第2285回 リーグカップ決勝はパリサンジェルマン-モナコ (1) 大勝続きのレンヌに勝利したパリサンジェルマン
7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■レンヌ以外は1月に8試合戦うセミファイナリスト
代表の試合やチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの試合のない1月は各クラブは国内のタイトルに専念することになる。本連載でもフランスカップ、リーグカップを紹介してきたが、この月の最後に行われる試合がリーグカップの準決勝である。
リーグカップの準決勝は1月30日と31日に行われ、30日にレンヌ-パリサンジェルマン戦、31日にモナコ-モンペリエ戦が組まれている。この4チームのうち、パリサンジェルマン、モナコ、モンペリエはフランスカップでもベスト32決定戦に勝利し、1月は通常のリーグ戦4試合に加え、フランスカップ2試合(ベスト32決定戦、ベスト16決定戦)、リーグカップ2試合(準々決勝、準決勝)の合計8試合を戦う。残りのレンヌはフランスカップのベスト32決定戦でパリサンジェルマンに敗れており、その借りを返したいところである。
■パリサンジェルマン相手に大敗の続くレンヌ
本連載の第2279回でフランスカップでのレンヌとパリサンジェルマンとの対戦を紹介したが、昨季のフランスカップのベスト16決定戦では0-4、昨年12月に行われた今季のリーグ戦では1-4、そしてこのフランスカップでも1-6とレンヌはパリサンジェルマンに大差で敗れ続けている。前回の本連載で紹介したフランスカップのベスト16決定戦ではパリサンジェルマンはネイマールとキリアン・ムバッペを負傷で欠く布陣であったが、この2人が戻り、これにアンヘル・ディマリアが加わり攻撃陣を形成する。レンヌにとってはまた大量失点の恐怖がのしかかるが、レンヌの本拠地ローゾンパークには週末に行われたフランスカップの試合以上の2万8000人のファンが集まる。そろそろパリサンジェルマン相手に好ゲームを繰り広げるのではないかという期待の表れであろう。
■守備陣が得点を重ね3-0とリードしたパリサンジェルマン
そのファンの期待に応え、序盤はレンヌが攻め込む。しかし、地力の差は明確でアウエーのパリサンジェルマンのボール支配率は6割を超える。この展開の中で、24分にパリサンジェルマンが先制する。意外なことにサイドDFのトマ・ムニエが先制点を決める。前半終了間際にレンヌはカズリが同点ゴールを決めたかに見えたが、ビデオ判定でハンドが確認され、同点ゴールが認められずにハーフタイムを迎えた。
後半になってもペースは変わらず、ムバッペのシュートがゴールインするがオフサイドの判定。判定後にビデオ判定が行われ、やはりオフサイドということで判定は覆らず。そして53分のパリサンジェルマンの追加点も守備陣の得点であった。ディマリアのシュートがこぼれたところをマルキーニョスが拾ってシュート、2点差となる。さらにパリサンジェルマンは58分には後半から交代出場してきたジョバニ・ロセルソがゴールを決めて3-0となる。試合時間は残り30分以上、この時点で誰しもがこれまで通りのパリサンジェルマンのゴールラッシュを危惧したであろう。
■キリアン・ムバッペの退場で変わったリズム、1点差に追い上げたレンヌ
しかし、スコアが3-0と広がった直後からリズムが変わった。ムバッペがレンヌのイスマイラ・サールを蹴ってしまう。この日3回目のビデオ判定が行われ、主審はレッドカードをムバッペに突き付けた。これで完全にリズムが変わり、レンヌが攻勢に出て、次々にパリサンジェルマンのゴールを襲う。77分、79分と決定的なチャンスをつかむがゴールならず。そしてようやく1点を返したのは85分であった。アドリアン・ウヌのゴールがオフサイドで取り消された直後にディアフラ・サコがヘディングで1点を返す。そしてレンヌの勢いは止まらず、4分のアディショナルタイムに入っても攻め続ける。92分にはパリサンジェルマンの守備陣のクリアミスを拾ったサニン・プルチッチが1点差に迫るゴールを決める。
しかしながら、最終的にはパリサンジェルマンが3-2と逃げ切り、2年連続の優勝に王手をかけたのである。(続く)