第3327回 開催国コートジボワールが優勝(3) グループ首位通過のアンゴラ、カーボベルデも準々決勝敗退
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■グループリーグを首位通過したアンゴラとカーボベルデ
優勝候補や第1シードの国々が次々と敗れた今回のアフリカネーションズカップ、準々決勝に進んだ第1シードの国は開催国としてではなく開催国として6チームの一角を占めるに至ったコートジボワールだけである。
2月2日と3日に行われた準々決勝の組み合わせをシード順位、グループリーグの成績と合わせて紹介すると、ナイジェリア(第2シード、グループA2位)-アンゴラ(第4シード、グループD1位)、コンゴ民主共和国(第2シード、グループF2位)-ギニア(第3シード、グループC3位)、カーボベルデ(第3シード、グループB1位)-南アフリカ(第3シード、グループE2位)、マリ(第2シード、グループE1位)-コートジボワール(第1シード、グループA3位)となり、今大会の波乱ぶりがよくお分かりであろう。
ここまでくると調子の波に乗ったチームが頂点を極めるのではないかと思われるであろう。調子に乗っていると言えば、第4シードでグループリーグ初戦は敗れたが、第2戦以降連勝し、グループ首位となって、決勝トーナメント1回戦でもナミビアに勝利して3連勝中のアンゴラ、第3シードながらグループリーグで2勝1分で首位、決勝トーナメント1回戦のモーリタニア戦でも終盤に決勝点を入れたカーボベルデなどがアウトサイダーとして注目される。両チームともポルトガルから独立した国であり、これまでにポルトガルを宗主国とする国がこの大会で優勝したことはない。
■ナイジェリアの攻撃力の前に姿を消したアンゴラ
しかし、この両チームは準々決勝で姿を消した。2月2日にアンゴラはナイジェリアと対戦する。スーパーイーグルスというニックネームのナイジェリアは第2シードになったが、開催国の第1シードがなければ第1シードに入った出場国中6番目のチームである。この強豪に対し、アンゴラは序盤から攻め、5分にはCKからマブルルが決定機をつかむ。対するナイジェリアもアデモラ・ルックマン、ビクター・オシムヘン、ナントに所属しているモーゼス・サイモンという攻撃陣は脅威である。41分には左サイドのサイモンからのパスをルックマンが左足でゴールに叩き込んで先制する。ナイジェリアは後半に入って75分にFKを頭で合わせたオシムヘンが追加点かと思われたが、オフサイドの判定で取り消される。アンゴラも終盤に攻めたが、得点をあげることができず、ここで力尽き、3回目の挑戦でも準々決勝の壁を破ることができなかった。
■優位に試合を進めたカーボベルデ、得点をあげることができず
カーボベルデもこれまでの最高成績は2013年大会の準々決勝であり、2回目の挑戦となる。南アフリカはグループリーグの初戦でマリに敗れたが、1勝1分1敗で得失点差で2位に入った。自国開催となった2019年大会は準々決勝どまり、唯一の優勝は1996年、ちょうどラグビーワールドカップで世界の舞台に復帰し優勝した翌年である。
過去の両チームの対戦成績は5回、2勝1分2敗と五分の成績である。試合はカーボベルデがやや優勢に進めるが、得点をあげるには至らないままハーフタイムを迎える。
後半も試合展開は変わらず、カーボベルデがボールを支配し、得点機を活かすことができないまま、時間が過ぎてゆく。5分と表示された後半アディショナルタイムにビッグプレーが出る。カーボベルデのベンチモルの完璧なシュートを南アフリカの主将にしてGKのロンウェン・ウィリアムズがセーブする。このプレーがこの試合の大きな流れを作った。試合はこのまま延長戦となるが、120分戦って両チーム無得点のままPK戦となる。
■PK戦で主要国際大会初めて4本をセーブしたロンウェン・ウィリアムズ
先蹴はカーボベルデ、最初のキッカーに対しウィリアムズは正しく反応し、セーブする。ウィリアムズは2人目、3人目もセーブする。ウィリアズスは4人目はPK成功を許したが、最後の5人目もストップし、南アフリカの準決勝進出が決まった。ワールドカップ、欧州選手権、南米選手権、アフリカネーションズカップというノックアウト方式のある主要国際大会で4人のPKをストップしたのはウィリアムズが史上初めてなのである。(続く)