第3413回 3回目のパリオリンピック(5) グループリーグでニュージーランド、米国、ギニアと対戦

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■最多出場を誇る米国、それに次ぐフランス

 前回の本連載はメンバーを紹介したが、今回は組み合わせについて紹介しよう。オリンピックに出場するチームは男子の場合16チーム、開催国のフランス、欧州から3か国(スペイン、イスラエル、ウズベキスタン)、南米から2か国(パラグアイ、アルゼンチン)、アフリカから3か国(モロッコ、エジプト、マリ)、北中米カリブ海から2か国(米国、ドミニカ共和国)、アジアから3か国(日本、ウズベキスタン、イラク)、オセアニアから1か国(ニュージーランド)、アジアとアフリカのプレーオフから1か国(ギニア)という顔ぶれである。
 この中で最多出場を誇るのは米国で15回目、それに次ぐのが14回目のフランス、13回目のエジプト、12回目のスペイン、日本、10回目のアルゼンチンとなっている。また最多連続出場は日本の8大会連続、最もブランクが長いのは48年ぶりのイスラエル、初出場はドミニカ共和国とウズベキスタンである。

■アジア代表が決まっていない段階で組み合わせ抽選を実施

 4チームずつ4つのグループリーグに分けて戦うが、シード分けはマジックが起こった。シード分けは2004年アテネ大会以降東京大会までの5大会の成績を加重(最近の大会はウエイトを重くする)したポイントで決められた。また、今大会の予選で各大陸のトップとなった国にはボーナスポイントが加算された。
 組み合わせ抽選会は2024年3月20日に行われたが、その時点で出場国が決まっていなかったのがアジアである。カタールで開催される23歳以下のアジアカップがオリンピックのアジア予選を兼ねる。もともとこの大会は2024年1月に行われ、アジア代表が決定してから組み合わせ抽選が行われるはずであったが、大会の開催が延期され、4月中旬から5月初めに行われることになった。これはフル代表の2023年アジアカップの開催国が中国からカタールに変更となり、2024年1月に開催されることになったため、23歳以下のアジアカップの開催時期が変更されたのである。

■第1シードはフランス、日本、ウズベキスタン、アルゼンチン

 このように組み合わせ抽選の段階ですべての出場国が決定していないケースはしばしばあるが、その多くは最後の1枠のプレーオフというケースであり、このように大陸単位で決定していないことは珍しい。組み合わせ抽選の苦肉の策として、アジア代表は前回の東京大会の出場国(開催国の日本を含めて3か国)の成績をシード分けに使うことになった。
 東京大会のアジア代表は日本、韓国、豪州である。日本は1996年大会以降連続出場し、最もウエイトが大きくなる東京大会では4位ということで参加チーム中最も高いポイントとなる。そして2番目にポイントが高かったのは韓国である。今回は出場権を逃したが、1988年のソウル大会から東京大会まで9大会連続出場を誇り、2012年のロンドン大会では銅メダルを獲得している。この韓国の成績が初出場のウズベキスタンに適用された。そして3番目にポイントが多かったのがアルゼンチンである。
 開催国のフランスは自動的にグループAの第1シードとなり、それ以外に日本、ウズベキスタン、アルゼンチンが第1シードとなった。

■7会場で実施、決勝はパルク・デ・プランス

 組み合わせ抽選でグループAは各大陸のチャンピオンチームがそろう第2シードからはオセアニア王者のニュージーランド、第3シードからは北中米カリブ海王者の米国、第4シードからはプレーオフを制して最後にパリ行きのチケットをつかんだギニアが入った。
 男子サッカーの会場は7会場、パリのパルク・デ・プランス、マルセイユのベロドローム、リヨンのグルーパマ、サンテチエンヌのジェフロワ・ギシャール、ナントのボージョワール、ニースのアリアンツ・アリーナ、ボルドーのマットミュット・アトランティックとこれまでワールドカップや欧州選手権を開催した会場で行われる。メイン会場のスタッド・ド・フランスでは開催されないが、決勝はパルク・デ・プランスで行われるのである。(続く)

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