第1962回 四強が出そろったリーグカップ (1) ヨーロッパリーグで敗退したボルドーとモナコが初戦で対戦
5年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■昨年8月に始まったリーグカップ
1月になり、最初の週末はフランスカップのベスト32決定戦、次の週末はリーグ戦の後半戦の再開となるが、リーグ戦が再開した次の週の半ばにリーグカップの準々決勝が行われ、ベスト4が出そろった。
第三のタイトルであるリーグカップ、1回戦は昨年8月11日に行われている。今年の出場チームは44チーム、1部20チーム、2部20チームに加え、ナショナルリーグの4チームが出場している。ナショナルリーグから出場した4チームの顔ぶれであるが、今季2部からナショナルリーグに降格したオルレアン、シャトールー、アルル・アビニョンと前年に降格しているCAバスティアである。
■ナショナルリーグからも4チームがエントリー
1回戦は2部以下の24チームが参加した。この中でアルル・アビニョンはクラブがプロフェッショナルの地位を放棄し、アマチュアの地位になり、さらにナショナルリーグよりも1つ下位のCFAリーグに降格したことから、棄権することになった。それ以外のナショナルリーグ組はCAバスティアのみが2回戦に進出した。
1回戦を勝ち抜いた12チームは8月25日に2回戦を戦った。注目のCAバスティアはオセールと対戦、PK戦までもつれ込んだが最後はオセールの前に屈した。オセール以外にディジョン、エビアン、トゥール、ラバル、ブール・アン・ブレス・ペロナが3回戦に相当するベスト16決定戦に進出した。
■欧州組以外の1部勢が参戦したベスト16決定戦
このベスト16決定戦からは1部勢が参戦する。しかし1部リーグの20チームが出場するのではなく、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグに出場している6チーム以外の14チームのみが出場する。ちょうどチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグの第3節と同じタイミングで行われた。欧州での戦いに参戦できなかった1部勢としてはこのリーグカップの覇者となって次年度のヨーロッパカップへの出場権を獲得したいところである。また、このベスト16決定戦からは試合によって地上波でのテレビ中継もある。通常のリーグ戦は契約型の有料放送でしかテレビ中継されないため、選手、クラブにとってはアピールの良い機会となる。1部勢同士の試合が5試合、1部勢と2部勢の試合が4試合、2部勢同士の試合が1試合という内訳である。2部勢同士の戦いを制したラバル、1部勢を下した2部勢のブール・アン・ブレス・ペロナ、ディジョンとトゥール、それ以外の6チームは1部勢となった。この段階でのリーグ戦の順位も加えて紹介すると6位のニース、7位のレンヌ、9位のロリアン、12位のギャンガン、15位のリール、18位のトゥールーズである。欧州組ではないリーグ上位の2位アンジェは2部のトゥールに、3位カーンは1部のニースにそれぞれ敗れている。
■欧州組のチームが顔を見せたベスト8決定戦
そしてようやく欧州組の6チームが参戦してきたのが12月中旬に行われたベスト8決定戦である。この段階でチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグはグループリーグを終え、決勝トーナメントに進むチームと欧州の戦いが終わってしまったチームとに分かれている。
まず、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグで敗退して慕ったチームは残るは国内タイトルだけであり、すでに半分近く日程を消化したリーグ戦、年明けから始まるフランスカップ、そしてこのリーグカップを戦うことになる。
ヨーロッパリーグで敗退したモナコとボルドーであるが、なんとこのリーグカップのベスト8決定戦で対戦することになった。リーグ戦で2位まで順位をあげてきたモナコをリーグ戦14位のボルドーが迎え撃つことになった。巻き返しのために若手選手を起用したボルドーが、11月に行われたリーグ戦同様にモナコを圧倒する。ボルドーは3-0とモナコを一蹴し、ヨーロッパリーグ敗退からの立て直しを図るのである。(続く)