第2052回 金メダルを狙う女子サッカー(3) 開会式前の第1戦はコロンビアに快勝

 平成28年熊本地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。お亡くなりになった方々に、謹んで哀悼の意を表します。 この地震が1日でも早く収まることと、被災地の皆様の安全とご健康をお祈り申し上げます。

■ロンドンオリンピックのグループリーグでも対戦したコロンビア

 金メダルを狙うフランスはグループに入ったが、4チームのうち、ニュージーランドを除くフランス、米国、コロンビアは前回のロンドンオリンピックでも同じグループであった。ロンドンオリンピックのグループGの北朝鮮に代わりニュージーランドが入った形になった。
 ロンドンオリンピックでフランスは米国、北朝鮮、コロンビアの順に対戦し、米国に敗れ、北朝鮮に大勝する。最終戦でそれまで連敗していたコロンビアをエロディ・トミのゴールで下して決勝トーナメント進出を決めた。ニューカッスルのセントジェームズパークで行われた試合が両国の初の対戦となった。そして昨年のワールドカップでもグループリーグで両国は対戦している。本連載第1876回でこの試合の模様は紹介したが、フランスは試合を支配しながら得点を決めることができず、逆に少ないチャンスを確実にものにしたコロンビアに2点を奪われ、まさかの敗戦を喫した。これまでの両国の対戦成績は1勝1敗であり、これが3回目の対戦となる。

■ベテラン中心のメンバーの中に入ったカディディアトゥ・ディアニ

 さて、フランスの先発メンバーであるが、GKはサラ・ブハディ、DFはジェシカ・ウアラ、グリエッジ・ムボック、ウェンディ・ルナール、アメル・マジリの4人、MFはアマンディーヌ・アンリ、エリーズ・ビュサグリアの2人が低い位置に入り、攻撃的な位置にはカディディアトゥ・ディアニ、カミーユ・アビリー、ルイーザ・ネシブ、そしてトップにユージェニ・ルソメが入る。トミが入ると思われていた右サイドに中国戦、カナダ戦で得点をあげたディアニを起用したが、ベテランの選手をそろえ、ムボック、マジリ、ディアニを除く8人は代表出場試合数が50試合以上である。

■ゴールラッシュで快勝、フランス選手団を勇気づける

 フランス時間では水曜日の深夜に行われたこの試合、会場のベロオリゾンテのミネイロン競技場には9500人の観衆が集まった。昨年のワールドカップでの失敗を繰り返さないためにもチャンスを逃してはならない。試合は立ち上がりにフランスが幸運をつかむ。右サイドからのルソメのクロスをカナダのDFがネシブのプレッシャーを受け、ミスキック。ボールは自らのゴールネットを揺らす。この幸運な先制点がフランスを勢いづける。フランスは12分、13分にルソメ、ビュサグリアが惜しいシュートを放つ。そして14分にはルソメがアビリーからのパスをゴールして追加点。前半終了前の42分にはアビリーが右コーナーの角度のあるところからFKを直接ゴールインし、3-0とリードを広げる。
 試合は一方的なフランスのペースとなり、82分には今度は左サイドからマジリがFKを直接ゴールに入れる。フランスは4-0と好発進する。相手のコロンビアは世界ランキング24位であるということを考慮しても、第1戦のスコアはジンバブエを6-1で下したドイツに次ぐものであり、開会式前のこの勝利はフランス選手団に大きな勇気を与えたのである。

■第2戦の相手は国際大会では2戦2敗の米国

 第2戦は大会2日目となる8月6日の20時30分に米国とベロオリゾンテで対戦する。米国は前回のロンドンオリンピックの優勝チームであるだけではなく、昨年のワールドカップでも優勝している。1990年代以降にワールドカップ、オリンピックという国際大会が行われるようになった女子サッカーであるが、オリンピック優勝4回(1996年、2004年、2008年、2012年)、ワールドカップ優勝3回(1991年、1999年、2015年)だけではなく、常に3位以内という安定した成績を誇っている。
 2010年代に入ってきてフランスも好成績を残しているが、壁となって立ちはだかってきたのがこの米国である。これまでフランスは米国と21回対戦し、2勝2分17敗という成績である。国際大会ではこれまで2回対戦し、2011年のワールドカップでは準決勝で敗れ、2012年のオリンピックではグループリーグで敗れている。
 3回目の国際大会での対戦となるこの一戦、フランスは勝利することができるであろうか。(続く)

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