第3232回 パナマを破って決勝トーナメント進出(1) 最終戦を首位で迎えるフランス

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■男女通じて65年間ブラジルに負けていないフランス

 フランスは初戦でジャマイカに引き分けたが、第2戦でブラジルに勝利した。ブラジル戦は4年前の前回大会の決勝トーナメント1回戦に続く勝利となった。実はフランスはワールドカップでは男女を通じてブラジルには半世紀以上負けていない。最後のブラジル戦敗戦は男子の1958年スウェーデン大会、この準決勝で当時は新星であったペレの活躍を許し、2-5と大敗したが、その後は1986年メキシコ大会では準々決勝でPK勝ち、1998年決勝では3-0と勝利し、2006年ドイツ大会では準々決勝で1-0と勝利している。男子からブラジル戦勝利の系譜を受け継いだ形になった。

■最終戦の相手はグループリーグ敗退の決まったパナマ

 第2戦のもう1試合はジャマイカがパナマに1-0と勝利する。この結果、グループFは勝ち点4でフランスとジャマイカが並び、総得点でフランスが首位、勝ち点3でブラジルが追い、パナマは勝ち点0で最終戦を迎えることになった。
 ワールドカップ初出場となったパナマはグループリーグ敗退が決定した。女子ではレベルの高い中南米カリブ海地域予選ではグループBでカナダ、コスタリカに次いで3位となり、大陸間プレーオフに進出する。2月にニュージーランドで行われたプレーオフではパプアニューギニア、パナマを破って初出場を決めたが、本大会での壁は高かったようであり、ブラジルに0-4、ジャマイカに0-1と連続して完封負けを喫している。そのパナマがフランスの最終戦の相手である。

■決勝トーナメント進出に向けて優位な位置にいるフランス

 最終戦は8月2日20時からシドニーでフランス-パナマ戦、メルボルンでブラジル-ジャマイカ戦が行われる。勝ち点だけを見ると上位3チームの混戦のように見えるが、2位以内に入ることをゴールとするならば、フランスはかなり優位な立場で最終戦を迎えることになった。なぜならば、フランスの最終戦の相手のパナマはすでにグループリーグ敗退が決まっている。もう1試合はフランスと勝ち点4で並ぶジャマイカとフランスを勝ち点1差で追うブラジルが対戦する。フランスはパナマに引き分け以上の成績を残せば決勝トーナメント進出となる。フランスが引き分けた場合、勝ち点5となり、得失点差は+1となる。ジャマイカ-ブラジル戦で勝敗がついた場合、いずれかのチームはフランスより多くの勝ち点となるが、負けた場合はフランスと同勝ち点以下となる。ブラジルが勝利した場合、敗れたジャマイカはフランスと勝ち点で並ぶが、得失点差でフランスに及ばない。一方、フランスはパナマに敗れた場合でも、ブラジルがジャマイカに勝利すれば、ジャマイカとの得失点差の勝負となる。
 また、このグループFで勝ち抜いた場合はグループHを通過したチームと決勝トーナメント1回戦で対戦するが、フランスのグループFのチームは決勝まですべて豪州国内で試合を行うことになる。また、グループHはグループFよりも試合消化のスケジュールが遅く、対戦相手を選ぶための試合運びをすることもできない。何よりも、グループHでは首位通過が確実視されていたドイツが第2戦でコロンビアに敗れるという波乱が起こっており、フランスは首位通過して決勝トーナメント1回戦でドイツを回避するというシナリオも不透明になり、プランが立てにくくなった。

■ベテラン選手を外して臨むグループリーグ最終戦

 グループFとグループHの第2戦までの状況を勘案し、さらにこれまでのワールドカップよりも決勝トーナメントが1試合多くなることを考慮したエルベ・ルナール監督はブラジル戦とは先発メンバーを5人も入れ替え、チームの精神的支柱となるベテランのウェンディ・ルナールとウジェニー・ルソメを先発メンバーから外したのである。(続く)

このページのTOPへ