第2950回 決勝トーナメントの国が出そろったアフリカ選手権(2) 前回優勝のアルジェリア、グループリーグで敗退

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■優勝候補筆頭のアルジェリアの主将リヤド・マフレズ

 今回のアフリカ選手権の優勝候補と目されているのはアルジェリア、セネガル、カメルーン、モロッコであるが、前回の本連載ではカメルーン、モロッコ、セネガルはグループリーグを首位で突破したことを紹介した。ところが優勝候補筆頭と言われるアルジェリアは予想外の厳しい戦いとなった。
 アルジェリアは前回大会優勝であるばかりか、大会を迎える時点で34試合連続で無敗である。この快進撃の原動力は主将のリヤド・マフレズである。イングランドのマンチェスター・シティのエースである。アルジェリア人の両親を持ち、パリ近郊で生まれ育ったマフレズは2部リーグに所属していたルアーブルからイングランドに渡り、当時2部相当のフットボールリーグのレスター・シティに移籍、1部に昇格してからのレスターでは栄光に浴し、ビッグクラブのマンチェスター・シティでベップ・グアルディオラに出会いさらに成長した。フル代表ではアルジェリアを選択し、2014年のワールドカップに出場している。アフリカ選手権も2015年大会から出場し、3回目の大会で優勝している。2021年には代表戦に8試合出場し、9得点、3アシストと好調であり、30歳になった今大会はチームの中心として連覇を狙う。

■第1戦でシエラレオネとスコアレスドロー

 アルジェリアは第1シードとしてグループEに入り、このグループの第2シードはコートジボワールであり、最終戦で対戦する。他の優勝候補が初戦で勝利をあげていく中で、アルジェリアの初戦の相手は第3シードのシエラレオネである。この試合はシエラレオネの健闘が目立ち、王者のアルジェリアに対し、守勢に回ることなく積極的に攻撃を仕掛けた。一方のアルジェリアは好機に得点を決めることができないばかりか、PKかと思われた微妙なプレーが2回あったものの、いずれもPKと認められず、結局無得点に終わってしまった。アルジェリアは格下相手にスコアレスドローで発進した。

■アルジェリアの無敗記録を35でストップした赤道ギニア

 アルジェリアの第2戦の相手は第4シードの赤道ギニアである。赤道ギニアは2015年大会は開催国として快進撃を果たし、準決勝に進出している。しかし、それ以来の本大会出場であり、第1戦ではコートジボワールに0-1と敗れている国である。アルジェリアの勝利は確実と思われたが、なんとこの試合もアルジェリアは7割近いボール支配率でありながら得点をあげることができなかった。そればかりか、70分には赤道ギニアのエステバン・オビアングが得点をあげ、アルジェリアの無敗記録を35でストップさせたのはノーマークだった赤道ギニアであった。

■最終戦でコートジボワール相手に完敗し、最下位となったアルジェリア

 アルジェリアと第1戦で引き分けたシエラレオネは第2戦でもコートジボワール相手に引き分けに持ち込み、グループEは当初二弱と目されていた国の活躍で予想外の展開となった。最終節を迎える段階で首位はコートジボワール(勝ち点4)、2位が赤道ギニア(3)、3位がシエラレオネ(2)、4位がアルジェリア(1)となった。グループEの最終節がキックオフされたのは1月18日18時、それまでにグループDまではグループリーグを終えている。この時点で首位のコートジボワールもアルジェリアに敗れた場合は3位になる危険性がある。しかし、3位になったとしても今大会は6グループの3位のうち上位4チームが決勝トーナメントに進出できる。前日に順位が確定したグループDで3位スーダンの勝ち点が1にとどまり、グループC3位のコモロも勝ち点3であることから、コートジボワールは勝ち点4に終わった場合でも決勝トーナメント進出がアルジェリア戦の前に確定した。
 しかし、コートジボワールもワールドカップを目指すチームである。アルジェリアに負けるわけにはいかない。コートジボワールは22分にフランク・ケシエが先制、39分にはイブラヒム・サンガレが追加点を決める。さらに後半に入ってニコラ・ペペが3点目を決めて勝負あった。アルジェリアは60分にPKを得たが、これをマフレズが失敗する。74分にソフィアン・ベンデブカがヘディングで1点を返し、無得点で大会を去る屈辱から逃れたが、1-3で敗れたアルジェリアはグループリーグ最下位となり、敗退したのである。(続く)

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