第1861回 ラグビーの欧州カップ、トゥーロン3連覇 (5) 国際色豊かなトゥーロンとクレルモンのメンバー

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ファイナルフェーズでの対戦も多いトゥーロンとクレルモン

 5回目のフランス勢同士の決勝となったラグビーの欧州カップ、トゥーロンとクレルモンは2年前の決勝でも顔を合わせており、同じチーム同士が決勝で2回戦うのはこれが最初である。
 そして前回の対戦はトゥーロンが16-15と競り勝っている。今シーズンの両チームのレギュラーシーズンでのリーグ戦の対戦はトゥーロンでの試合は昨年11月に行われ、トゥーロンが27-19と勝利しているが、クレルモンでの試合は5月17日に予定されている。両チームともリーグ上位であり、ポストシーズンのファイナルフェーズでの対戦も十分に考えられる。
 近年、トゥーロンとクレルモンは国内リーグのファイナルフェーズでも対戦しており、2010年の準決勝ではクレルモンが、2012年の準決勝ではトゥーロンが勝利している。

■国外からの選手が多いトゥーロン

 両チームとも多数の世界的なスター選手を抱えている。まず、トゥーロンであるが、主将はニュージーランド代表のカール・ヘイマン、それ以外にロックのアリ・ウィリアムス、ナンバー8のクリス・マソエもニュージーランド代表である。イングランド代表のフランカーのステフォン・アーミテージがいる。スタンドオフのマット・ギトーとウイングのドリュー・ミッチェルは豪州代表であり、フランス代表のフレデリック・ミシャラクをベンチに追いやっている。南アフリカからはロックのボタ、フランカーのスミス、ウイングのハバナと人材がそろい、フルバックはウェールズ代表のリー・ハーフペニーである。それ以外にアルゼンチン代表のホアン・マルタン・ヘルナンデスがセンターに構える。
 つまり、先発メンバーのうちフランス人は4人だけである。フランス人選手もセンターのマチュー・バスタロー、プロップのグザビエ・シオッチ、フッカーのギレーム・ギラド、スクラムハーフのセバスチャン・ティルー・ボルドと代表クラスがそろう。
 ラグビーの世界でも選手の移籍は頻繁であり、トゥーロンの選手で昨年と一昨年の欧州カップの優勝メンバーであり、3連覇を目指す選手は8人しかいない。また2年前のクレルモンとの決勝に出場した選手は6人だけである。

■国内のスター選手と国外の選手からなるクレルモン

 一方のクレルモン、15人中8人がフランス人選手である。主将はフランカーのダミアン・シュリー、プロップのバンサン・デバッティ、フッカーのベンジャマン・カイザー、フランカーにジュリアン・ボネールとセバスチャン・バハマイナ、スクラムハーフのモルガン・パラ、センターのウェスレイ・フォファナ、ウイングのノア・ナカイタチとフランス代表の選手がそろう。これ以外にジョージア代表のニュージーランドの7人制代表のナンバー8のフリッツ・リー、カナダ代表のロックのジェミー・クドモア、フィジー代表のウイングのナポリオニ・ナラガ、イングランド代表のフルバックのニック・アベンダノンという外国人選手が固める。

■4回目の決勝にかけるクレルモンのベンジャマン・カイザー

 クレルモンはフランス人選手が多いということもあり、移籍はトゥーロンほどではなく、2年前のトゥーロンとの決勝に出場している選手は9人にのぼる。またフッカーのカイザーはこれが欧州カップの決勝に出場するのが4回目であるが、今まで3回の決勝ではいずれも敗れている。さらにその3回の敗れた決勝では、2005年はスタッド・フランセ所属、2009年はイングランドのレスターに所属、2013年はクレルモンに所属といずれも所属チームが異なっている。4回目の挑戦となる今回は前回と同じクレルモン、そして相手は同じトゥーロン、さらに同ポジションはフランス人選手と、今年こそ絶対に勝ちたいであろう。
 会場はロンドンのトゥイッケナムである。今秋に予定されるワールドカップのメイン会場である。両チームの選手の多くがこの秋に再びプレーするであろう聖地で5月2日、試合はキックオフされたのである。(続く)

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