第1433回 決勝進出かけて日本と対戦(1) ロンドンで団体球技が好調なフランス
昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■ロンドンで好調なフランスオリンピックチーム
昨年のワールドカップの3位決定戦の再現となった準決勝のスウェーデンは、フランスが試合を支配し、2-1と鮮やかな逆転勝ちを収めた。オリンピックの開会式前に行った米国戦では逆転負けし、どうなることかと思われたが、見事に立て直し、フランスは初出場で準決勝進出という快進撃を続けている。
このフランスの快進撃は女子サッカーだけではない。8月5日の競技が終了した時点でフランスのメダルは金8個、銀8個、銅9個である。金メダルの数だけを見れば米国、中国、英国に次ぐ4位の成績である。
■出場した団体球技すべてが好調なフランス
また、団体球技に目を転じれば、まだ競技中であるが、軒並み好調である。団体球技はサッカー以外にバスケットボール、ハンドボール、バレーボール、ホッケー、水球があるが、この中でフランスはバスケットボールとハンドボールで男女ともに出場している。
男子バスケットボールは第1戦が女子サッカー同様、米国が相手であった。ドリームチーム相手にトニー・パーカー擁するフランスがどこまでやるかが見ものであったが、地力の差は明白で71-98と敗れるが、第2戦は優勝候補の一角であるアルゼンチンに71-64と競り勝ち、第3戦も82-74とリトアニアに勝利、第4戦もチュニジアに73-69と勝利し、現在3勝1分でアルゼンチンと並んで3勝1敗、得失点差で及ばず3位に甘んじているが、アルゼンチンに勝利していることは大きい。
女子バスケットボールは、破竹の勢いであり、グループBでブラジル、豪州、カナダ、英国、ロシア相手にグループリーグ5戦全勝で決勝トーナメント進出、準々決勝はチェコと対戦する。
ハンドボールも好調である。金メダルの期待のかかる男子ハンドボールは英国、アルゼンチン、チュニジアに3連勝した後、アイスランドに29-30と僅差で敗れているが、現在グループAの2位である。最終戦はスウェーデンが相手であるが、決勝トーナメント進出は確実である。
女子ハンドボールは第1戦でノルウェーに24-23と競り勝ち、第2戦はスペインと18-18の引き分けと危うい戦いが続いたが、第3戦でスウェーデンに29-17と勝利して火が付き、第4戦で優勝候補の韓国に24-21と勝利、グループリーグ最終戦ではデンマークに30-24と勝利し、グループBを首位通過している。
■7月19日の親善試合で日本に勝利したフランス
このように好調なフランスの団体球技の中でいち早く始まり、いち早く優勝争いが行われるのが女子サッカーである。
日本に勝利すればメダルが確定する。日本とは7月19日に親善試合をパリのシャルレティ競技場で行っている。両国にとって本大会前最後の強化試合となったこの試合、7,000人の観衆の中にはバレリー・フルネイロン・スポーツ大臣やノエル・ルグラエ・フランスサッカー協会会長の姿もあり、注目の一戦となった。
この試合の先発メンバーであるが、GKはサラ・ブハディ、DF陣は右からコリン・フランコ、オフェリー・メイユルー、ウェンディ・ルナール、ソニア・ボンパストール、MFは守備的な位置にカミーユ・アビリーとエリーズ・ビュサグリア、攻撃的な位置には右にエロディ・トミ、中央にルイーザ・ネシブ、左にガエタン・ティネを配置し、そして1トップはマリー・ロール・デリーである。
この試合ではフランスの攻撃陣が機能し、24分にボンパストールからのパスをデリーがよくあわせて先制点をあげる。また、後半には74分にCKをストッパーのルナールがヘディングで追加点をあげ、本大会に入ってからもセットプレーからの両ストッパーのヘディングが得点源となっている。さらに、昨年のワールドカップではメンバーに入っていなかったGKのブハディも、しばしば日本のシュートを止め、安定した守備を見せるなど、収穫が大きい試合であった。
■日本戦は負傷で欠場のサンドリーヌ・スーベイランが復帰
一方、サンドリーヌ・スーベイランは負傷が癒えず交代でも出場機会がなかった。日本戦に出場しなかったスーベイランは米国戦も先発せず、リードされた後半に途中出場。そして北朝鮮戦からは3試合連続先発して出場し、主将を務め、チームは上昇機運にある。リーダーシップとロングパスのあるスーベイランの復帰したフランスに対し、日本はどのように立ち向かうのであろうか。(続く)