第2955回 セネガル、初優勝を飾る(1) 強豪対決を制し8強入りしたチュニジアとエジプト

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■決勝トーナメント1回戦で注目のチュニジア-ナイジェリア戦

 アフリカ選手権については本連載で出場国とグループリーグの模様を本連載第2943回から第2945回ならびに第2949回から第2952回で紹介してきた。アルジェリア、ガーナという有力チームが敗退した一方で、初出場のガンビア、コモロといったチームが決勝トーナメントに勝ち残った。また、決勝トーナメント開始の前日には3月にお紺われるワールドカップアフリカ3次予選の組み合わせ抽選が行われた。
 グループリーグで波乱が続いたこともあり、決勝トーナメントは1回戦から有力国同士の対戦が実現した。グループリーグで3位に沈んだチュニジアと首位通過したナイジェリアのカードは優勝候補同士の対戦となった。3位のチュニジアはグループリーグ最終戦を北部のガルアで戦い、沿海部のランベまで1000キロ以上を移動し、中2日でナイジェリア戦に臨む。
 試合は前半から両チーム積極的に仕掛け、ナイジェリアが優勢に試合を進めたものの、最初の45分は両チーム無得点で折り返す。後半の立ち上がりの47分にチュニジアは主将のユセフ・ムサクニがドリブルで駆け上り、得点をあげる。ムサクニはこれが7回目のアフリカ選手権出場であり、チームの精神的支柱のゴールでチームは盛り上がる。逆にリードされたナイジェリアはその後、退場者が出るなどして、追い付くことができなかった。1回戦屈指の注目カードはグループリーグで不調だったチュニジアが、唯一のグループリーグでの全勝チームのナイジェリアを破るという波乱であった。

■PK戦でコートジボワールを倒したエジプト

 グループDでナイジェリアに敗れて2位となったエジプトと、アルジェリアのいるグループEで首位となったコートジボワールとの対戦も注目された。グループ首位となったチームのうち、ワールドカップ予選ですでに敗退しているのはコートジボワールのみである。昨年11月にカメルーンで敗れて予選敗退したコートジボワールは、カメルーンの地で雪辱を果たしたい。エジプトはモハメド・サラー、コートジボワールはセバスチャン・アレという欧州の強豪で活躍するFWを擁する。前半はコートジボワールが優勢に試合を進めて、後半に入る。後半に入ってもゴールは生まれず、延長戦となる。延長前半にはエジプトのモハメド・シェリフ、コートジボワールはイブラヒム・サンガレと得点機があったがいずれもスコアには至らず、延長後半に突入する。延長後半も両チーム無得点、PK戦で雌雄を決することとなった。
 PK戦ではコートジボワールは3人目が失敗、エジプトは5人全員が成功させ、最後のキッカーのサラーのシュートが決まった瞬間にエジプトの準々決勝進出が決まった。

■順当に勝利したカメルーン、セネガル、モロッコ

 その他の有力国であるが、開催国のカメルーンは初出場で旋風を巻き起こしたコモロと対戦、コモロはGKが全員離脱し、DFの選手がGKを代役で務めた。カメルーンはカール・トコ・エカンビとバンサン・アブバカールが得点をあげ、コモロの反撃を1点におさえて地元ファンの期待に応えた。
 グループB首位のセネガルはグループAの3位から勝ち上がったカーボベルデに対し、2-0と勝利する。またグループ首位のモロッコもグループBで3位のマラウイに先制点を許しながら逆転勝利した。

■PK戦を制した赤道ギニアとブルキナファソ

 一方、グループF首位のマリは赤道ギニアと対戦、この試合は延長を戦っても両チームにゴールは生まれず、PK戦となり、赤道ギニアが3回目の8強入りを決めた。 1回戦8試合のうち、最もスリリングな展開となったのがブルキナファソとガボンの対戦である。ブルキナファソは前半に1点をあげ、このまま逃げ切るかと思われたが、後半のアディショナルタイムにオウンゴールを献上し、追い付かれてしまう。延長になっても決着はつかず、PK戦となる。PK戦も9人目までもつれ込み、最終的にはブルキナファソが競り勝った。
 そして、ガンビアは1回戦最大の驚きをもたらしたのである。(続く)

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