第1883回 シーズン開幕に向けて始動した各チーム
4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■ほとんどのチームが6月下旬に練習再開
今年はフランスのシーズンは5月下旬に終わり、欧州選手権もワールドカップもない今年は6月は代表の試合の出場した選手以外はオフとなった。8月7日に来季のリーグ戦が始まる。新たなシーズンに向けてほとんどのチームが6月下旬に練習を再開、7月には遠征や合宿を行う。
練習再開が最も早いのは6月22日に練習を始めるマルセイユである。一方、一番遅いのはパリサンジェルマン、7月6日のスタートとなる。パリサンジェルマンの練習再開が遅いのは大部分の選手が代表選手であることが理由である。欧州の代表選手は6月の初めのインターナショナルマッチデーの試合に出場し、そして南米の選手は6月に行われた南米選手権に出場しており、十分な休養が必要だからである。チームによっては代表選手の練習再開の時期を遅らせる措置を取っている。
■北米ツアーを行うパリサンジェルマン
多くのチームは国内で合宿を行うが、国外で合宿を行うチームもある。人気はオーストリア、ボルドーとロリアン、パリサンジェルマンのチームが合宿を行う。それ以外にはマルセイユがスペイン、レンヌがドイツ、モナコがイタリアで合宿を行う。パリサンジェルマン、モナコ、マルセイユといったビッグクラブが名を連ねている。
そしてこれらのビッグクラブは国外でのツアーにも余念がない。パリサンジェルマンは7月15日から8月2日までの長期間にわたり北米ツアーを行う。カナダ、米国に遠征を行い、ベンフィカ（ポルトガル）、フィオレンチナ（イタリア）、チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド（以上イングランド）と親善試合を大都市で行い、世界的なファンの拡大に結び付ける。アジアツアーも魅力であるが、今年の場合は女子ワールドカップで市場が目覚めたカナダにパリサンジェルマン、ベンフィカ、フィオレンチナが訪問することになった。
■国外のトーナメントに出場するモナコ、マルセイユ、リヨン
パリサンジェルマンを資金面、競技面で追う立場にあるモナコはイタリアのアオスタ渓谷での合宿中にイングランドのQPR、オランダのPSVアイントホーヘンと対戦する以外に、ポーランドのルブリンで行われるロットカップに出場し、ドイツのハノーバー、ウクライナのシャフタール・ドネツクに連勝している。
マルセイユもスペイン合宿は練習に専念するが、7月下旬にはトルコのアフィヨンで行われるアフィヨンカップに出場し、トルコのフェネルバフチェ、スペインのベティスと対戦する。またシーズン開幕直前には昨年から始まったロベール・ルイ・ドレフュス杯でユベントス（イタリア）を本拠地のベロドロームに招く。
ビッグクラブの中で珍しく国外合宿を行わないリヨンは強豪チームとの試合中心の準備となる。7月中旬にはバレー杯でスイスのシオン、オランダのPSVアイントホーヘンと対戦、そして7月18日には本拠地ジェルランにイタリアのACミランを迎える。そして7月最後の週末にはイングランドのロンドンで行われるエミレーツ杯に参加、イングランドのアーセナル、スペインのビジャレアルと対戦する。
■リーグ戦開幕前に公式戦を戦う4チーム
このように多くの試合を行う理由はビジネス面ばかりではない。リーグ開幕前に公式戦を戦うチームが4チームある。まず、前年度のリーグチャンピオンとカップ戦勝者の対戦するチャンピオンズトロフィー、今年はパリサンジェルマンが両タイトルを獲得したため、パリサンジェルマンとリーグ戦2位のリヨンが出場し、8月1日にカナダのモントリオールで行われる。
また、欧州カップ戦の予備戦に出場するチームが2チームあり、モナコは7月28日あるいは29日と8月4日あるいは5日にチャンピオンズリーグの予備戦3回戦を戦い、ボルドーは7月30日と8月6日にヨーロッパリーグの予備戦3回戦を戦うことになる。
リーグ開幕前に公式戦を戦う4チームは多くの代表選手を抱えており、他のチームより短いシーズンオフとなるのである。（この項、終わり）
