第2159回 リーグカップ、パリサンジェルマンが4連覇(3) カップファイナルで10連勝のパリサンジェルマン
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■リヨンの新スタジアムでの戦績はモナコ1敗、パリサンジェルマン1勝
今季のリーグ戦での順位、リーグ戦での直接対決。さらにはチャンピオンズリーグの成績と、いずれもモナコがパリサンジェルマンを上回っている中で行われるリーグカップ決勝、中立地と言える場所で両チームが公式戦で対戦するのは史上初めてのことであろう。
さて、このパルク・オランピック・リヨネと両チームの相性を見てみよう。リーグ戦でのリヨンとのアウエーゲームが比較対象となるが、モナコは昨季は昨年5月7日に対戦し、1-6と大敗しており、今季はリヨンとのアウエーゲームは4月23日に行われる。パリサンジェルマンは昨季のリヨンと試合はジェルラン競技場で行われ、初めてのパルク・オランピック・リヨネでのゲームは昨年11月27日のことである。この時はリヨンに2-1と勝利している。したがって、相性としてはパリサンジェルマンが良いといえるであろう。
■今季公式戦50試合目となるモナコを支える若手
また、リヨンはチャンピオンズリーグで準々決勝に進出したが、予備戦の3回戦から参戦している。国内外の公式戦4タイトル(チャンピオンズリーグ、フランスリーグ、フランスカップ、リーグカップ)といずれも優勝の可能性があり、実にこれまで49試合を戦ってきている。三冠を達成した昨季のパリサンジェルマンですら年間通して58試合である。少なくともリーグ戦だけで残り8試合、そしてフランスカップ、チャンピオンズリーグ、このリーグカップと少なくとも4試合があるわけであり、年間最低61試合を戦うことになる。
モナコにとって内なる敵はこの試合数の多さからくる疲労であろうが、モナコは若いタレントがどんどん育ってきた。それが18歳のキリアン・ムバッペ、22歳のベルナール・マンディ、22歳のティエムエ・バカヨコ、トマ・ルマールというフランス代表にデビューしたばかりの20歳前後の選手たちである。またこれ以外に注目の若手選手に20歳のアルマミ・トゥーレがいるが、ムバッペ、マンディ、トゥーレはそろってパリ郊外の出身である。近年ではパリ近郊がサッカー選手の宝庫となり、彼らが様々な地方のクラブで育っている。
■バルセロナショックから立ち直ったパリサンジェルマン
一方のパリサンジェルマン、自力では勝るものの、今季はモナコの後塵を拝しているが、なんといってもチャンピオンズリーグの決勝トーナメント1回戦のバルセロナ(スペイン)に逆転負けを喫したショックから立ち直れるかが課題である。
試合はパリサンジェルマンが立ち上がりから圧倒した。4分には左ウィングのユリアン・ドラクスラーが右サイドのアンヘル・ディマリアからのパスを決めて先制する。1万2000人駆けつけたパリのファンは歓喜する。しかしモナコもこれに対して27分にジブリル・シディベのパスを受けたルマールがパリサンジェルマンの守備陣のプレッシャーをかいくぐって20メートルの距離からシュートを決める。人数的にはかなり少ないがモナコのファンの雄たけびが新スタジアムに響く。
しかし、この試合、ボール支配率に上回るパリサンジェルマンはこの1点で動じなかった。その中で光っていたのが先制点のアシストをしたディマリアである。44分には逆にドラクスラーがパスをディマリアに供給、ディマリアが勝ち越し点を決めて、パルク・オランピック・リヨネはパルク・デ・プランスとなった。
後半に入っても54分にマルコ・ベラッティからのパスをエディンソン・カバーニが追加点、さらに試合終了間際の90分にはディマリアがまたアシストを決めてカバーニが4点目を入れる。
■カップファイナルに強いパリサンジェルマン、4月にシーズン開幕
結局、パリサンジェルマンが4-1と予想外の大差でモナコを下す。パリサンジェルマンはこのところカップファイナルにはめっぽう強く、2011年にカタール資本となってからフランスカップ2回、リーグカップ4回、リーグ戦の勝者とカップ戦の勝者で争われるチャンピオンズトロフィー4回の決勝でいずれも勝利している。
パリサンジェルマンのシーズンは4月に開幕したのである。(この項、終わり)