第2281回 リーグ戦再開前に行われたリーグカップ (2) 半数が初戦で消えた欧州組
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■欧州カップ出場チームが登場するベスト8決定戦
リーグカップについて紹介の第1回に当たる前回の本連載では8月に行われた1回戦、2回戦、10月に行われたベスト16決定戦の模様を紹介した。
12月12日と13日に行われるベスト8決定戦にはチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに出場していた6チームも参戦する。
欧州組とは言っても3つのグループに分かれる。最初は、国内リーグ戦との過密日程の中でグループリーグを戦い、決勝トーナメントに進出したパリサンジェルマン(以上チャンピオンズリーグ)、ニース、リヨン、マルセイユ(以上ヨーロッパリーグ)、2番目はチャンピオンズリーグのグループリーグで敗退したモナコ、そして3つ目はグループリーグを戦わなかったボルドー(ヨーロッパリーグの予備戦3回戦で敗退)である。
■ラダメル・ファルカオの超ロングシュート
12月12日の欧州組の試合はトゥールーズ-ボルドー、モナコ-カーンの2試合である。奇しくも欧州では思わしくない結果に終わった第2、第3のグループのモナコとボルドーが登場した。
モナコはチャンピオンズリーグでは惨敗であったが、国内リーグは決して悪い成績ではない。首位のパリサンジェルマンに勝ち点9差と離されたものの、3位をキープしている。ファンは正直で、ルイ二世競技場にはわずか3000人の観衆であるが、このファンは素晴らしいシーンを見ることができた。前半に先制したモナコは、勝利をほぼ手中にしていたが、終盤の85分、ラダメル・ファルカオがセンターサークル付近からの超ロングシュートを決めたのである。
■地元開催の決勝進出の夢がはやばやと消えたボルドー
一方、ボルドーは昨季は終盤戦に猛チャージをかけ、さらにパリサンジェルマンがフランスカップとリーグカップの二冠を獲得したことから、ヨーロッパリーグの予備戦への出場権を得たが、国内リーグ開幕を前に予備戦で敗退、夏から秋にかけては国内リーグに専念した。しかしながら、14位と不本意な成績であり、欧州組6チームの中で最も低い順位である。だが、リーグカップには並々ならぬ意欲がある。それはリーグカップの決勝が昨季からスタッド・ド・フランス以外で開催されることになり、2年目にあたる今年はボルドーで行われることが決まっているからである。
トゥールーズで行われた初戦、ボルドーは前半36分にPKを献上、そして後半にも追加点を奪われて0-2と敗れてしまう。不調から抜け出すことのできないボルドー、選手もファンも3月31日にマットミュット・アトランティックで開催される決勝を苦々しく受け入れざるを得ないであろう。
■強さを見せたパリサンジェルマン、姿を消したリヨンとマルセイユ
そして2日目の欧州勢が出場するカードはストラスブール-パリサンジェルマン、リール-ニース、モンペリエ-リヨン、レンヌ-マルセイユの4試合である。
この中で一番注目を集めたのは今季1部に昇格し、中位にいるストラスブールがパリサンジェルマンにどこまで迫れるかという一戦である。平日の試合としては異例の2万5000人のファンがラメイノー競技場に集まったが、ストラスブールはオウンゴールで先制を許し、その後もパリサンジェルマンの得点を許し、反撃及ばず2-4で敗れてしまう。
パリサンジェルマンの強さをアルザスのファンも再認識したが、それ以外の欧州組は軒並み苦戦した。レンヌでもマルセイユを迎えるとあって2万2000人の観衆が集まる。試合はマルセイユが支配し、13分に先制するが、レンヌは追いつき、後半に入って57分に勝ち越す。しかしながら終盤の81分にマルセイユが追いつくが、PK戦でレンヌが勝利する。
リーグ戦では2位に浮上したリヨンはモンペリエ相手に先制するが、その後4失点し、1-4と大敗してしまう。
欧州組の意地を見せたのがニースである。リールに先制を許したが、後半にマリオ・バロテッリのゴールで同点に追いつき、PK戦ではGKのヨアン・カルディナルが試合中に負傷しながらも2本をストップする活躍で、ニースがPK戦を制した。
シードされた欧州組は半数の3チームだけがベスト8入りした。
そしてそれ以外の2試合ではアンジェがメッスに勝利し、アミアンが2部のロリアンを下したのである。(続く)