを見せた。その勢いはこのレンヌ戦でも健在であり、レンヌに先制を許し、1点リードされてハーフタイムを迎えたものの、後半一気に3点を奪い、3-1と逆転勝利。3日前のパリサンジェルマン戦と同じ展開となった。

■立ち直ったパリサンジェルマン、アウエーでサンテチエンヌに勝利

 このバスティアに3日前に敗れたパリサンジェルマンはサンテチエンヌとのアウエーゲームである。サンテチエンヌはリーグ戦では好調で昨年10月以来1試合しか負けておらず、第20節ではスタッド・ド・ランスに勝利し、パリサンジェルマンを抜いて3位に浮上している。リーグ順位でも抜かれたパリサンジェルマンであるが、前半戦のこのカードはパリで行われ、5-0と勝利しているところから、ここで勝利して復調したいところである。
 試合はパリサンジェルマンがボールをキープし、サンテチエンヌは守備を固める展開となった。荒れる試合となりイエローカードは双方4枚ずつ、さらに観客席から物が投げ込まれ試合が中断するシーンもあった。この荒れる試合を決めたのはパリサンジェルマンのズラタン・イブラヒモビッチ、エースのゴールでパリサンジェルマンが1-0と勝利して4強入りを果たした。

■モナコ、リールと欧州組が4強入り

 翌日の1月14日、モナコ-ギャンガン戦は欧州カップの決勝トーナメント出場チーム同士の顔合わせとなった。前半戦のリーグ戦ではモナコが1-0と勝利しており、過去の対戦成績もモナコが優勢である。ギャンガンは勝てば実に19年ぶりの準決勝進出となる。モナコは開始早々の8分、フリーの位置にいたディミトリ・ベルバトフがクロスをヘディングで合わせ、先制点をあげる。1点を追うギャンガンは36分にベスト8決定戦で活躍したクリストフ・マンダンヌがレッドカードで退場し、数的不利になる。ギャンガンの勝利のチャンスは非常に少なくなり、モナコは後半のロスタイムの94分にアントニー・マルシャルが追加点をあげて、2-0と勝利、チャンピオンズリーグとヨーロッパリーグの格の違いを見せつけた格好になった。
 準々決勝最後のカードはリール-ナント戦である。この時点でのリーグ戦の順位はリールは11位、ナントは7位である。リールはフランスカップでは初戦敗退、来年の欧州の舞台を目指すためにはこのリーグカップ優勝だけが頼りである。9分にセバスチャン・コルシアが先制点を奪い、69分にはストッパーのシモン・シェアーが追加点を決め、2-0でナントを下す。
 この結果、4強はバスティア、パリサンジェルマン、モナコ、リールの4チームとなり2月初めに行われる準決勝はリール-パリサンジェルマン戦とモナコ-バスティア戦となったのである。(この項、終わり)

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