第3240回 モロッコに快勝、準々決勝へ(1) 決勝トーナメント1回戦でモロッコと対戦
平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■決勝トーナメント1回戦はグループHの2位チームと対戦
豪州とニュージーランドで行われた女子ワールドカップ、今年になってからフランスは監督を交代、選手の入れ替え、さらには主力の負傷というアクシデントの続く中で、本大会を迎えた。グループリーグでは第1シードでありながら、初戦のジャマイカ戦にスコアレスドローと予想外のスタートとなった。ところが、第2戦でブラジルに勝利し、メンバーを落として戦った第3戦ではパナマに6－3と勝利してグループFを首位通過した。
決勝トーナメント1回戦はグループHの2位チームと対戦する。グループHの第1シードは世界ランキング3位のドイツ、第2シードは17位の韓国、第3シードは27位のコロンビア、第4シードは76位のモロッコであるが、波乱の展開となった。
■波乱の展開となったグループH、首位コロンビア、2位モロッコ
コロンビアが韓国に勝利し、第2戦ではドイツ相手に終了間際に追いつかれながらも、後半アディショナルタイムタイムに決勝点をあげて、連勝した。第1戦でドイツに0－6と大敗したモロッコは第2戦で韓国に1－0と勝利した。最終戦は勝ち点6のコロンビアが勝ち点3のモロッコ、勝ち点3のドイツが勝ち点0の韓国と対戦する。数字の上ではすべてのチームに決勝トーナメント進出、グループリーグ敗退の可能性がある。わずかな望みを託す韓国は試合開始早々にドイツ相手に先制点を奪う。ドイツも前半の終盤に追いつく。他方、第4シードのモロッコは前半アディショナルタイムに、連勝しているコロンビアから得点を奪う。後半は2試合とも得点はなく、韓国とドイツは1－1のドロー、モロッコはコロンビアに1－0と勝利した。この結果、2勝をあげたコロンビアとモロッコが決勝トーナメントに進出、得失点差でコロンビアが首位、モロッコが2位となった。優勝候補のドイツは得失点差では首位であったが、勝ち点で及ばず、グループリーグ敗退となり、第1シードと第2シードが姿を消した。
フランスの決勝トーナメント1回戦の相手はモロッコとなったが、モロッコはオリンピック、ワールドカップを通じて初の本大会出場である。昨年暮れに行われた男子のワールドカップでも準決勝で対戦している。選手の多くは欧州のチームに所属しているが、強豪のクラブに所属している選手が多いわけではない。初戦で大敗しながら2勝したところは不気味である。
■モロッコを率いる元フランス代表のレイナル・ペドロス
このモロッコを率いるのはレイナル・ペドロス、1994年のキリンカップで訪日したフランス代表の一員であったことから日本の読者の方であればよくご存じであろう。引退後はアマチュアチームの監督を経て、2017年にリヨンの女子チームの監督となる。リヨンでは2年間で67勝5分1敗という驚異的な成績を残した。女子チームでの実績を買われ、2020年秋にはモロッコの女子代表の監督に就任する。
■アフリカ選手権で準優勝、ワールドカップに初出場
モロッコの男子はアフリカだけではなく世界レベルでもある程度の地位を築いているが、モロッコサッカー連盟は、2022年に自国開催となるアフリカ女子選手権に向け、女子の代表チームのレベルアップを図るために女子サッカーの指導者として実績のあるペドロスを招聘したのである。アフリカ女子選手権は2023年のワールドカップのアフリカ予選を兼ねており、ベスト4のチームにワールドカップのチケットが渡される。
この成果はてきめんであり、アフリカ選手権では3回目の出場にして初めてグループリーグを突破する。準々決勝でボツワナに勝利してワールドカップの出場権を獲得する。さらに準決勝ではナイジェリアを倒し、決勝に進出した。決勝では南アフリカに敗れたが、その勢いは今回のグループリーグ突破につながったのである。（続く）
