第156回 1月のフランス熱狂、3つのスポーツイベント(2) 男子バスケット、欧州選手権出場に王手
■パリダカ終了後もサッカーの人気カードに無関心なフランス人
年が明けてから1月19日までオフィスやキャンパスでの話題はパリダカが中心となった。ようやく3週間近い戦いが終わったものの、オフィスやキャンパスの話題の中心はサッカーにはならなかった。水曜日の1月22日にフランスリーグ第23節があり、首位のニースが人気チームのパリサンジェルマンを迎え、2位のマルセイユが4位のオセールと対戦するなど人気カードが予定されていたにもかかわらず、である。実は22日にはスウェーデンで開催される男子バスケットボールの欧州選手権の予選が大詰めを迎え、フランスはポーランドとベルギー国境に近いドゥエで対戦することになっていたからである。(ちなみにパリサンジェルマン-マルセイユという好カードのあるフランスカップのベスト16決定戦が行われる25日には欧州選手権予選の最終戦のリトアニア戦がグルノーブルで行われる)
■足掛け3年の欧州選手権予選のスケジュール
バスケットボールの欧州選手権は隔年で開催され、前回のフランスの成績は5位である。今年9月に行われるスウェーデン大会に向けて前回大会終了後から取り組んできた。代表選手のうち有力選手はNBAのチームに所属し、ベストメンバーでの代表チームの活動の時期は制限される。これはフランスだけではなく、他の欧州諸国も同様である。欧州選手権予選は6チームがホームアンドアウエー形式で争うため、各チーム10試合行うことになるが、日程の確保が課題となる。
2003年欧州選手権の予選は前回大会が行われた翌々月の2001年11月に始まり、11月に1週間で3試合、2002年1月に中2日で2試合、2002年11月に1週間で3試合、2003年1月に中2日で2試合というスケジュールで行われた。本大会に出場できるのは16チーム。開催国のスウェーデンと前回優勝のユーゴスラビアを除く14のチケットを6チームずつに分かれた5つのグループで争ってきた。フランスはエストニア、リトアニア、ベラルーシ、ポーランド、ハンガリーと同じグループDに入り、上位2チームと各グループ3位の中で成績のよい4チームがスウェーデン行きのチケットを獲得する。フランスにとって最大の強敵は前回大会で8位に入ったリトアニアであるが、米国勢と欧州勢の混成チームが4回の短期決戦を行うというチーム編成とスケジュールが意外な結果をもたらすかもしれない。
■首位で折り返したフランス
フランスは一昨年11月の最初のシリーズでまずホームでハンガリーに勝ち、アウエーの連戦に旅立つ。ベラルーシに勝ったが、エストニアに59-63と敗れ2勝1分で最初のシリーズを終える。この段階ですでに全勝のチームはなく、フランス、ポーランド、エストニア、リトアニアが2勝1敗でリードする。次のシリーズは昨年1月23日と26日に行われた。フランスはアウエーの戦いでポーランドと対戦、延長にもつれこんだが、延長戦で突き放し78-70で勝利する。このアウエーの延長戦勝利と言う勝利を受け、3日後にフランスが乗り込んだのは、フランスとともに1敗を守ってきたリトアニア。最大のライバルとのアウエーでの戦いを87-81と制し、全ての国と一通り対戦して、前半戦が終了する。この段階でフランスは4勝1敗、リトアニアとハンガリーが3勝2敗、ポーランドとエストニアが2勝3敗、ベラルーシが1勝4敗である。
■6勝2敗で最終シリーズを迎えるフランスとリトアニア
そして昨年11月のシリーズではフランスはまずアウエーでハンガリーと対戦する。この予選を通じて最後のアウエーゲームであるが、80-94で落としてしまう。リトアニアもポーランドに勝ち、フランス、ハンガリー、リトアニアが4勝2敗で並ぶ。ところがフランスは残り4試合は全てホームゲーム。この日程が功を奏し、ベラルーシ、エストニアと言う下位チームに連勝し6勝2敗と言う成績で最終シリーズを迎える。段階でリトアニアが6勝2敗で並び、逆にハンガリーはアウエーで連敗して4勝4敗と後退し、1月に各チーム2試合を戦うことになったのである。(続く)