第1231回 ルクセンブルク、クロアチアと連戦 (4) 初登場の横縞ユニフォーム、スコアレスドロー

 3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、救援活動、復旧活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■クロアチア戦に先発した11人のメンバー

 クロアチア戦は親善試合ということもあり、力量の近いチームということで今後のフランス代表のメンバーを決定していく中で貴重な機会となる。クロアチア戦の次のフランス代表の試合の機会はシーズン終了後の6月初めまで待たなくてはならない。
 親善試合であるクロアチア戦は、メンバー交代の人数も多く認められることから、勝敗だけではなく、メンバーをどのように起用し、交代させていくか、そしてどのような内容の試合を行うかが焦点となる。観衆は6万人と空席が目立つスタッド・ド・フランスのピッチに立ったイレブンを紹介しよう。
 GKはウーゴ・ロリス、DFは右からアントニー・レベイエール、アディル・ラミ、フィリップ・メクセス、ガエル・クリシー、MFは守備的な位置にブレーズ・マツイディとアルー・ディアラ、攻撃的な位置には右にジェレミー・メネス、中央にサミール・ナスリ、左にフローラン・マルーダ、FWの1トップはカリム・ベンゼマである。
 4日前のルクセンブルク戦と比較すると両サイドバック、2人の守備的MF、右の攻撃的MFの4人が入れ替わっている。昨年のワールドカップで出場停止の処分を受けて復帰したパトリス・エブラ(ルクセンブルク戦では左サイドDFとして先発)、フランク・リベリー(右の攻撃的MFとして先発)の2人が先発メンバーから漏れている。また、驚きとしては当初は負傷のため代表メンバーに選出されず、その後2人の負傷離脱により追加招集されたマツイディが先発メンバーに入ったことであろう。

■白に紺の横縞のセカンドユニフォームを着用したフランス

 そして何よりも驚きはフランス代表のユニフォームである。この試合はフランスのホームゲームであるがクロアチアにとってはアウエーゲーム。クロアチアがアウエー用のセカンドユニフォームを着用する。クロアチアのチームカラーは国旗の中央にある国章にも採用されている赤と白の市松模様である。市松模様のユニフォームは日本の皆様ならば古豪横河電機の青と紺でおなじみであろうが、国際的には極めてユニークなデザインである。セカンドユニフォームはこの紅白の市松模様は両腕に残し、胴体の部分は青一色である。。
 このため、フランスもセカンドユニフォームを着用したが、従来の白ではなく、白地に紺の横縞のマリン柄のユニフォームを初めて着用する。フランス語でブルーカラーと言えば、本来の意味以外に、水兵という意味もある。まさにマリンはフランス代表のイメージ通りである。

■グルジア戦敗戦でショックを受けたクロアチア

 一方のクロアチアは、2009年9月のワールドカップ予選でイングランドに負けて以来、負けがなく、2010年は無敗で切り抜け、3月26日の欧州選手権予選のグルジア戦の敗戦はほぼ1年半ぶりの敗戦であった。2月のチェコとの親善試合で2得点をあげたニコラ・カリニッチをベンチスタートにし、昨年来堅持してきた1トップではなくニキカ・ヤラビッチとイワン・ペリシッチの2トップという布陣である。相当グルジア戦の敗戦がショックだったのであろう。

■スコアレスドローで連勝記録は5でストップ

 両チームとも直前の試合では思うような試合ができずメンバーを交代させてこの一戦に臨む。クロアチアの監督は13年前のワールドカップ準決勝でフランスのローラン・ブランの退場のきっかけを作ったスラバン・ビリッチである。
 しかしながら試合内容は至って凡庸なものになってしまう。フランスの前半はルクセンブルク戦よりはいい内容であったが、シュートが枠に飛ばない。枠内シュートは36分のメネスが放った1本だけで、得点機はクロアチアが上回った。
 後半に入りフランスは、メンバーを変える。FWのベンゼマと3人の攻撃的MF、さらに守備的MFのマツイディをベンチに下げ、MFより前でフル出場したのは主将を務めたアルー・ディアラだけであった。しかしこのような選手交代も実らず、フランスは無得点に終わる。フランスの連勝は5でストップ、フランスは昨年9月のベラルーシ戦以来の無得点試合となったのである。(この項、終わり)

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