第1888回 リオデジャネイロへの道 (5) セルビアで決勝に敗れ、来年の世界最終予選に望みを託す
4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■準々決勝でロシアに競り勝つ
バスケットボールの女子フランスチームは欧州選手権で二次リーグを2位で通過し、決勝トーナメントに進出した。決勝トーナメントは8チームで争われ、3連勝すれば、リオデジャネイロ行きのチケットが手に入る。
二次リーグで2位になったことからフランスにとっては少々辛いトーナメント表になった。まず1回戦に相当する準々決勝の相手はロシア、そして準決勝ではスペインとモンテネグロの勝者と対戦する。決勝戦までにロシア、スペインという難敵が待ち受けている。
6月25日に準々決勝のロシア戦が行われた。ロシアの前身のソ連は1970年に初めてフランスが決勝進出した際の相手である。この時はソ連が94-33と圧勝したが、2001年大会の決勝では73-68、2009年大会の決勝では57-53といずれもフランスが勝利している。フランスは第1クォーターにリードを許す苦しい展開、しかし第2クォーターで逆転し、3点リードして後半を迎える。後半は接戦となるが、結局フランスは3点のリードをキープし、77-74とロシアを下す。
■前回決勝の再現となったスペイン戦に勝利
そして準決勝では予想通り、優勝候補筆頭のスペインと対戦する。準決勝が行われたのは6月26日、この女子バスケットボールの試合の終わったころに大西洋を挟んでカナダのモントリオールでキックオフされるのが女子サッカーのワールドカップの準々決勝のドイツ戦である。
前回の2013年大会の決勝では70-69とスペインが競り勝ったが、今回も接戦となった。第1クォーターはフランスが15-13とリード、しかし第2クォーターはスペインが18-14、逆転する。2点を追っての後半となったが、第3クォーターにフランスは22-15と逆転し、5点差をつけて最終の第4クォーターに入る。第4クォーターでは両チームイーブンで12-12、結局最終スコアは63-58でフランスが2大会連続の決勝に進出した。この試合光ったのはサンドリーヌ・グルーダである。出場時間はチーム最多の34分、そして得点もチーム最多の16点をあげた。また、試合を組み立てたセリーヌ・ドュメルクの存在も忘れてはならない。そして前回大会の決勝にも出場した32歳のベテランのガエル・スクレラもその無念を晴らしたのである。
■初めての決勝進出を果たしたセルビア、7回目のフランス
事実上の決勝とも言われた準決勝のスペイン戦に競り勝ったフランスであるが、決勝の相手は意外なチームが進出してきた。フランスを押さえて二次リーグのグループEを首位通過したトルコを準々決勝で破ったセルビアが準決勝でベラルーシに74-72と競り勝って決勝に初めて進出した。一方のフランスは7回目の決勝進出となるが、勝利したのは先述の2回のロシアとの決勝だけである。
決勝は準決勝から中1日おいて6月28日にブダペストで行われた。フランスは2012年のロンドンオリンピック、2013年の欧州選手権に続く決勝進出、いずれも敗れており、今回こそ勝ちたいところである。驚きの決勝進出となったセルビアは昨年の世界選手権の7位決定戦でフランスと対戦しており、その時はフランスが88-74と勝利しているが、今年に入って行った親善試合では64-63とセルビアが競り勝っている。
■セルビアに惜敗、世界最終予選に望みを託す
女子のサッカーがワールドカップ準々決勝でドイツに敗れたことも重なり、フランスでは急遽テレビ放映をする局が増え、国民の多くが注目する中試合が始まった。スタートはフランスのペース、第1クォーターは22-15とリードする。しかし、セルビアはエースのアナ・ダボビッチが大活躍し、第2クォーターは18-10と圧倒、前半はセルビアが33-32と1点のリードで折り返す。
後半に入ってフランスは息切れ、第3クォーターは17-20、第4クォーターは一時期は2点差まで追い詰めたが、結局19-23とリードを広げられ、最終スコアは68-76と8点差でセルビアに敗れる。
フランスは欧州チャンピオンとしての出場権を獲得できなかったが、来年6月に行われる世界最終予選に望みを託すことになった。(この項、終わり)