第3318回 アフリカネーションズカップ開幕(8) モロッコも首位通過、開催国コートジボワールは薄氷の進出

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■フランスで活躍する選手の多いコンゴ民主共和国

 ワールドカップでアフリカ勢史上初の四強に入ったモロッコは、初戦のタンザニア戦で3-0と快勝し、好スタートを切った。
 モロッコの第2戦の相手はコンゴ民主共和国である。かつてザイールという国名の時代に1974年大会の1度だけワールドカップに出場したことがある。これはサハラ以南の国として初めてのワールドカップ出場である。アフリカネーションズカップは1968年と1974年に優勝しているが、1997年にコンゴ民主共和国となってからは3位になったことが2回あるだけである。今大会は第2シードとして臨み、第1戦は第3シードのザンビアと引き分けている。チームの主将はマルセイユに所属するシャンセル・ムバンバである。またGKのリオネル・エンパシは2部のロデス、右サイドDFのジェデロン・カルルはロリアン、MFのサミュエル・ムトウサミはナントとフランスリーグで活躍している選手が名を連ねている。

■優勢に試合を進めたモロッコ、追いつかれてドロー

 勝利すれば決勝トーナメント進出の決まるモロッコは立ち上がりから攻め込み、6分にはハキム・ジエシュのCKからノーマークだったアクラフ・ハキミが先制点を決める。モロッコはなおも試合を優勢に進め、コンゴ民主共和国は守勢一方となる。33分にコンゴ民主共和国はガエル・カクタのFKにムバンバが合わせることができず、モロッコはCKに逃れる。この一連のプレーでコンゴ民主共和国の2人の選手が負傷して倒れこむ。VARで判定したところ、主審はPKをコンゴ民主共和国に与える。キッカーはかつてマルセイユに所属したこともあり、アンダーエイジのフランス代表だったセドリック・バカンブである。しかし、ワールドカップでの活躍の記憶も新しいモロッコのGKのヤシン・ブヌが正しい方向に反応、シュートをブロックし、モロッコは同点ゴールを許さなかった。
 モロッコが1点リードで迎えた後半、70分過ぎに主審は給水タイムを取る。この給水タイムの後、コンゴ民主共和国は攻め、サイラス・ムブンパの右足のシュートで76分に追いついた。負傷者が多く、後半のアディショナルタイムは10分になったが、両チームとも決勝点を上げることができず、ドローとなった。

■ザンビアに勝利し、首位通過したモロッコ

 第2節のもう1試合のタンザニアとザンビアの試合も1-1のドローとなり、最終節を迎える時点でモロッコが勝ち点4で首位、ザンビアとコンゴ民主共和国が勝ち点2、タンザニアが勝ち点1となった。モロッコはこの時点で3位以上を確定、すでに勝ち点4を獲得していることから、3位となった場合でも上位4チームに入り、決勝トーナメント進出を確定したが、やはり首位で勝ち抜きたい。
 最終戦の相手はザンビア、38分にモロッコはジエシュが決めた1点を守り切り、1-0で勝利する。もう1試合はスコアレスドローとなる。グループFの首位はモロッコで勝ち点7であったが、このグループは引き分けが多く、2位は3引き分けで勝ち点3のコンゴ民主共和国、勝ち点2でザンビアとタンザニアが並んだが、得失点差でザンビアが3位となった。

■アルジェリアとチュニジアが敗退、開催国コートジボワールは最下位で通過

 さて、決勝トーナメントに進出するチームをまとめると、各グループの上位2チームはグループAの赤道ギニア、ナイジェリア、グループBのカーボベルデ、エジプト、グループCのセネガル、カメルーン、グループDのアンゴラ、ブルキナファソ、グループEのマリ、南アフリカ、グループFのモロッコ、コンゴ民主共和国である。第1シードで首位通過できたのはセネガルとモロッコだけ、逆にアルジェリアとチュニジアは最下位となって敗退が決定した。
 3位の6チームのうち上位4チームも決勝トーナメントに進出できるが、勝ち点4のギニア(グループC)とナミビア(グループE)、勝ち点3のモーリタニア(グループD)とコートジボワール(グループA)が勝ち抜き、勝ち点2のガーナ(グループB)とザンビア(グループF)は敗退した。開催国コートジボワールは16番目のチケットとなったが、グループリーグ最終戦のザンビア-タンザニア戦で勝敗がつけば、敗退となり、まさに薄氷の決勝トーナメント進出であった。(この項、終わり)

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