第1909回 ポルトガル、セルビアに連勝(4) マチュー・バルブエナ、8年ぶりにFKをゴール

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■クリスチャーノ・ロナウドとナニが両翼を固めるポルトガル

 スポルティング・リスボンの本拠地ジョゼ・アルバラーデ競技場には欧州選手権予選のグループIで首位を快走するポルトガルと欧州選手権の開催国フランスの試合には約4万人の観衆が集まった。ポルトガルの先発メンバーには3人のスポルティング・リスボンに所属する選手が名を連ねた。
 フランスは白いユニフォーム、そしてポルトガルは黒のユニフォームとそれぞれセカンドユニフォームでこの試合に臨んだ。ポルトガルはエースであり主将のクリスチャーノ・ロナウドが左サイドで出場、実にこれが121試合目の代表での試合となる。また、右サイドはナニが務め、この試合が87試合目の代表戦である。両ベテランがサイドを固めるものの、ポルトガルの攻撃陣位は負傷者が多く、代表歴の少ない選手も先発メンバーに名を連ね、クリスチャーノ・ロナウドとナニ以外の3人のMFの代表出場歴は5試合以下である。

■フランスの主将はブレーズ・マツイディ

 一方のフランスの先発メンバーで出場試合数が多いのはカリム・ベンゼマの79試合、ウーゴ・ロリスの68試合といったところである。主将はGKのロリスではなくブレーズ・マツイディが務めることになった。所属チームのパリサンジェルマンは首位を走っているが、その原動力となっているのがマツイディであり、8月16日のGFCアジャクシオ戦、21日のモンペリエ戦で得点をあげているだけではなく、精力的な動きでパリサンジェルマンの攻撃を支えていることが、主将に選出された理由であろう。リーグ戦で2試合連続でゴールをあげたのはマツイディにとっては初めてのことである。逆にリーグ戦でのパフォーマンスがよくなく先発から外れているのがイングランドのアーセナルで控えに甘んじているマチュー・ドビュッシーであろう。

■40年ぶりの勝利を目指すポルトガル

 ポルトガルが最後に勝利したのは今から40年前の1975年、パリ郊外のコロンブで行われた親善試合での2-0の勝利である。それ以来引き分けすらなく、フランスが9連勝している。しかし、両チームの最新の試合で、フランスはアルバニアに敗れ、ポルトガルはイタリアに勝利している。イタリアには実に39年ぶりの勝利であった。イタリア戦に続き、フランス戦でも久しぶりの勝利をあげたいところである。

■マチュー・バルブエナ、8年ぶりにFKを直接得点

 その久しぶりの勝利を目指すポルトガルのキックオフで試合は始まる。試合開始早々からポルトガルはクリスチャーノ・ロナウドが攻撃を仕掛けるが、試合は徐々にフランスのペースとなる。しかし、9分、代表初先発となる2トップの一角のナビル・フェキルが負傷する。結局、14分にフランスベンチは選手交代を告げ、フェキルはピッチを去り、アントワン・グリエズマンを投入する。前回の本連載でも紹介した通り、今年3月に代表入りし、この試合で初めて先発の座を与えられたフェキルにとっては重要なテストの場であったが、試合の序盤にピッチを去った。医師の診断は右膝の状況は思わしくなく、全治6か月という重症であった。えきる自信にとっても、フランス代表の首脳陣にとっても、そしてファンにとっても残念なテストとなった。
 ポルトガルもリカルド・カルバーリョが27分に負傷退場する。試合はフランスがボールを支配する展開となり、主将のマツイディも惜しいシーンがあったが、前半はノーゴール。
 0-0のまま迎えた後半、フランスはモルガン・シュナイデルランに代えてヨアン・カバイエを投入、フランスは前半以上に優位に試合を進めるが、なかなか得点をあげることができない。74分にはベンゼマに代えてアントニー・マルティアルが代表デビューとなる。そして80分に交代出場してきたマチュー・バルブエナがFKを直接ゴールに決める。フランスのFKからの直接の得点は実に8年ぶりのことである。
 フランスはポルトガルを1-0と下して10連勝、通算成績は18勝5分1敗、過去に20試合以上対戦している相手としては最高の勝率を記録しているのである。(続く)

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