第2621回 最後のファイナリストが決まったリーグカップ(1) スタッド・ド・ランス、リヨン、リール、パリサンジェルマンが四強

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、昨年の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■チャンピオンズリーグの決勝トーナメントまで過密日程となるパリサンジェルマンとリヨン

 前回までの本連載はラグビーの国際試合の6か国対抗について取り上げた。サッカーでは国際試合はクラブレベルでは2月中旬のチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの決勝トーナメントまで待たなくてはならない。フランスからはチャンピオンズリーグにパリサンジェルマンとリヨンが勝ち残っているが、両チームはこの欧州の強豪と対戦する前に国内ではリーグ戦に加え、フランスカップ、リーグカップを戦わなくてはならない。1 月から2月にかけては力のあるチームにとっては強行日程となる。本連載では年が明けて最初の試合となるフランスカップのベスト32決定戦を紹介し、両チームは難なく初戦を突破したが、そのわずか3日後にはリーグカップの準々決勝を戦うことになったのである。
 リーグカップの準々決勝は1月7日の火曜日と8日の水曜日に行われた。フランスカップのベスト32決定戦は3日から6日まで行われており、中2日か中3日でノックアウト方式の試合を連続して行うことは精神的にも重圧である。

■昨年度王者をPK戦で退けたスタッド・ド・ランス

 リーグカップ準々決勝は7日にスタッド・ド・ランス-ストラスブール戦で始まり、8日にリヨン-ブレスト、パリサンジェルマン-サンテチエンヌ、リール-アミアンという3試合が行われる。この8チームはいずれも1部勢であり、フランスカップを戦ったばかりである。4試合のうち3試合はフランスカップで初戦を通過したチームと敗れたチームの対戦、1試合はフランスカップの初戦で勝利したチーム同士の対戦となった。
 フランスカップで敗退したのは1部勢対決と対決しモナコに敗れたスタッド・ド・ランス、レンヌにPK戦で負けたアミアン、2部のロリアンに延長で屈したブレストの3チームである。これらのチームが気持ちを切り替えて最後のリーグカップで勝ち進むか、それとも強行日程の中で3つあるいは4つのタイトルを追うチームが勝利するかという点が注目である。
 スタッド・ド・ランスはリーグ戦の順位は6位、ヨーロッパリーグ出場権は手の届くところにあるが、オールドファンは久しぶりのタイトル獲得を願っている。ランスに乗り込んだストラスブールはディフェンディングチャンピオンである。昨年8月のリーグ戦ではスコアレスドローであったが、この日も両チーム無得点のまま90分が終わり、PK戦となる。PK戦ではスタッド・ド・ランスが4-2と競り勝ち、準決勝進出一番乗りとなったのである。

■リヨンとリールも準決勝進出

 リヨンはフランスカップのブール・カン・ブレス戦でクラブ史上最年少ゴールを決めた16歳のライアン・シェルキをベンチに置き、ブレストを迎える。チェルキに先発の座を奪われまいとFW陣が奮起し、ムーサ・ダンベレ、フッセム・アウア、ジャン・ルーカスが得点をあげ、ブレストの反撃を1点に押さえて準決勝進出、4つのタイトルに挑み続ける。  チャンピオンズリーグのグループリーグでは惨敗したリールはアミアン相手に前半は無得点であったが、後半に入って2得点をあげ、2-0と勝利した。

■38年前のフランスカップ決勝の相手に大勝したパリサンジェルマン

 準々決勝で最も注目を集めたのがパリサンジェルマン-サンテチエンヌ戦である。現在はタイトルを重ねているパリサンジェルマンであるが、初タイトルは1982年のフランスカップ、この時の決勝の相手がサンテチエンヌであり、PK戦の末、タイトル獲得となった。当時のフランスカップ決勝はパルク・デ・プランスで行われており、同じ会場での対戦となった。パリサンジェルマンは2トップにチームで最も得点をあげているキリアン・ムバッペ(18得点)と2番目に得点をあげているマウロ・イカルディを並べた。そのイカルディが立ち上がりの2分に先制点を奪い、得点を重ねる。終わってみればイカルディの3得点、ムバッペの1得点を含む6点をあげ、サンテチエンヌを1点に押さえて大勝したのである。(続く)

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