第3312回 アフリカネーションズカップ開幕(2) 優勝候補のモロッコ、セネガル、エジプト、コートジボワール、アルジェリア

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■半数の12か国は優勝経験あり

 34回目となるアフリカネーションズカップはコートジボワールに24か国が集まり、1月13日の開催国コートジボワールとギニアビサウの開幕戦が熱戦の火ぶたが切って落とされた。
 前回の本連載で出場24か国中12か国が優勝経験があると紹介したが、優勝国が多岐にわたるのがアフリカネーションズカップの特徴である。これまでの33大会で優勝経験があるのは15か国に上る。そのうちスーダン、エチオピア、コンゴ共和国は予選落ちしたが、残る12チームは優勝7回のエジプト、5回のカメルーン、4回のガーナ、3回のナイジェリア、2回のコートジボワール、アルジェリア、コンゴ民主共和国、1回のザンビア、チュニジア、セネガル、モロッコ、南アフリカという顔ぶれである。このように過去の優勝国を見ると、アフリカの古豪であるエジプトを除くと中西部の赤道付近の国の優勝が多く、マグレブ諸国は意外と少ないことがわかる。

■ワールドカップ四強のモロッコ

 ただ、今回は優勝候補の最右翼としてマグレブ所属のモロッコをあげることに異存はないであろう。1年強前にカタールで行われたワールドカップではクロアチア、ベルギー、スペイン、ポルトガルを破り、アフリカ勢として初めて準決勝に進出した。アフリカネーションズカップでの優勝は半世紀以上前の1972年の1回だけ、その後2004年にも決勝に進出したが、マグレブのライバルのチュニジアに敗れている、グループリーグの対戦相手はコンゴ民主共和国、ザンビア、タンザニアと恵まれ、久々の優勝に期待したい。

■サディオ・マネのセネガルとモハメド・サラーのエジプト

 モロッコにはパリサンジェルマンに所属するアクラフ・ハキミがいるが、守備の選手である。やはり攻撃的なポジションにスター選手がいるチームが注目を集める。それがセネガルとエジプトであろう。セネガルにはサディオ・マネ、エジプトにはモハメド・サラーという選手がいる。
 両チームは前回大会の決勝で対戦し、PK戦でセネガルが優勝している。マネは優勝を決めるPKを決め、大会最優秀選手に選出されている。リバプール(イングランド)、バイエルン・ミュンヘン(ドイツ)というビッグクラブで活躍したマネは今季サウジアラビアのアル・ナスルに移籍している。そして機を同じくしてサウジアラビアのクラブにセネガルの大物選手が2人移籍した。まず、世界最高のGKのうちの1人と言われるエドゥアール・マンディがチェルシー(イングランド)からアル・アハリに移籍した。そして代表チームの主将を務めるカリドゥ・クリバリーもチェルシーからアル・ヒラルに移った。逆に今季プレミアリーグ入りした逸材がチェルシーのニコラ・ジャクソンである。ワールドカップで代表デビューした22歳の長身FWはチェルシーでゴールを量産している。カタールのワールドカップではモロッコの四強入りが話題となったが、韓日大会以来20年ぶりに決勝トーナメントに勝ち残ったセネガルも忘れてはならない。
 最多8回目の優勝を目指すエジプトのエースはサラー、プレミアリーグでは前半戦を終えた時点で14得点と得点ランキングでマンチェスター・シティのアーリング・ハーランドと並んでトップである。またサラー以外のタレントの代表はフランクフルト(ドイツ)に所属するオマール・マームシュ、シーズン序盤はベンチスタートが多かったが、秋が深まると先発出場し、得点を重ねている。最多優勝を誇るとはいえ、エジプトが最後に戴冠したのは3連覇を成し遂げた2010年大会が最後であり、サラーは代表チームでの初タイトルを狙う。

■開催国のコートジボワール、リヤド・マフレズのアルジェリア

 そして開催国のコートジボワールも2015年のアフリカネーションズカップ優勝以降はワールドカップも含め精彩を欠くが、昨年5月にフランス人のジャン・ルイ・ガセ監督の就任後は好成績を誇っている。
 また、今季プレミアリーグからサウジアラビアのクラブに移籍したビッグネームにマンチェスター・シティからアル・アハリのリヤド・マフレズがいる。このマフレズのいるアルジェリアも前々回大会では優勝しており、3回目の優勝を目指すのである。(続く)

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