第2122回 アフリカ選手権開幕 (4) 58人がフランスのクラブに所属
6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■1部リーグ20チーム中18チームからアフリカ選手権に出場
前回はアフリカ選手権に出場するフランス人監督について紹介したが、今回はフランスのクラブに所属する選手を紹介しよう。
出場国の半数以上にあたる10か国がフランス語圏であることから、今回もフランスのクラブに所属する選手が多い。
本連載第1808回で紹介したとおり、前回大会にはフランスのクラブあら出場した選手は69人にのぼったが、今回も58人の選手がフランスを離れガボンに向かった。1部リーグ20チーム中アフリカ選手権に選手を送り込まなかったのはボルドーとナントだけである。
■大量拠出は5人のリール、4人のアンジェ、3人のメッス
一番多くの選手をアフリカに送っているのはリールである。リールはマリのイブ・ビスマとユスフ・コネ、モロッコのハムザ・マンディルとムニール・オバディ、チュニジアのナイム・スリティという5人がアフリカ選手権のために戦列を離れる。続いて4人を拠出するのがアンジェであり、セネガルのファマラ・ディエディウとシェイク・エンドイエ、コートジボワールのニコラ・ペペ、カメルーンのカール・トコ・エカンビをアフリカに送る。そしてメッスはセネガルのイスマイラ・サール、カメルーンのジョルジュ・マンジェック、コートジボワールのシェイク・ドゥクレの3人を送り込む。
それ以外はディジョン、ロリアン、リヨン、モナコ、ナンシー、レンヌ、サンテチエンヌが2人ずつ、バスティア、カーン、ギャンガン、マルセイユ、モンペリエ、ニース、パリサンジェルマン、トゥールーズが1人ずつとなっている。
■下位低迷に追い打ちをかけたメッス、2つのカップ戦で敗退
アフリカ選手権は1月14日から2月5日まで行われるが、選手は1月の再開時から代表チームに合流しており、選手を拠出したチームは年明けからアフリカ勢抜きでの戦いをすることになる。この期間はリーグ戦だけではなく、フランスカップのベスト32決定戦とベスト16決定戦、リーグカップの準々決勝と準決勝と国内カップ戦が最大4試合控えている。
アフリカ選手権による選手離脱の影響も否めないのがメッスである。本連載第2111回で紹介したとおり、メッスはフランスカップのベスト32決定戦で2部のRCランスと対戦して敗れている。ベスト32決定戦で唯一下位のリーグのチームに敗れたが、リーグ戦で降格圏内にあるチーム状態であり、さらに3人が抜けることはかなり厳しい。メッスはリーグカップでも勝ち残っていたが、1月11日に行われた準々決勝でパリサンジェルマンに敗れている。
メッスに勝利したパリサンジェルマンもコートジボワールのセルジュ・オーリエを書いたが、選手層の厚さでカバーしている。リーグ3位のパリサンジェルマンよりリーグ戦で上位にいるチームについて紹介すると首位のニースはコートジボワールのジャン・ミッシェル・セリ、2位のモナコはモロッコのナビル・ディラーとマリのアダマ・トラオレが離脱する。またパリサンジェルマンの次の4位のリヨンは1試合消化試合が少ないが、ラシッド・ゲザル(アルジェリア)、ニコラ・エンクル(カメルーン)というレギュラークラス2人を欠く中で何とか優勝争いにからもうとしている。
■下位リーグのクラブからもアフリカ選手権に出場
そしてアフリカに選手を送り込んでいるのは1部リーグだけではない。2部リーグからも13チームの17人の選手がアフリカに戻る。そして3部に相当するナショナルリーグからも4人、さらに5部に相当するCFA2部からも3人の選手が母国のため、ガボンで戦う。
アフリカ選手権の開幕戦は1月14日17時、ガボンのリーベルビルで開催国ガボンと初出場のギニアビサウが対戦した。ガボンにはラバルのアーロン・アパンダンゴヤ、トロワのジョアン・オビアン、レッドスターのロイド・パラン、トゥールのドニ・ブアンガと4人のフランス2部リーグ勢が先発、ギニアビサウはナショナルリーグの2人がベンチに控えキックオフ、アフリカの熱い戦いが始まったのである。(この項、終わり)