第1869回 ベルギー、アルバニアに連敗(2) FIFAランキング2位のベルギーと73回目の対戦
4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■フルメンバーがそろわずに合宿に突入したフランス
シーズン終了後に行われるベルギー、アルバニアとの親善試合であるが、フランスをはじめとする主要国のリーグ戦、カップ戦は終わっているが、唯一チャンピオンズリーグの決勝戦だけは6月6日に行われる。スペインのバルセロナとイタリアのユベントスとの戦いとなったが、ユベントスに所属するポール・ポグバとパトリス・エブラはベルギー戦は欠場し、アルバニア戦に向けてチームに合流することになる。
フランス代表はフランスカップの終了した翌々日の6月1日にクレールフォンテーヌに集結、ポグバとエブラ以外に、フランスカップ決勝に出場したパリサンジェルマンのヨアン・カバイエとブレーズ・マツイディ、イングランドのFAカップ決勝に出場したアーセナルのローラン・コシエルニーとオリビエ・ジルー、イングランドのトットナムでアジア・オセアニア遠征を終えたばかりのウーゴ・ロリスを除く17人で合宿が始まり、合宿3日目の6月3日には主将のロリスも合流し、22人で練習を行った。
■FIFAランキングでトップ10に復帰したフランス、2位になったベルギー
6月4日にはFIFAの国別ランキングが発表され、フランスは9位になる。フランスは3月のブラジル戦の敗戦でランキングを落とし、4月以降トップ10から漏れていたが、スイスとスペインを抜いてトップ10に復帰した。
この6月4日に発表されたFIFAランキングのトップ10でフランス以外に順位をあげた国がもう1つある。それが、今回フランスが対戦するベルギーであり、3位から2位へと順位をアップしている。
■ワールドカップ以降は5勝2分と無敗のベルギー
ベルギーは昨年のワールドカップでは大躍進を見せた。グループリーグは3戦全勝、決勝トーナメント1回戦で米国と死闘の末、延長戦で勝利し、準々決勝でアルゼンチンに惜敗しているが、久しぶりにそのユニフォームの赤にふさわしい魂のこもった戦いを見せた。
ワールドカップ終了後も、欧州選手権予選ではグループXに入り、アンドラに勝利、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ウェールズと引き分け、年が明けてからはキプロスとイスラエルに勝利している。昨年秋に行った豪州、アイスランドとの親善試合でも勝利しており、ワールドカップ明けの戦績は5勝2分と無敗であり、ランキングをアップさせている。
マルク・ビルモッツ監督もディディエ・デシャン監督同様に5月22日に25人のメンバーを発表している。ベルギーのメンバーにはフランスリーグからはモナコのヤニック・カラッソ、リールのディボック・オリジの名前もある。しかし、主将のバンサン・カンパニーの名前が見当たらない。ベルギーは6月7日のフランスとの親善試合を終えて、12日に欧州選手権予選のウェールズ戦が控えているが、このウェールズ戦にカンパニーは出場停止となっているため、フランス戦のメンバーからも外しているというわけである。
■73回目の対戦、ホームチームは30年以上勝利できず
ベルギーはフランスが代表チームとして初めて対戦しただけではなく、これまでに最も多くの試合を戦った相手である。これまでに72回対戦し、戦績はフランスが24勝19分29敗と負け越している。
直近の対戦は2年前の夏のことである。6月の南米遠征でウルグアイとブラジルに連敗したフランスはブリュッセルでベルギーと親善試合を行い、スコアレスドローに持ち込んでいる。その前の対戦もスコアレスドロー、2011年11月のスタッド・ド・フランスでの親善試合である。勝敗が付いた最後の試合は2004年2月のブリュッセル、親善試合でフランスが2-0と勝利している。フランスの最後の敗戦は2002年5月、韓日ワールドカップ直前のスタッド・ド・フランスでの壮行試合、フランスは1-2と敗れている。ライバル関係にある両国の今世紀に入ってからの対戦成績は1勝2分1敗と互角であり、さらにホームチームが勝利したことがない。1984年の欧州選手権でナントでフランスが5-0と勝利したのを最後に、30年以上ホームチームが勝利していないのである。(続く)