第1592回 辛うじて敗戦を免れたベルギー戦(3) フランス、ベルギーの先発メンバー

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ベルギー戦に臨むフランスの先発メンバー

 現在3連敗中のフランスは、2年ぶりとなるベルギーとの試合で連敗から脱出したいところである。現在のチームの勢いは明らかにベルギーに分がある。フランスは実に299分間無得点、フランスが最後に得点をあげたのは今年3月22日のグルジア戦、61分にフランク・リベリーが得点をあげたのが最後で、スペイン戦、ウルグアイ戦、ブラジル戦と歓喜から遠ざかっている。
 このような状況でベルギーのブリュッセルのボードワン国王競技場の4万1000人の観衆の前に登場したフランス代表のメンバーを紹介しよう。GKはウーゴ・ロリス、DFは右からバカリ・サーニャ、ローラン・コシエルニー、エリック・アビダル、ガエル・クリシー、MFは守備的な位置は右にジョシュア・ギラボギ、左にジョフレイ・コンドグビア、攻撃的な位置には右がディミトリ・ペイエ、左がリベリー、中央にマチュー・バルブエナ、そして1トップはカリム・ベンゼマという布陣である。

■驚きを与えたエリック・アビダルとカリム・ベンゼマ

 いくつかの驚きがあるが、まずアビダルの起用、しかもストッパーという位置である。ストッパーはフランス代表にとっては人材不足のポジションであるが、ブランクのあるアビダルをサイドバックではなく、中央の位置に配置した。そして守備的なMFはU-20ワールドカップ優勝メンバーから唯一抜擢されたコンドグビアと6月の南米遠征で代表にデビューしたギラボギのコンビである。さらに1トップのベンゼマは昨年6月のエストニア戦を最後に得点がなく、実に1082分間ノーゴールであるにもかかわらず、ディディエ・デシャン監督は起用する。この不名誉な数字をストップするためにもゴールがほしい。一方、デシャン体制になって初めて代表に選出されたサミール・ナスリはベンチでのスタートとなる。

■国内のクラブが4人、国外のクラブが7人のフランス

 フランスの先発メンバーの所属クラブ、所属リーグであるが、フランス国内のリーグに所属しているのはアビダル(モナコ)、ギラボギ(サンテチエンヌ)、バルブエナ、ペイエ(以上マルセイユ)と4人、残る7人はイングランドのプレミアリーグがロリス(トットナム・ホットスパー)、サーニャ、コシエルニー(以上アーセナル)、クリシー(マンチェスター・シティ)の4人、スペインのリーガエスパニョーラがコンドグビア(セルビア)とベンゼマ(レアル・マドリッド)の2人、ドイツのブンデスリーガがリベリー(バイエルン・ミュンヘン)の1人という内訳である。

■若手中心であるが国外のビッグクラブに所属するベルギー

 対するベルギーのメンバーは全員が国外のクラブに所属している。GKはチボー・クルトワ(スペイン:アトレチコ・マドリッド)、DFは右からトビー・アルデルバイレルト(オランダ:アヤックス・アムステルダム)、ダニエル・ファンブイテン(ドイツ:バイエルン・ミュンヘン)、バンサン・コンパニー(イングランド:マンチェスター・シティ)、セバスチャン・ポコノーリ(ドイツ・ハノーバー)、MFは低い位置にアクセル・ビツェル(ロシア:ゼニト・サンクトペテルブルク)、高い位置には右からケビン・デブライネ(イングランド:チェルシー)、マルアヌ・フェライニ(イングランド:エバートン)、ナセル・チャドリ(イングランド:トットナム・ホットスパー)、エデン・アザール(イングランド:チェルシー)、1トップはロメロ・ルカク(イングランド:チェルシー)というメンバーである。所属チームを見てお分かりのとおり、欧州のトップレベルのクラブに所属する選手が多い。
 また、26歳以上の選手は3人だけ、DFラインのファンブイテンは2002年のワールドカップの日本戦にも出場した35歳の大ベテラン、主将のコンパニーは所属チームのマンチェスター・シティでも主将を務める27歳、そして左サイドDFのポコノーリは26歳、これ以外に8人は25歳以下という若いメンバーでフランスを迎えるのである。(続く)

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