第2949回 決勝トーナメントの国が出そろったアフリカ選手権(1) グループリーグで首位となったカメルーン、モロッコ、セネガル
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■優勝候補と目されるアルジェリア、セネガル、カメルーン、モロッコ
1月9日からカメルーンで始まった33回目のアフリカ選手権、本連載では第2943回から第2945回にかけて出場24か国の紹介と初戦の強豪対決について紹介した。ワールドカップ3次予選にも名を連ねている9か国は予選の段階から力量の違いを見せつけ、これらの国を中心に今大会は展開すると予想されるが、その中でも前回優勝のアルジェリアが優勝候補の筆頭、そしてセネガル、カメルーン、モロッコまでが四強と目されている。
■50年ぶりの開催、優勝に向けて首位突破したカメルーン
これらの優勝候補のうち、モロッコについては第2945回の本連載でガーナに勝利したことを紹介したが、最初に登場したのは開催国として開幕戦を戦うカメルーンである。カメルーンは、これまでにワールドカップ出場7回、アフリカ選手権優勝5回を誇るアフリカの雄であるが、アフリカ選手権の開催国となるのは1972年以来50年ぶりである。このところ、ワールドカップや大陸別選手権では開催国が優勝していないが、カメルーンは2014年ワールドカップのブラジルの再現を目指す。
カメルーンの開幕戦の相手はブルキナファソである。ヤウンデのオランブ競技場に4万8000人のファンが見守る中でのキックオフ。先制点を奪ったのはブルキナファソであったが、カメルーンは前半の終盤の40分と48分にPKを獲得し、いずれも主将のバンサン・アブバカールが決めて逆転する。2017年大会のヒーローが開催国優勝という地元のファンの期待に応えて、カメルーンは開幕戦を勝利で飾る。カメルーンは第2戦もエチオピアに先制されながら4-1と逆転勝利し、決勝トーナメント進出一番乗りを決め、最終戦はカーボベルデと引き分けて、グループAの首位を確保し、決勝トーナメントも余裕を持った日程で戦うことができるのである。
■強豪ガーナと初出場コモロに連勝したモロッコ
グループCのモロッコについては第1戦でガーナを1-0と退けた。グループCの首位チームは決勝トーナメントの4試合をヤウンデで戦うことができることから、モロッコは首位突破を決めたいところである。モロッコの第2戦の相手はコモロである。インド洋のモザンビークとマダガスカルの間に浮かぶコモロ諸島、長らくフランスン統治下にあり、独立したのは1975年、そしてアフリカサッカー連盟やFIFAに加盟したのは今世紀になってから、アフリカ選手権やワールドカップの予選へのエントリーも2010年代に入ってからという浅い歴史である。予選ではトーゴに勝利、エジプトに引き分けるなどの快挙が続き、初出場となった。しかし、本大会の初戦ではガボンに0-1と敗れ、厚い壁を感じる。モロッコはコモロに対し、2-0と勝利して連勝、モナコも2試合目で決勝トーナメント進出を決めた。
■苦戦しながらも首位突破したセネガル
苦戦しながら決勝トーナメント進出を決めたのがセネガルである。エースのサディオ・マネは5年前の大会の準々決勝のカメルーン戦、PK戦となって自らが外し、敗退となった。イングランドのリバプールで活躍しているが、カメルーンでのアフリカ選手権にかける思いは強いであろう。セネガルは第1戦でジンバブエと対戦する。両チームともなかなか得点を奪うことができず、このまま引き分けかと思われたが、後半アディショナルタイムの97分にセネガルはPKを獲得、これをマネが決め、セネガルは苦しみながらも勝ち点3を獲得した。
セネガルは第2戦でギニアと対戦する。ギニアも第1戦を勝利しているが、地力に勝るのはセネガルである。セネガルは試合を優位に進めるが、守備を固めたギニア相手に手こずる。引き分け狙いのギニアは首尾よく勝ち点1を獲得、試合はスコアレスドローに終わる。グループBはセネガルとギニアが勝ち点4で優位に立ち最終節を迎え、ギニアはマラウイと対戦する。セネガルはマラウイ相手にもスコアレスドローとなってしまう。ギニアがジンバブエに1-2で敗れたため、セネガルは辛うじて首位突破を果たすが、優勝候補らしからぬ結果であった。
そしてグループリーグでの最大の驚きは前回の覇者アルジェリアの敗退である。(続く)