第2125回 リーグカップ、ファイナリスト決定(3) ソショー、2部勢として唯一8強入り
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■カップ戦では振るわないニース、初戦敗退
前回の本連載ではフランスカップのベスト8決定戦に参戦したチャンピオンズリーグ出場組の戦いを紹介したが、ベスト8決定戦のそれ以外の試合を紹介しよう。
まず、ヨーロッパカップ出場組はニースとサンテチエンヌである。国内リーグ戦ではニースは首位、サンテチエンヌは本戦出場5チームの中では最も低い8位である。しかしヨーロッパリーグのグループリーグではニースが最下位で敗退したのに対し、サンテチエンヌは首位で決勝トーナメント進出を決めている。国内外で対照的な結果になったが、リーグカップの初戦では同じような結果になった。
ニースはアウエーでボルドーと対戦する。ボルドーの攻撃陣が好調で2点を先行される。1点を返して1点差で折り返したが、後半に入り、追加点を奪われる。終盤にマリオ・バロテッリがPKで1点を返したが、反撃はそこまで、リーグのリーダーはカップと名のつくタイトルは苦手のようである。
■久しぶりにパリサンジェルマン以外のチームにカップ戦で敗れたサンテチエンヌ
サンテチエンヌはナンシーとホームで戦う。サンテチエンヌはヨーロッパリーグの勢いを持ち込みたいところであったが、18分にPKを与えてしまい、先制される。その後は攻め続けるが、ナンシーのGKのベラルーシ代表のセルゲイ・チェルニックの好守にはばまれ、得点をあげることができない。サンテチエンヌはアディショナルタイムに入ってから2回の得点機があったが、ノーゴール、初戦敗退となってしまった。サンテチエンヌはリーグカップでは過去3年連続、フランスカップでも2年連続してパリサンジェルマンに敗れており、カップ戦でパリサンジェルマン以外のチームに敗れたのは2014年1月のフランスカップのカンヌ戦以来となった。
結局、欧州カップ組の6チームのうち、モナコとパリサンジェルマンというチャンピオンズリーグの決勝トーナメントに進出した2チームしか勝ち残ることができなかったのである。
■新監督の初陣を勝利で飾ったナント
一方、ベスト8決定戦では欧州カップ組の出場しない試合で熱戦が展開された。ナント-モンペリエ、ソショー-マルセイユ、メッス-トゥールーズの3試合が行われた。ナントはこの時点でリーグ戦は下から2番目の19位、ルネ・ジラール監督を更迭し、ポルトガル人のセルジオ・コンセイソンをポルトガルのヴィトーリアから招聘する。コンセイソン監督にとっては初陣となったこの試合、ナントは本拠地のボージョワールでモンペリエに対し、3-1と完勝し、新監督は幸先の良い船出となった。
■PK戦を制したメッスとソショー
残りの2試合はPK戦までもつれ込む熱戦となった。メッスとトゥールーズの試合は両チームのGKが大活躍した。メッスのGKはダビッド・オーバーハウザー、日本の川島永嗣をベンチに押しのけての出場である。一方のトゥールーズはウルグアイ人のマウロ・ゴイコエチアである。2人ともそれほど実績のある選手ではないが攻守が光り、前半に1失点しただけでその後は得点を防ぎ、延長戦でもノーゴール、PK戦となる。PK戦では試合中の好守とは打って変わり、次々に成功させ、両チームともフィールドプレーヤー10人が成功する。最後は両チームのGKがキッカーとなったが、ヒーローとなったのはオーバーハウザーであり、メッスが11-10というスコアでPK戦を制したのである。メッスのホームでの勝利は8月27日以来となった。
唯一の2部勢のソショーはホームのオーギュスト・ボナルにマルセイユを迎えた。人気チームの来訪とあって、スタジアムはほぼ満員の1万8000人以上が集まる。22分に先制したのはマルセイユ、しかしソショーが36分に追いつき、その後は両チーム得点をあげることなく、PK戦となる。ソショーは最初のキッカーが失敗したがその後の4人が成功、マルセイユは最初の3人が成功したが、最後の2人が失敗し、ソショーが2部勢として唯一ベスト8入りしたのである。ソショーは1回戦、ベスト16決定戦もPK勝ちしており、10年ぶりの準々決勝に臨むのである。(続く)