第3417回 3回目のパリオリンピック(9) エジプトに延長で逆転勝ち、決勝進出
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■スペインに勝利し、グループCを首位突破したエジプト
2年前のワールドカップと同じ顔合わせとなった準々決勝のアルゼンチン戦、オーバーエイジのジャン・フィリップ・マテタが試合の序盤に決めたヘディングシュートでフランスは準決勝に進出した。オリンピックでフランスが準決勝に進出したのは優勝した1984年大会以来40年ぶり2回目のことである。
準決勝の相手はエジプト、アフリカ予選を兼ねた昨年の23歳以下のアフリカネーションズカップでは決勝で開催国のモロッコに延長戦の末敗れたが、オリンピックに2大会連続13回目の出場を決める。グループCに第3シードとして入る。第1戦は第4シードのドミニカ共和国とスコアレスドロー、第2戦は第1シードのウズベキスタンに1-0と勝利する。第3戦でエジプトと対戦するスペインは、このグループCでは力が抜け出ており、連勝して決勝トーナメント進出を決めている。このスペインに対し、エジプトは2点を先行する。スペインも終了間際に1点を返すが、エジプトが勝利し、グループCを首位突破した。
■2016年リオデジャネイロオリンピックの優勝監督、ロジェーリオ・ミカレ
エジプトは準々決勝ではグループDを2位通過した南米1位のパラグアイと対戦した。71分にパラグアイが先制したが、エジプトは88分に追いつき、試合は延長戦となる。延長戦では両チーム得点がなく、ベスト4入りはPK戦に委ねられた。5人全員が成功させたエジプトが準決勝に駒を進めた。エジプトは1964年の東京大会以来の準決勝進出であることから、日本の皆様はよくご存じのチームであろう。その時は4位に終わったが、今回は開催国フランスを倒して、同国史上初のメダルを狙っている。
このエジプトを率いるのがブラジル人監督のロジェーリオ・ミカレである。2016年のリオデジャネイロでのオリンピックで時刻を率いて優勝を果たした。今回のオリンピックでエジプトは柔道では日本人の泉浩が監督を務めている。
■今大会初失点を喫したフランス
準決勝の会場はリヨンのグルーパマ競技場、今大会で使用される競技場の中ではマルセイユのベロドロームに次ぐ巨大な競技場である。フランスの先発メンバーはGKはギヨーム・レステ、DFは右からキリアン・シルディリア、ロイック・バデ、カステロ・ルクバ、アドリアン・トルフェール、MFは右からマグリス・アクリウシュ、アンディ・ディウフ、ジョリス・ショタール、トップ下にミカエル・オリーズ、FWは右にジャン・フィリップ・マテタ、左にアレクサンドル・ラカゼット、中盤のアクリウシュとディウフだけがアルゼンチン戦に先発しなかった。
フランスは序盤にトルフェールがチャンスを作ったが、次第に試合はエジプトのペースとなっていく。前半はエジプトのゲームであったが、フランスは40分にCKからバデがヘディングでシュート、ポストをたたいて先制点は奪えなかった。
後半に入り、フランスはラカゼットのシュートがわずかに外れたその直後、エジプトはマフムード・サーベルのシュートがブロックされたが、跳ね返ってきたボールを再びサーベルが右足でシュート、今度はレステは全く動くことができず、フランスは今大会初の失点を喫した。
■ジャン・フィリップ・マテタの同点ゴールと逆転ゴール
初失点の後、フランスの攻撃陣は奮起し、マテタ、ラカゼットがシュートを放つが、エジプトのゴールをこじ開けられない。ようやくフランスが追いついたのは83分であった。オリーズのパスをマテタが決めて、試合は振出しに戻る。後半アディショナルタイムにはペナルティエリア内のエジプトのハンドをめぐって、VARとなるが、フランス側にファウルがあったとして認められず、試合は延長戦に入る。
延長開始早々にエジプトのオマール・ファエドが2回目の警告で退場となり、フランスが数的優位となる。ここから試合はフランスのものになり、99分にシルディリアのクロスをマテタがヘディングで決めて逆転する。さらに延長後半に入った108分にはオリーズが左足でシュートを決める。
フランスはエジプトを下して、決勝に進出したのである。(続く)