第3326回 開催国コートジボワールが優勝(2) 次々と敗れる優勝候補の第1シード

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■負傷者を抱えたモロッコ

 決勝トーナメントに入り、グループリーグで3連勝したセネガルが決勝トーナメントで開催国とはいえ、グループリーグで1勝2敗と負け越し、監督を解任したコートジボワールにPK戦で敗れるという波乱があった。
 また、グループAの最終戦でコートジボワールに大勝して首位通過した赤道ギニアはグループCで3位、全体では13番目の通過となったギニアに0-1と敗れている。
 しかし、セネガルと並ぶ驚きは一昨年のワールドカップでアフリカ勢初の四強入りし、グループFを首位突破したモロッコの敗退であろう。モロッコが対戦したのは南アフリカ、グループEでは1勝1分1敗で2位となっている。モロッコはワールドカップでも活躍したソフィアン・ブファルが練習中の負傷のため、残りの試合を出場できなくなるというアクシデントに見舞われる。また、ハキム・ツィエクも負傷により試合に出場できない。一方、負傷してチームに遅れて合流したヌサイル・マズラウイが初めて出場する。前半は両チームとも手堅い試合運びで無得点でハーフタイムを迎える。

■南アフリカが先制、アクラフ・ハキムがPK失敗、モロッコ敗退

 後半に入り先制したのは南アフリカであった。56分にエビデンス・マクゴパがシュートを決める。南アフリカのペナルティエリア内のハンドがVARで認められ、モロッコにPKが与えられた。84分にアクラフ・ハキミは高いコースを狙うが、ボールはバーの上を通過、同点のチャンスを逃した。90分を迎え、アディショナルタイムの表示は10分、モロッコにもチャンスは残されていたかに思えたが、92分にモロッコのソフィアン・アムラバトがレッドカードで退場となる。94分には南アフリカのテボホ・モコエナがゴールから20メートルのFKを直接狙う。モロッコの名GKヤシン・ブヌもただ見送るだけで、ゴールネットが揺れた。主力の欠場はあったが、モロッコはアフリカネーションズカップでは2017年大会以降、90分以内で負けたことはなく、衝撃的な敗北となり、次回の自国開催の2025年大会での雪辱を誓うことになった。一方の南アフリカは前々回の2017年大会でも決勝トーナメント1回戦で開催国のエジプトを破っており、それに続く金星となった。

■またPK戦で敗れたエジプト

 4年前の自国開催の大会の決勝トーナメント1回戦で南アフリカに敗れたエジプトは前回大会では準優勝となった。優勝候補が次々に倒れていく中で今大会こそ優勝と意気込んだが、またも決勝トーナメント1回戦で沈んだ。相手はコンゴ民主共和国、エジプトは得点源のモハメド・サラー、正GKのモハメド・エルシェナウィなどキープレーヤーを欠く。先制点を決めたのはコンゴ民主共和国であった。37分にメシャク・エリアのゴールが決まる。その直後にコンゴ民主共和国は自陣のペナルティエリア内の空中戦でファウル、VARの結果、エジプトにPKが与えられ、モスタファ・モハメドが決めて同点となる。後半に入っても両チーム得点がなく、延長戦に入る。
 延長前半の96分、エジプトはこの試合2回目の警告を受けたモハメド・ハムディが退場となる。守りに入ったエジプトは何とか耐えきり、PK戦となる。両チームとも2人目が失敗しただけで6人目以降も成功させ、9人目となる。先蹴のエジプトはGKのモハメド・アブ・ガバルであったが、失敗する。コンゴ民主共和国も9人目はGKのリオネル・ムパシ、2部のロデスの選手である。右足のシュートが成功し、コンゴ民主共和国が準々決勝進出となった。エジプトは今大会4試合とも記録上は引き分けでPKに泣いた。またエジプトは前回大会決勝もPK戦で敗れている。

■第1シードの中で唯一準々決勝に進んだ開催国のコートジボワール

 その他の試合はナイジェリアがカメルーンを2-0、アンゴラはナミビアを3-0、カーボベルデはモーリタニアを1-0、マリはブルキナファソを2-1とそれぞれ下している。
 6か国の第1シードのうち、アルジェリアとチュニジアはグループリーグで敗退し、セネガル、モロッコ、エジプトも決勝トーナメント1回戦で敗退している。開催国のコートジボワールだけが残ったのである。(続く)

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