第1870回 ベルギー、アルバニアに連敗(3) ベルギーに4失点、終盤の反撃も実らず
4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■主力を欠く両チーム
FIFAランキング2位のベルギーに対するフランスは、ポール・ポグバ、パトリス・エブラというユベントス(イタリア)でのチャンピオンズリーグ出場、カリム・ベンゼマの負傷、一方のベルギーは主将のバンサン・カンパニーが出場停止、ブンデスリーガのアシスト王になったケビン・ドブラインも負傷と、両国とも主力を欠く中での対戦となった。
これらの主力に代わって先発出場する、CFのオリビエ・ジルー、左サイドバックのブノワ・トレムリナスにとってはこのチャンスを活かしたいところである。
■チャンスをつかみたい代役たち
スタッド・ド・フランスはライバル国との対戦とあって空席は見えるものの、7万の観衆が集まった。フランスの先発メンバーはGKはウーゴ・ロリス、DFは右からバカリ・サーニャ、ラファエル・バラン、ローラン・コシエルニー、ブノワ・トレムリナス、MFは低い位置にヨアン・カバイエ、右にムーサ・シッソコ、左にブレーズ・マツイディとなる。FWは右にマチュー・バルブエナ、左にアントワン・グリエズマン、そして中央にオリビエ・ジルーとなる。国内のクラブに所属しているのはパリサンジェルマンのカバイエとマツイディの2人だけとなった。
3月に同じスタッド・ド・フランスで行われたブラジル戦の先発メンバーは、GKはスティーブ・マンダンダ、DFは右からサーニャ、バラン、ママドゥ・サコー、エブラ、MFは低い位置にモルガン・シュナイデルラン、右にシッソコ、左にマツイディとなる。FWは右にバルブエナ、左にグリエズマン、そして中央にベンゼマであった。ブラジル戦の際はロリスが負傷していたため、GKにマンダンダを起用、またポグバも負傷していたため、MFの低い位置にはモルガン・シュナイデルランが出場していた。今回、主力3人が出場できないことによってチャンスを得たトレムリナス、ジルー、カバイエは来年の欧州選手権に向けて成果を残したいところである。
■守勢のベルギー、次々と得点を重ねる
しかし、試合は思いもかけない展開となる。フランスがボールを支配し、積極的にシュートを放つが得点には結びつかない。逆に17分、ベルギーのマルアン・フェライニに先制点を許してしまう。フェライニは194センチの大型選手、このサイズにフランスの守備陣は対応できず、42分には今度はヘディングシュートで追加点を決められてしまう。
前半を0-2というスコアで折り返したフランスは後半開始時にカバイエに代えてディミトリ・ペイエ、グリエズマンに代えてアレクサンドル・ラカゼットと攻撃陣に手を加える選手交代を行う。同点、逆転を意識した選手交代であったが、またもベルギーが追加点を入れる。50分にラジャ・ナインゴランが20メートルの位置から強烈なグラウンダーのシュート、ロリスのセービングも及ばず、ついに0-3となってしまう。
■試合終了直前に活躍した途中出場選手たち
フランスがようやく反撃の1点をあげたのは53分のこと、ジルーがペナルティエリア内でベルギーの選手にユニフォームをつかまれ、フランスはPKを得る。このPKをバルブエナが決めて、ようやくフランスは1点返すが、その直後にコシエルニーがペナルティエリア内でファウルを犯し、フランスはベルギーにPKを献上してしまう。このPKはエデン・アザールが決めて、4-1となり、フランスは再び3点のリードを奪われる。
今回初めて代表入りしたポール・ジョルジュ・ヌテップは80分にジルーに代わって登場、3点を追う展開での代表デビューとは思わなかったであろう。途中出場してきた選手たちが、試合の最後に見せ場を作り、89分にヌテップとナビル・フェキルがワンツーを決めてフェキルがゴール、そしてロスタイムにペイエが右足でシュートを決める。
3-4と1点差での敗戦となったが、フランスは本拠地スタッド・ド・フランスで連敗、さらに2試合で7点を奪われた。これは昨年15試合での総失点と同じであり、ショッキングな敗戦となったのである。(続く)