第2516回 グループリーグを首位で突破(3) ビデオ判定2回のPKを決めてフランス3連勝

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■決勝トーナメントの可能性を残すナイジェリアと対戦

 北欧の強豪であるノルウェーに2-1と勝利して連勝したフランスは決勝トーナメント進出を決定した。2試合を終えた段階でグループAはフランスが勝ち点6(得失点差+5)で首位、勝ち点3で並ぶのはノルウェー(+2)とナイジェリア(-1)、韓国は勝ち点0(-6)である。
 グループリーグの最終戦は6月17日21時から2試合が同時にキックオフ、フランス-ナイジェリア戦がレンヌ、韓国-ノルウェー戦がランスで行われる。
 ナイジェリアはフランス戦で引き分け以上であれば3位以内となり決勝トーナメント進出が決まる。またフランスに敗れたとしても、得失点差で韓国を大きく上回っているため、3位の座はほぼ手中にしており、他のグループの3位チームとの争いとなる。グループAは最も試合のスケジュールが早いため、残りの5グループの結果を待つことになる。  一方、フランスが敗れた場合は、フランスとナイジェリアは勝ち点で並ぶ。さらにノルウェーが韓国に勝利すればグループAは3チームが勝ち点6となるが、得失点差で上回るフランスの優位は揺るがない。

■決勝トーナメントを決めたフランス、3人の選手を入れ替え

 フランスは第1戦、第2戦はほぼ同じメンバーで戦ったこともあり、この第3戦のメンバーをどれだけ変えるかということが注目を集めた。コリン・ディアクル監督はナイジェリア戦でメンバーの入れ替えを行った。右サイドのDFにはマリオン・トランに代えてエブ・ペリッセ、守備的なMFではエリーズ・ビュサグリアに代えてシャルロット・ビルボー、左サイドの攻撃的MFはユージェニ・ルソメに代えてビビアン・アッセイを起用した。ビュサグリア、ルソメというベテランに休養を与えることは決勝トーナメントを見据えたうえで必要である。さらに1トップはノルウェー戦で抜擢され、結果を残したバレリー・ゴーバンが務める。
 改めてメンバーを紹介するとGKはサラ・ブハディ、DFは右からペリッセ、グリエッジ・ムボック、ウェンディ・ルナール、アメル・マジリ、守備的なMFはビルボーとアマンディーヌ・アンリ、攻撃的なMFは右にデルフィン・カスカリノ、左にユージェニ・アッセイ、中央のトップ下にガエタン・ティネ、FWはゴーバンという布陣であり、主将を務めるのはアンリである。

■ギャンガンに所属するナイジェリアの主将デザイア・オパラノジ

 一方のナイジェリアの選手はほとんどが国外のクラブに所属している。これは男子同様であるが、違うのはイングランド、イタリア、ドイツ、スペインのクラブに所属しているのではなく、スウェーデンやノルウェーという北欧のクラブ、さらには中国のクラブに所属している選手もいる。その中で主将のデザイア・オパラノジはフランスのクラブ(ギャンガン)に所属している25歳の選手である。今季のフランスリーグでは不本意な成績に終わり、所属クラブのギャンガンと同じブルターニュ地方のレンヌの試合でフランスのファンの前でいいところを見せたいところである。

■ビデオ判定で得たPK、ビデオ判定でPKのやり直し

 第3戦の舞台は昨季のフランスのサッカー場で最も盛り上がりを見せたと言えるロアゾンパークには28,267人の観衆が集まった。フランスは上から青白赤のトリコロール、ナイジェリアは緑と白を基調としたユニフォームで試合が始まった。
 試合は終始フランスが優位に進める。引き分け以上でフランスは首位突破となる。フランスのパスの本数はナイジェリアの4倍近くにのぼり、圧倒的にボールを支配する。しかしながら前半は両チーム無得点、ナイジェリアは枠内にシュートを放つことができない。フランスも枠内シュートの少ないまま、終盤を迎えた。
 79分にアッセイがペナルティエリア内で倒され、ビデオ判定の結果、PKとなる。このPKをルナールが蹴る。ところがルナールが蹴る前に、ナイジェリアのGKがゴールラインの前に動く、さらにフランスの選手も2人がペナルティエリアの中に侵入してしまう。両チームが反則を犯してしまったが、これもビデオ判定の末、厳格にルールを適用し、蹴り直しとなる。蹴り直しの結果、ルナールのキックしたボールがネットを揺らす。ビデオ判定が2回あるPKが唯一の得点となり、フランスは3連勝しグループ首位通過を決めたのである。(この項、終わり)

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