第2987回 ワールドカップ組み合わせ抽選前の親善試合(1) アフリカ勢と連戦するフランス

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■3月の下旬に注目を集める代表チーム

 3月の下旬、世界のサッカーファンは代表チームの動向にくぎ付けとなる。インターナショナルマッチデーが設定されているため、ワールドカップ出場が決定していない国にとっては、まさに最終決戦であり、すでにワールドカップ出場を決めた国にとってはワールドカップ本大会への第一歩としての親善試合を戦い、どのような陣容で臨むのか想像力を掻き立てられる。さらに月末にはワールドカップの組み合わせ抽選会が行われる。
 文字通り最終決戦となるのがアフリカであり、この期間にホームアンドアウエー形式での3次予選が行われる。それ以外の地区はすでに本大会出場を決めたチームもあり、欧州の場合はフランスのようにグループリーグを首位で終えたチームは昨秋の段階で本大会出場を決め、2位のチームなどがプレーオフを戦うことになる。

■欧州以外の大陸では最終予選が開催される3月下旬

 このようにワールドカップ出場権に関して温度差のある中で、3月下旬の親善試合のマッチメイクは選択肢が限られる。
 まず、ワールドカップ予選を戦っていないチームが条件である。例えば、アジアの国であれば最終予選に残った12か国はすでにワールドカップ出場か予選敗退かに関わらず、この時期に試合を行うので対象外となる。同様にアフリカに関しても3次予選に残った10か国、北中米カリブ海地域に関しても最終予選を戦っている上位8か国は対象外である。そして南米に関しては全チームが予選の試合がある。すなわち、欧州以外のチームを選ぶのであれば、開催国のカタールは別として最終予選に出場していないチームしか選択肢がない。

■本大会出場確定組同士の親善試合は4試合のみ

 このように考えると、欧州勢の中ではすでに本大会出場を決めた国と対戦したいところであるが、それはフランス以外にはわずか9か国(セルビア、スペイン、スイス、ベルギー、デンマーク、オランダ、クロアチア、イングランド、ドイツ)だけである。本来ならば、フランスは大陸を問わず、すでにワールドカップ出場を決定した同等の対戦相手を望みたいところであるが、それは地球上には9チームしかないのである。
 3月下旬に各国は親善試合を2試合行うが、ワールドカップ出場を決めた国同士のカードは26日のイングランド-スイス戦とオランダ-デンマーク戦、29日のデンマーク-セルビア戦とオランダ-ドイツ戦の4試合だけなのである。

■アフリカ勢と連戦するフランス

 フランスは25日にコートジボワール、29日に南アフリカと親善試合を行う。アフリカの強豪ではあるが、今回のワールドカップ予選では2次予選で敗退しており、フランスにとっては物足りない相手であることは否めない。
 欧州予選のグループで首位突破を果たした10か国のうちでフランス同様に3月下旬にワールドカップ本大会出場決定国と試合をしていないのはスペイン、ベルギー、クロアチアである。スペインは26日にアルバニア、29日にアイスランドと近年の欧州選手権で旋風を起こしながら今回のワールドカップ予選では前者はグループ3位、後者は5位にとどまった国と対戦する。世界ランキングで欧州のトップであるベルギーは26日にアイルランドとアウエーで対戦、29日にはブルキナファソを迎える。アイルランドはグループ3位、ブルキナファソはアフリカ2次予選で敗退したが、アフリカ選手権では準決勝に進出、優勝したセネガルに敗れた実力のあるチームである。前回大会準優勝のクロアチアは26日にスロベニア、29日にブルガリアと東欧勢を選択した。スロベニア、ブルガリアともグループ4位で予選を終えている。
 アフリカのチームと連戦するフランスは独自の路線と言える。この時期に親善試合を行うことのできるアフリカのチームは2次予選敗退チームであり、ワールドカップ本大会出場を確定した欧州の10チームでこの時期に欧州以外のチームと対戦するのはフランス以外にはベルギー(29日、ブルキナファソ戦)、イングランド(29日、コートジボワール)だけである。さて、どのようなメンバーでどのような試合をするのであろうか。(続く)

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